
原子力はクリーンなエネルギー?
電力会社や政府は、原子力発電所は二酸化炭素などの排気ガスを出さない「クリーンなエネルギーです」とさかんに宣伝しています。でも、これはとんでもない話です。
排気ガスと放射能、どちらがお好き?
*ここで言う「放射能」とは、正確には「放射性物質」の意味。「放射能」とは放射線を出す能力、性質のことで、そうした性質を持つ物質が放射性物質。ただ日常語としては「放射性物質」も「放射能」と表現する場合が多いので、ここではそれに従った。
- 確かに、原子力発電所は石油も石炭も燃やしませんから、炭酸ガスや硫黄酸化物などの排気ガスを、直接出すことはありません。
- でも、その代わりに、ウランを燃やしますから放射能を吐き出します。
- 放射線は、目に見えないし、匂いもなく、仮に死ぬほど浴びていても、放射線そのものを感じることはできません。
- それをよいことに、「原子力はクリーンです」なんて、まったく許せない悪い冗談です。
事故がなくても放射能は出ています
- 事故さえなければ放射能は漏れない、あなたはそう思っていませんか?
- 電力会社も、人々が詳しく知らないころは、原発を建設する時に「放射能は全く出しません」と地元の人たちに説明していました。
- しかし、今ではそんなことは言いません。うそだからです!
- 原発では、たとえ事故が無くても、気体の放射能や冷却水に漏れ出す放射能を排気口や排水口から放出しており、これをゼロにはできません。
- そのことが広く知られてから、電力会社や政府は「放射能はどこにでもあるから恐くない」と言う宣伝に切り替えました。
どんな放射能がどれくらい出ているか<準備中>
永久に地球上の生命を脅かす「核のゴミ」
- 原子力発電所1基を1年間運転すると、約50トンの使用済み核燃料が発生します。この中には、広島に落とされた原爆の数百発の「死の灰」が詰まっています。
- 日本全国で、1年に900トンから1000トンにもなります。
- この「死の灰」は何万年も強烈な放射線を出し続ける、大変やっかいな「ゴミ」です。
- チェルノブイリ事故のように、原子炉が壊れるような大事故があれば、これが撒き散らされます。
- 日本は、「再処理」と言って、使用済み燃料を薬品で溶かして、プルトニウムや燃え残りウランを取り出すことにしていますが、再処理した残りの廃液はもっと扱いにくい「高レベル放射性廃棄物」となります。
- 世界各国は、プルトニウムの再利用を止めて、使用済み燃料はそのまま保管する「ワンスルー方式」に方針転換しました。今では再処理しようとしているのは日本だけです。
- 「高レベル廃棄物」は、ガラスに溶かし込んでステンレスの容器に詰めますが、数分もそばにいれば死んでしまうほどの放射線を出します。
- しかも激しく熱を出し続けるため、50年も冷やし続けながら保管しなければなりません。
- 冷えても放射能はまだまだ弱くなりません。無責任な推進派の学者は、「千年もすれば天然ウランなみになる」と気軽に言ったそうです!
- 千年(今から逆算すれば平安時代!)も後の子孫にまで恐ろしいゴミを押しつけなければならない原子力発電。一体どこが「クリーン」なのでしょう!。
- しかも、この「高レベル廃棄物」を最終的にどこにどう処分するかも決まっていません。
- ロケットで宇宙に放り出す案まで検討されましたが、もしロケットが事故を起こしたら地球全体が危うくなるため止めることになりました。
- 現在、世界各国が考えているのは地中深く、岩塩など安定した地層の中に埋めてしまうという案です。
- しかし、数千年、数万年も大丈夫と断言できる場所などあるでしょうか? 特に地殻が激しく動いている地震列島である日本にはそんな場所はありません。
- また、埋めてしまえば何があってもわからないので、見えるところできちんと保管すべきだという意見もあります。
行き場を失う核のゴミ
使用済み燃料があふれる!
- 日本の原発で発生した使用済み燃料は、原発敷地内の貯蔵施設に一時保管した後、再処理のためにイギリス、フランスに運び出していました。
- しかし、このイギリス、フランスとの再処理委託契約が終了し、今後は青森県六ヶ所村に建設される再処理工場へ運ばれる予定でした。
- ところが、高速増殖炉「もんじゅ」が事故を起こし、「ふげん」も廃止されることになり、再処理してもプルトニウムの使い道がなくなったために、使用済み燃料の行き場がなくなってしまいました。
- そのため、一時貯蔵施設が満杯になり、まもなく運転できなくなる原発が出てきました。
- 電力会社は、やむをえず当初の設計以上に詰め込むなど、危険な方法を取ろうとしています。
返された核のゴミをどうする?
- 行き場がないのは使用済み燃料だけではありません。
- イギリス・フランスに再処理してもらったプルトニウム、燃え残りウラン、そして高レベル廃棄物が、これからどんどん日本に返されてきます。
- プルトニウムも高レベル廃棄物も、その輸送は非常に危険で、環境保護団体や輸送経路の国々から激しい批難を浴びています。
- かと言って、日本が生み出した毒物を、イギリス・フランスに押し付けておくことも許されません。
- また、日本に持ち帰ってもどこにも最終的な置き場(捨て場)はありません。
- 愚かにも生み出してしまったこの核のゴミをどうするのか、推進派だけではなく、原子力に反対する人たちの間でも、真剣な議論になっています。
- しかし何よりも、この未来永劫、子々孫々まで苦しめる核のゴミを増やさない=原発を止めることが、まず先決です。
発電所だけではなりたたない、「核ファミリー」
- さらに、放射能は、発電所や再処理工場だけから出るのではありません。
- 原子力を利用しようとすれば、ウラン採掘から加工、輸送など、各段階で避けられない放射能の被害や事故の危険がついて回ります。
- この原子力ファミリー全体は、放射能を吐き出すだけでなく、当然のことですが、建設にも運転にも管理にも、石油資源を使い、CO2も吐き出すことを忘れてはいけません。
その誕生のときから、「トイレなきマンション」といわれ続けた原子力発電。
いま、まさに世界中が核の汚物にまみれようとしています。
これ以上核のゴミを増やすのを一刻も早く止めて
英知を絞って子孫へのツケがもっとも少ない方法を考えなければなりません。