脱原発入門講座トップ さよなら原発神戸ネットワークHomePage

核燃料サイクルって何?


 原子力発電所で使われた核燃料の「燃えかす」(使用済み燃料)から、プルトニウムや燃え残りウランを取り出し(これを「再処理」と言います)、再び燃料として利用する仕組みを「核燃料サイクル」と呼んでいます。

 政府や電力会社は、リサイクルによってウランを有効利用できるとか、プルトニウムはエネルギー資源の乏しい日本にとって貴重な「準国産エネルギー」だと言って、この仕組みづくりを進めようとしています。

 しかし、今ではこのようにしてプルトニウムを利用しようとしているのは日本だけで、ほかの先進諸国は止めてしまいました。

 それは、余りに危険で技術的にうまくいかない上に、経済的にもメリットがなく、さらに核爆弾の原料になるプルトニウムを増やしてしまうなど、さまざまな問題がはっきりしてきたからです。


核燃料サイクルのしくみ


「核燃料サイクル」は、図のように、 @軽水炉(普通の原発)を中心にしたウラン利用の流れ=「ウランサイクル」と
A「高速増殖炉」を中心としたプルトニウム利用の流れ=「プルトニウムサイクル」
からなります。この両方が完成して初めて「核燃料サイクルの夢」は実現しますが、その見通しは立っていません。
 「核燃料サイクルの夢」******

「核燃料サイクルの現実」<準備中>


図上の指マークをWクリックすると解説にジャンプします。
 
ウラン採鉱 ウラン鉱山でウラン鉱石を掘り出す。 ウラン鉱山周辺では,ほこりや放置された鉱石のくずなどの放射能によって住民の健康被害が発生している。
精錬 ウラン鉱石から粉末状のウラン(イエローケーキ)を取り出す。
転換 イエローケーキを,濃縮しやすいように六フッ化ウランという気体に変える。 六フッ化ウランは高速道路を使って輸送されているが、万一事故で漏れると空気中の酸素、水素と反応して猛毒ガスが発生し、広い範囲で住民が失明したり、肺をやられて死亡する危険がある。もちろん放射能による被害も。
濃縮 天然ウランには核分裂するウラン235が0.7%しか含まれていないので,これを 2〜4%に濃縮する。 もっと濃縮すれば広島型の原爆の原料になる。
再転換 濃縮ウランを粉末の二酸化ウランにする。
燃料加工 二酸化ウランを焼き固めて「ペレット」にし,金属の管に入れて「燃料棒」にし,それを束ねて「燃料集合体」を組み立てる。
原発(軽水炉) 燃料集合体を原子炉の中にセットし,3〜4年間核分裂させる。 原子力発電のしくみ
再処理 使用済み燃料(死の灰)を溶かして,燃え残りウランやプルトニウムを取り出す。日本では東海村に実験用の小さな工場しかないので、今までイギリス、フランスに委託していたが、現在青森県六ヶ所村に大規模な工場を建設中 再処理工場は事故が無くても原発の数百倍の放射能を垂れ流す。イギリスでもフランスでも広い範囲でプルトニウムによる汚染が発覚、子どもの白血病の増加などが報告されている。万一事故が起これば原発以上の大災害になる。まさに「悪魔の工場」。
Pu燃料加工 取り出したプルトニウムとウランを混ぜて「混合燃料」(MOX燃料)に加工し,燃料集合体に組み立てる。 高速増殖炉もんじゅの事故でプルトニウムの使い道がなくなったので、普通の原発でMOX燃料を燃やす「プルサーマル」が計画されている。これは燃料も高くつく上に非常に危険。
高速増殖炉 プルトニウムとウランの混合燃料を炉心に入れ,その周囲に燃えないウラン235をセットして,燃やしながら新たなプルトニウムを作る。 現在の原発=軽水炉よりも桁外れに危険。しかも、耳かき一杯で何万人も殺す猛毒であり核爆弾の原料になるプルトニウムを増やすため、「悪魔の原子炉」と呼ばれる。軽水炉より先に開発が始まりながら結局jすべての国で実用化に失敗。日本でも、研究段階の炉「もんじゅ」が大事故を起こし、実用化は事実上不可能に。政府はそれでも「もんじゅ」の運転を再開しようとしている。 高速増殖炉のしくみ
増殖炉用再処理 増殖炉の使用済み燃料から,プルトニウムを取り出す。 軽水炉の使用済み燃料の再処理よりもさらに困難で危険。東海村に試験施設が建設される予定だったが、もんじゅ事故、再処理工場事故で着工が中止されている。
高純度プルトニウム 増殖炉から取り出したプルトニウムは高純度で,簡単に核爆弾の材料になる。 冷戦の終結、核兵器の解体でプルトニウムが過剰になっており、日本が大量のプルトニウムを持ちながら、さらに増やそうとしていることに国際的な懸念が広がっている。
高レベル廃棄物 使用済み燃料からプルトニウム等を取り出した後の液体廃棄物は,ガラスと混ぜてステンレス容器(キャスク)に詰め,青森県六ヶ所村の「中間貯蔵施設」に保管する。 近づけば数分で死ぬほど放射能が強い死の灰の缶詰。数万年も隔離して管理しなければならない。しかし、ステンレスは何年もつの? 最終的には地中深く埋めることになっているが、数万年も安心できるようなところは少なくとも日本には見当たらない。だから原発はトイレなきマンションと言われる。
低レベル廃棄物 原発をはじめ,あらゆる原子力施設からでる放射能で汚染されたゴミはドラム缶に詰めて地下に埋め捨てる。 超危険な「高レベル廃棄物」以外をすべて「低レベル」と呼ぶが、決して安全なほど低レベルではない。六ヶ所村に「埋設センター」が造られたが、地下水汚染などが心配されている。

核燃料サイクルの「夢」


 天然のウランには、燃える(核分裂する)ウラン235と燃えないウラン238の2種類がありますが、そのうち燃えるウランは、0.7%しか有りません。

 ウランを燃料にする現在の原子力発電(軽水炉)だけだと、石油よりずっと早くウランを使い果たしてしまいます。

 ところが、燃えないウラン238も原子炉の中で中性子を吸収してウランより燃えやすいプルトニウム239に変わります。

 そこで、このプルトニウムを取り出して高速増殖炉という特殊な原子炉で燃やします。

 その時ついでに、プルトニウム燃料の周囲に燃えないウラン238を入れておきます。

 こうすれば、プルトニウムが燃えるかたわらでウラン238が新たにプルトニウムに変わって行き、燃えたプルトニウムより多くのプルトニウムを生みだすはずでした。

  このプルトニウムを取り出して再び利用すれば、無限のエネルギーが生み出せる、というのが「核燃料サイクル」という夢物語です。

しかし、現実はとんでもない悪夢を生み出します。 

 核燃料サイクルの現実(準備中)