
turbo PLLの導入
初出 2000.12.18
追記 2001.10.31
導入の決意と幸運な購入
BF6ではKENDON CPUラジエータが使えない、BX6 Rev2では高FSBでの動作が不安定、ということで、ここはやはりマザーの交換しかないと考え、同じABITのBH6 Rev1.1の中古を購入してきました。
今まで使っていたBF6は、FSBを1MHz間隔で変更できるマザーです。一方BH6 Rev1.1のFSB設定は、初代BH6に比べると格段に多くなってはいますがまだまだ少ない。一度細かいFSB設定の味を覚えてしまうと、忘れることはできません。
そこで、あの有名なturbo PLLの導入を決意しました。
tuubo PLLについてはたぶん説明の必要はないはずです。もし知らない人がいたら、このページを読む前にまずヒロ坊さんの廃人の庵に行って下さい。
で、11月の初め、販売元のPull PoPのページに行ってみると、なんと売り切れ。ただ、(2000年)12月頃に再販売というお知らせがあったので、ボーナスが出てから買おうと気楽に考えておりました。
ところがある日、Pull PoPでturbo PLL Module数量限定販売お知らせが・・・。ヒロ坊さんにお聞きしたところでは、これを売り切ってしまうとしばらくの間販売の目処は立っていないとのことでした。
これを逃したら次はいつ買えるか分からない。とにかく予約じゃ。でもお金がない。ままよ、こうなったらサラ金地獄じゃぁ〜・・・。と焦りまくり、とりあえず小遣いの最後の残りを握りしめバチスロへ(何をするねんな)。これがまぁ! 勝ちましたですよ。ううぅ神は我を見捨てなかったぁ〜とうれし泣きをいたしましたです。
2000年12月の現在、Pull PoPには「次回の入荷は部品事情により未定です。」とお知らせされています。危なかったぁ。
とにかくものすごい強運によって手に入れたturbo PLLです。手に入れたらさっさと取り付ければいいものを、手に入れた安心感で脱力し、取り付けるまでに3週間もかかってしまいました。
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左の写真は上がPLL Controller、下がturbo PLL Moduleです。右の写真はturbo PLL Moduleの拡大です。
turbo PLLって?
turbo PLLがどのようなものかということはたくさんの方がその性能への絶賛を込めて書いておられますので、改めて説明するまでもないでしょうが、いわゆる原発乗っ取りという方式で、マザーのFSBを可変にしようというものです。
いい響きではないですか、原発乗っ取り。男として生まれてきたからには、一度は原子力発電所を乗っ取って社会を転覆させてやろうという・・・えっ? 違う? 原発というのはPLLの原発振?
そうなんです。FSB周波数を作り出しているマザーボードのPLL回路の原発振水晶を取り除き、その代わりに、これもPLLによって作成された可変周波数を供給しようというものです。本来は固定された周波数であるマザーのPLL原発振を可変にすることで、実に細かいFSBの設定が可能になります。
ただ、マザーのPLLはFSBだけではなくて、RTC(リアルタイムクロック)に使用する14.318MHz、ISAバスやPS/2ポート、FDDに使用する24MHz、USBに使用する48MHzも作っています。これらの周波数は変動しては困るのです。そこで、turbo PLLでは固定周波数としてこれらの周波数も供給できるという、実に考え抜かれたものになっています。
PLLについては、ご老体にお願いして説明のページを作りました。技術的な話ですので、あまりおすすめしませんが、見たい方はこちら(PLLの原理)へどうぞ。
マザーへの取り付けと動作試験とトラブルその1
マザーへの取り付けについては、ヒロ坊さんのページやPull PoPからダウンロードできる接続事例集に非常に分かりやすく書いてあります。私は何も考えずにBH6 V1.01/1.1/1.2用の接続事例のとおり配線をしました。必要なのは、半田ゴテなどの工具と多少の技術とマザーに半田ゴテを入れる勇気でしょうか。
取り付けにはそんなに時間はかかりません。チップ抵抗を4個取り外し、可変クロック、固定クロックの配線5本とGNDを配線するだけです。配線にはフラットケーブルを裂いた線を使用しました。
とにかく適当に配線をしたので、かなり見苦しくなってしまいました。恥ずかしくてとてもお見せできるようなものではないので、写真は割愛します。(汗)
組み上げてからまずバラック状態で正常動作を確認します。その後で、ケースに組み込み。turbo PLLの取り付け位置は、たくさんの人がやっているのと同じ方法で、DIMMスロット下のマザー取り付け穴を利用して六角スペーサで取り付けることにします。
が・・・、なんとビデオカードG400と接触する!スペーサの高さを低くすると今度はマザーのコンデンサに接触する・・・。
やむを得ず、この取り付け方法はあきらめて、ケースに空いていたネジ穴に六角スペーサで取り付けることにしました。
このために配線が長くなってしまったので、泣く泣く配線のやり直しです。取り付けの際にはくれぐれも他のボード類とのクリアランスを確認してからという基本を怠った罰ですね。ふぅ〜。
トラブルその2
改めてここでケースへ組み込み。ここでもう一度バラック状態でのテストをしなかったことが、さらなるトラブルの始まりでした。
余談ですが、PLL Controllerは専用の取り付け金具で5インチベイに取り付けました。5インチベイにきっちりと収まります。あまりきっちりしていすぎて、取り付けがきつかったです。あちらを押したり、こちらを引いたりして何とか取り付けました。
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組み上げてスイッチオン、あれ?BIOSが立ち上がらない! うわっ・・・! スピーカから「ピー、ピー」という警報音が・・・! なんだ! どうしたんだ!
