指示語研究室

指示語の学習(3)・この・その+N(名詞) 2000.9.15作成

「この・その+名詞」は、前にある文を受けて次の名詞に連絡する機能がある。例を挙げる。

(例)
1.来月から電気料金が上がるそうです。私はそのニュースを新聞で読みました。

どんなニュースですか。 来月から電気料金が上がる/というニュースを......

               来月から電気料金が上がる/ニュースを......

2.昨日の夜、このビルの近くで人が殺されましたその事件を聞いて、私は......

どんな事件ですか。

   昨日の夜、このビルの近くで人が殺された/という事件を......

   昨日の夜、このビルの近くで人が殺された/事件を......



A:やさしい練習問題

(1)夕方六時にタンさんと会う約束をしました。しかし、私はその約束をすっかり忘れてしまいました。

   答え:                                   約束


(2)アメリカの初代大統領のワシントンは、子供の頃、父親が大切にしていた桜の木を折ってしまいました。しかし、正直にそのことを言って、謝ったので、しかられませんでした

   1.初代 The first

   答え:                                    こと


(3)例えば、南の海の無人島で一人で生活をした場合を考えます。そのとき、いろいろな苦労をしながら、何とか生きられても、心の悩みや困ったことが起きた場合には、話し相手もなく、自分一人で解決していかなければならない。

    1.無人島 人が住んでいない島

    答え:                                     とき


(4)生物は動いているから生物である。しかし、冬になると、ほとんどの生物、特に昆虫は活動を停止する。そこには何か特別な自然のメカニズムがある。本来、前へ前へと進んでいく昆虫の変身のプロセスを、一時、完全に止めてしまうメカニズムである。このメカニズムがどんなものか、詳しくはわかっていない。

   1.昆虫 insect                4.プロセス process
   2.メカニズム mechanism         5.一時 temporary 
   3.変身 transformation                        

    答え:                                     メカニズム


(5)電気や印刷、宇宙の観察や医学など、学問の発達によって、人間は幸福な生活が確かにできるようになった、しかし、反対に、そのために不幸になった点もあることも、事実として認めなければならない。

    答え:                                     ために


(6)今、日本の社会はとても速いスピードで高齢化が進んでいる。これは戦後日本の医学の水準が高まり、医療技術が進歩して、死亡率が低下したことによる。この結果、日本の65歳以上の老年人口は、1950年の411万人から、1975年には886万人に増加した。

   1.高齢化 人の寿命(life)が長くなり社会に老人が増えること
   2.水準 level
   3.死亡率 rate of death                   5.老年 old age
   4.低下する reduce                      6.増加する increase

    答え:                                     結果


(7)言葉というものは、あることを他人に分からせるために用いられるものである。これがいちばん大切なことだ。伝えたいあることは、客観的な事実である場合もあるし、うれしい、悲しいという気持ちの場合もある。だから、言葉の勉強は、他人の言葉を「わかる」ために、そして、自分の言葉を「わからせる」ためにするものである。この点を忘れて、ただ言葉の知識を増やしたり、使い方を一生懸命覚えたりしても、まったく役に立たないのである。

   1.他人  another person     4.気持ち feeling,mood
   2.あること something       5.役に立たない useless
   3.客観的  objectively
                          
     答え:                                       



B:難しい問題

(1)一匹のミツバチがおいしそうな花を見つけると、巣箱に飛んで帰る。すると、たちまち何百匹の大群が現場に殺到する。
 「その場所をどのように仲間に知らせるか。」今度、ノーベル賞を受けたオーストラリア生まれのフリッツ教授は、その好奇心から始まったそうだ。彼の研究によって、「ハチの言葉」についての驚くべき秘密が明らかにされた。

    1.ミツバチ bee                 6.仲間 group
    2.巣箱 nest box                7.ノーベル賞 Nobel prize
    3.たちまち in a moment           8.好奇心 curiosity
    4.大群 large crowd              9.驚くべき surprising
    5.殺到する rush to             10.明らかにする make clear
                         
    答え:                                       好奇心


(2)19世紀から20世紀の初めにかけて、温度計を無人の気球につけて、上空の気温を測定することが試みられた。気球による気温の測定結果によると、温度が低くなるのは、約10キロメートルまでで、それより上空では、高くなればなるほど気温は上昇するのである。この(1)結果は、気温は上空に行けば行くほど低くなると信じていた19世紀の科学者にとって、非常に予想外であった。その(2)ため、当時の気象学者は、気球の観測結果を信じなかったそうである。

    1.無人 人がいない          6.上昇する rise
    2.気球 balloon             7.信じる believe
    3.上空 sky               8.予想外 unexpected
    4.測定する measure         9.気象 weather
    5.試みる try
 
     答え(1):                                結果
                           
        (2):                                ため
 

                          
(3)日本は豊かな森林におおわれている。この森林に対して、国民は三つの関心を持っている。一つは木材の供給源として、一つは国土の荒廃を防止し、必要な水を確保する、自然水の調節源として、一つは国民の休養の場として、関心を持っている。この中で、昔は木材の供給源としての評価が最も大きかった。ところが、台風の通り道にあり、毎年その被害を受けている日本では、国土の荒廃を防止するということも、それと同じぐらい重要なことである。

    1.おおう  cover          
    2.〜に対して  〜 to       
    3.関心 interest        
    4.木材  wood,timber
    5.供給源  source of supply
    6.荒廃  waste,ruin
    7.確保する make sure of
    8.調節源 sourse of contro
    9.休養 rest
   10.評価 assessment
   11.通り道 route
   12.被害 damage

   答え(1):                              中

   答え(2):                              (注意:「それ」の復習)


(4)A大学にサルやゴリラの研究をする霊長類研究所がある。そこに西原教授という、人間の脳の研究をしている教授がいる。彼は学生時代から、人間の脳に興味を持ち、二十年間研究を続けてきた。二十年前の人間の脳の研究は、まだ非常に遅れていた。何が問題だったかというと、実験をどのようにするかが問題だった。人間ではできないし、高等動物を使わなければならない。人間に近い動物はサルしかいない。西原教授が霊長類研究所に就職したのは、そのためだった。

    1.霊長類 the primates
    2.脳 brain
    3.興味 interest
    4.高等動物 higher animal
    5.就職 find work

   答え:                             ため

 (注意):この教材は1989年、上野がマラヤ大学予備教育センター在勤中に作成したものです。作成するにあたり、同センター所属の多くの日本語教育専門家の協力を仰ぎました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

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