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日程表
ネパール・ゴレパニトレッキング(7)
2010年10月24日(日)

 ランドルンの宿で  
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宿に着きました。
あたりの山々はすっかり雲に隠れています。

先ほど橋のたもとで会った日本人の二人連れの姿がありました。
彼らはご夫婦で7月に日本を発ち、世界一周旅行をしているそうです。
カズミさんと佳奈さんと言いました。
どうやら今日の泊まり客は私たちとこの二人だけ。
久しぶりに日本人と歓談するのが楽しみです。





シャワーを浴びたばかりの彼らを見て、私も、と思いました。
濡れたタイルの上に足を置き、ズボンを脱ごうとしたときです。
体が一瞬、宙に浮き、次の瞬間「痛い!」と叫んでしまいました。
右の腰を床に、わき腹を壁にぶつけてしまったのです。

「滑るから注意してくださいね」と佳奈さんに言われていたのに・・・
余りの痛さに起き上がれません。
ただ悲しさだけがこみ上げてきました。


たまたま隣のトイレにいたというラムさん、そして宿の主人が来てくれました。
ゆっくり起き上がろうとすると、激しい痛みに襲われます。
痛くて痛くて、涙が出てきました。

宿の主人が肩を貸してくれそうになりましたが、手を横に振って断りました。
なぜこんな滑るようなタイルにマットを敷いて置かなかったの・・・。
そんな恨みのような気持ちが湧きあがったからです。

痛さを堪えて起き上がろうとすると、 いちじんさんが寄ってきました。
ラムさんが呼びに行ってくれたのです。

「何やってるんだ!あれだけ、滑るから注意しろ、って言ったじゃないか」
そんなに怒らないでよ!もう起きてしまったのだから・・・
そう思っても、言葉にする元気がありません。

いちじんさんの肩を借りて立上がった瞬間、
針でつつかれたような痛みが腰に走り、頭の先まで届きそうでした。

どうして、こんなことになってしまったの?
これから、どうやって山を下りればいいの?
悔しさと不安が一気に湧きあがり、ますます涙が出てきました。

カズミさんが駆けつけてくれました。
まず階段を数段上がらなければなりません。
いちじんさんとカズミさんの肩を借り、両脇を抱えられて上がりました。
部屋まではまだ距離がありますが、右足には力が入りません。
足を引きずるように一歩一歩進みました。
「だいじょうぶですよ」
左側から支えてくれているカズミさんの声がしました。
何て安心できる言葉でしょう。
痛さで苦しくても、心が温まりました。


夜になると、佳奈さんが部屋に来てくれました。
佳奈さんが薬剤師と知ったいちじんさんは、
持っている鎮痛剤をどのくらい飲んだらよいか相談したようです。
そして、痛みが激しいので2錠飲むことを勧めてくれました。
佳奈さんの優しい笑顔に触れ、今度はうれし泣きです。
優しい気分になれて、このままぐっすり眠れそうでした。

薬が効いていくらか楽になったものの、
寝返りは打てない、ベッドから起き上がれない、という状態が続きました。

いちじんさんの助けがどれほどありがたかったことでしょう。
ベットから起き上がるときは、まず私の顔に近づけてくれました。
私はいちじんさんの首に手を回します。
次にいちじんさんが体を起こすと、私の体も一緒に起き上がれます。
痛いのはほんの一瞬。
ベッドに腰掛けると楽になれました。

困ったのがトイレです。
部屋を出てだいぶ歩かなければなりません。
いちじんさんは「ここですればいいよ・・・」と言ってくれました。
ベッドの近くに洗面器を置いてくれたのです。
夜中に何度も起きて、その都度、外のトイレまで捨てに行ってくれました。



明日から歩けそうもありません。
どんな方法を取ったらよいか二人で相談をしたものの、
結論は出ませんでした。






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