あわててスイッチを切って取り付けを確認。異常なし。仕方なく取り付けてあったボード類を一枚ずつ外しながら確認。状態同じ。最後にはCPUとメモリとビデオボードだけの最小構成に(HDD、CD-ROM、FDDも取り外した。)。動作しません。(泣)
泣く泣くケースからマザーを取り外し、もう一度turbo PLLの配線を確認。拡大鏡で半田付けの箇所を見ても異常なし。テスターで導通をあたってみても異常なし。
行き詰まりました。
これはマザーかturbo PLLのどちらかがイカれたに違いないと青くなりながら、とりあえずturbo PLLの可変周波数ではなく固定周波数をマザーに供給、ついでにマザーのPLLから少し離れたところにしていたGNDの配線をPLLチップの近くへやりなおし。
動きましたぁ〜。これでマザーに異常がないことは確認できました。つまり、おかしいのはturbo PLLの方ということに。高かったのにぃ〜と本当に泣きそうになりながらも、あきらめきれずにもう一度可変クロックに戻して起動。えっ? 動く。どこも壊れていない。???
原因不明で直りましたです。結局やったことは可変クロックとGNDの配線のやり直しですから、どちらかがうまくいってなかったんですね。とにかくいい加減な配線ではよろしくないということがよく分かりました。やはり可変クロックにはシールド線を使用して、GNDも太めの線で配線した方がいいと思います。面倒なのでそのうちやります。(笑)
ここまでで2日もかかってしまいました。(笑)
組み上げと設定
やれやれとパソコンを組み上げて動作確認です。今度は正常に動きます。よかったぁ〜。
PLL Controllerのマニュアルに従って各種設定です。
と結構面倒だったですよ。でも何とかやり終えました。
まず、マザー側のFSBはBIOSで100MHzに設定。 PLL ControllerのBsFSBをマザーに会わせて100MHzに設定。(BsFSBはベースFSBの意味です。) ステップ周波数はBsFSBとの関係で0.020MHzが最小になるので、0.020MHzに。 CPU倍率はPen3 700で使うために7倍に設定 StFSBはとりあえず実験ですから100MHzに。(StFSBはスタートFSBの意味です。) Delayはとりあえず0。 AGPdvは当然1/1.5(2/3)に。 PCIDvはとりあえず1/3。 この状態でWCPUIDで周波数を測定。この時のFSB周波数にあわせてBsFSBを修正。私のマザーは100.2MHzでした。 もう一度WCPUIDで測定して今度は動作周波数の誤差をErr Adjで吸収
トラブルその3
グリグリ開始じゃぁ!
コントローラのジョグダイアルをクリッ。コントローラの液晶表示が変わります。
WCPUIDで周波数を測定。おぉっ! 変わっとる。よっしゃあ〜
このCPUは1G平気で回るんじゃぁ! 一気に行くぞぉ〜
ここで感激のあまり冷静さを失った私がバカでした。1GHzを超えたところまで動作周波数を上げてはベンチを走らせ、上限を探って行きました。
どうやら1010MHzまでは平気で動きます。そこで、StFSBを144MHz付近に(144×7で1008MHz)。大丈夫です。
さらに上を探ります。1020MHzを超えたあたりで画面にゴミがまき散らされるようになりました。そしてフリーズ。あら、ビデオカードの限界かな。でもこのG400はFSB160までの耐性を確認しているのにまだFSBは146MHz程度だぞ?
リセットスイッチで再起動。StFSBは144MHzにしたままです。WINDOWSが立ち上がってスタートアップに設定したプログラムが動作しようとするところでフリーズ。あれ?
