
Northwoodのthermal diode
初出 2002.05.19
前回のWillamette Pentium4の特性測定に引き続き、Northwood Pentium4のthermal diodeの特性を測定することができました。いつもお世話になっているいとうさんから「測定するんだったらお貸ししますよ。」とのありがたいお話があり、ご厚意に甘えさせていただくことにしたのです。
測定したCPUは、Pentium4 1.8AGHz/512/400/1.5V SL63X です。
測定方法はいつものとおりthermal diodeの個体差 その3と全く同じです。
測定結果です。面倒なので今回も測定は1回だけです。(最近ズボラがひどくなってきました。)
比較のために前回測定したWillamette Pen4 1.5Gのデータを赤色で、Coppermineの平均的特性だったCeleron566のデータを青色で記載してあります。
今回も測定したCPUが1個しかありませんので、やはり傾向もなにもあったものではないのですが、どうやらNorthwoodとWillametteは同じPentium4でありながらthermal diodeの特性が違っているようです。概ねどの測定ポイントでも10μAほどの差がみられます。同じ測定回路で温度を測定したとすると、Northwoodの方が動作電流が低いですから、温度が高く表示されてしまうことになります。
動作電流 CPU 20℃ 30℃ 40℃ 50℃ 60℃ 70℃ 10μA Pen4 1.8G 656 636 620 600 582 564 Pen4 1.5G 664 646 629 611 592 575 Cele566 631 610 590 570 548 529 25μA Pen4 1.8G 679 661 644 625 608 592 Pen4 1.5G 688 670 653 636 619 603 Cele566 654 634 615 596 575 556 50μA Pen4 1.8G 697 679 663 645 628 613 Pen4 1.5G 706 689 673 656 639 623 Cele566 672 652 634 615 595 577 100μA Pen4 1.8G 714 698 681 664 648 635 Pen4 1.5G 724 708 692 676 660 645 Cele566 690 671 653 635 616 598 200μA Pen4 1.8G 731 717 700 685 668 657 Pen4 1.5G 742 727 712 696 680 667 Cele566 708 690 672 655 636 619
478ピンのPentium4用マザーのほとんどはthermal diodeによる温度測定対応マザーになっています。
問題は、そのマザーがNorthwoodのthermal diodeに対応しているのか、それともWillametteのthermal diodeに対応しているのかということですね。どちらにも対応していないという可能性もありますけど。
Pentium4用マザーの多くの温度測定チップはWinbondのW83627HFかITEのIT8712F(スーパーI/Oチップです)を使用しています。W83627HFのdata sheet では、ダイオードによる温度測定の所にMonitor temperature from Pentium IITM thermal diode or bipolar transistor 2N3904と書いてあるのです。IT8712Fのdata sheetには、PentiumIIの記述はありませんが、2N3904トランジスタという記述はあります。
Pentium IIでthermal diodeが搭載されているのはDeschutesコアのものですが、W83627HFやIT8712FはこのDeschutesコアのthermal diodeに対応したものであって、Deschutesコアとは特性が違うWillametteやNorthwoodコアのthermal diodeでは正確な温度が測定できないのではないでしょうか?
(Deschutesコアのthermal diodeの温度特性はCoppermineコアのthermal diodeとほぼ同じです。)
もちろん測定ソフト側で補正を行えば正確な温度表示ができるはずですが、問題はその補正がされているのだろうかということなんです。このことについてマザーメーカは少なくともその取扱説明書には何も記載していません。
そもそも、温度をどういう方法で測定しているのかさえ記載していないのですから。
そういうわけで、私は温度を正確に測定したいのであれば校正された秋月温度計による測定をおすすめいたします。
話が脇道にそれましたが、今回測定したNorthwood Pentium4 1.8GHzのthermal diodeの温度特性をグラフにしてみたのがこれです。
![]()
例によって、100μAの特性についてCeleron566とWillamette Pentium4 1.5GHzのデータを加えたのが下のグラフです。
![]()
赤がWillamette、黄色がNorthwood、青がCoppermineです。
NorthwoodとWillametteの特性を比べてみるとグラフが平行移動したように見えますね。
いずれにしてもNorthwoodにせよWillametteにせよ、もう2〜3個は測定してみないことにはいけません。