StFSBを133MHzに。やはりフリーズ。??? こんなに耐性が低いはずはないんだが? StFSBを100MHzに戻すと正常に立ち上がります。
賢明な方はもう原因がおわかりでしょう。私は気づくまでに一日かかりましたですよ。
原因はマザーのFSB設定が100MHzだったため、PCI/FSBが1/3になったままだったんです。(爆)
PCI/FSBが1/3のままでFSBを146MHzまで上げたんですから、PCIクロックは48.6MHzまで上がったことになります。よくまあHDDがぶっ壊れなかったものだと後になって感心しきりです。
もちろん、すべてが無事というわけではありません。PCI過激クロックのままSUPER PIを走らせたせいで、SUPER PIの入っていたディレクトリが丸ごと消えていました。(泣笑)
このディレクトリにはネットからダウンロードしてきていたソフトがいっぱい詰まっていたので、復旧には相当の時間が必要です。今現在まだ完全には復旧していません。(ヤケ笑)
教訓BH6 Rev1.1では、PCI/FSB:1/4の設定はFSBを124MHz以上にしないとできません。BF6ではFSBに関係なく1/4の設定ができたので、このことを忘れていました、というのが言い訳です。
うまく行っている時こそ落ち着いてもう一度確認。
何か新しいことをする前には必ずバックアップを。
その後この教訓を生かしているかというと・・・、していません。(爆)
そこでマザーのFSBは124MHzに設定しました。PLL ControllerのBsFSBも124MHzにして設定のやり直しです。
BsFSBを124MHzにすると、ステップ周波数が最小でも0.025MHzになってしまいます。FSBで0.025MHzステップですから、動作周波数は0.025×7で0.175MHzステップというとても中途半端な値になってしまいます。ステップ0.020MHzの時も0.14MHzでしたから大した違いはないんですが・・・。
そこで考えついたのが、8倍速のCPUを使うことです。8倍であれば、0.025×8の0.2MHzステップというとてもキリのいい動作周波数ステップになります。でもこれは本末転倒ですよね。
賛辞
それにしても、turbo PLLとPLL Controllerの働きはすばらしいの一言です。
BF6を使っていたときにはFSBが1MHz単位で可変であることで十分に満足していました。でも、1MHz単位では最近の高倍率CPUでは動作周波数のステップが大きすぎるようになってきました。その点、PLL Controllerを使えば動作周波数で1MHz以下のステップが実現できます。
もう一つ、マザーのFSBは、リブートしてBIOS設定を変更するか、Soft FSBなどのソフトを使って変更する必要があります。Soft FSBであればそれほど手間ではないと思うかも知れませんが、PLL Controllerであれば、ジョグダイヤルをコリッとしてやるだけで周波数が変わります。とても簡単です。
もう一つすごいこと。それはPLL Controllerの液晶表示です。私はこちらの方がすごいと思います。
turbo PLLはFSBを直接作っているわけではありません。FSBはマザーのPLL ICに任されています。もちろんFSBに連動するPCIやAGPも。
turbo PLLが作っているのはマザーのPLL ICの原発周波数(14.318MHz)です。でも、PLL Controllerの表示は、原発周波数以外に、(設定さえ間違っていなければ)動作周波数、FSB、PCI、AGPの表示が可能です。これらの周波数は、PLL Controllerが計算して表示してくれているのです。すごいと思いませんか?
一般の原発乗っ取り方式では、マザーの14.318MHzの水晶を別の周波数の水晶に取り替えますが、その水晶の周波数はどう決定すればいいんでしょう。
たとえば、マザーのFSB設定が100MHzで定格700MHzのCPUを、原発乗っ取りで850MHz動作にしようとしたとき、用意する水晶は何MHzのものが必要でしょうか。
計算式はこうなります。
850:700=X:14.318
X=850÷700×14.318=17.386
つまり、17.386MHzの水晶を用意すればいいことになります。
PLL Controllerはこの計算を自動で行って、必要な原発を供給しているのです。私たちは、CPUの動作周波数かそれともFSBを決めてやるだけでいいのです。そのすごさが分かりますでしょうか。
とにかくオーバークロッカーにとっては最強のアイテムです。販売も再開されたことですし、一度使ってみてください。絶対に損はないと思います。
次はペルチェか?
turbo PLLが使えるようになって、ついジョグダイアルに指が伸びてしまいます。指紋がなくなるという話も聞いていたのですが、なるほどと思ってしまいます。
現在使用しているPen3 700は、気温が下がったためか、KENDON CPUラジエータのおかげか、それともマザーの耐性がいいのか、これまで1008MHzが限界であったのが、1030MHzまで動作するようになりました。もっと冷やせば、もっと限界が延びるのではと思えてきます。KENDON CPUラジエータもあることだし、いよいよペルチェの導入を考えているこのごろです。
でも、結露対策が大変なようです。turbo PLLの取り付けでさえ3週間もかかったの人間ですので、取りかかるのはいつのことになるのか・・・。