
MS-6163でダイ温度を測定する
初出 2000.05.15
追記 2000.05.22
追記 2000.07.04やっと、「W83782Dが載っていて、標準でダイ温度測定に対応していなくて、ABITでないマザー」が見つかりました。
MSIのMS-6163 Proです。ただし、今回は購入したわけではなく、友人からの借り物です。「半田ゴテを入れちゃだめですよ」という条件で借りてきたものです。だから人柱にはなれませんが、どこを改造すれば、ダイ温度測定に対応できるかは紹介できるつもりです。MS-6163にはいくつかのバージョンがあるらしく、今回借りてきたのは、箱にしっかりと「Pro」の文字があります。無印との違いをMSIのサイトで調べようとしたのですが、よく分かりませんでした。どうやらPLL ICが違っていて、FSBに違いがあるだけではないかという気がします。
MSIはMS-6163以外にもよく似たマザーをいくつも出しています。本当によく似ているので、たとえば、MS-6163とMS-6199は一目見ただけでは違いが解らないくらいです。もしかすると、BX-MASTER、MS-6163、MS-6199、MS-6199VA、MS-6301、MS-6147のSLOT1シリーズのハードウェアモニタ部分は全く一緒である可能性があります。
もし、これらのマザーをお持ちの方は、このMS-6163 Proの記事と比べてみてください。2000.5.22追記
近所のショップでBX-MASTERをつくづくと眺めることができました。BX-MASTERのハードウェアモニタ部分の回路は見たところMS-6163 Proと同じです。
下の改造方法はBX-MASTERでも使えると思います。(確実ではありませんが)さらにもしかすると、MS-6153、MS-6153VA、MS-6178E、MS-6309のSocket370シリーズも同じかもしれません。
MS-6163 ProはGA-BX2000と同じように、こんな所(右の写真)にサーミスタが突っ立っています。SLOT1の中央右側あたりです。そばに「JSOR1」と印刷されています。これでヒートシンクの温度を測定しようということなのでしょう。こんなものを使うくらいなら、ここに外付けサーミスタ用のピンを立てて、BX6 Rev2のようにケーブル付きのサーミスタを付属品としてつけた方が・・・ってこれはGA-BX2000の時に書いたか。
それに、MS-6163はちゃんと後付けサーミスタ用の端子を持っています。SLOT1の下端の左側にJT3という端子が付いているのです。ここに、後付けのサーミスタを取り付けることができます。日本正規代理店版ならサーミスタが付属しているんじゃないでしょうか。「こんなものをおっ立てているマザーがダイ温度に対応しているはずがない」という私の考えは、GA-BX2000でははずれてしまいましたが、このMS-6163 Proではあたっています。
このマザーはW83782Dを使っていながら、ダイ温度測定に対応していないマザーなのです。![]()
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W83782Dはここにあります。基盤の上部CPU SLOTの右側です。ここにハードウェアモニタチップが載っているのは珍しいですね。真ん中の写真はW83782D部分の拡大です。W83782Dの左側の抵抗・コンデンサ群のいくつかが温度測定に関係しています。この抵抗・コンデンサ群の部品番号はなんと、BXチップの右肩上に書いてありました。左の写真の下の丸の部分です。こんな離れたところにあるとは思いもしなかったので、部品番号を探し回りました。拡大したのが、右の写真です。
これらの抵抗・コンデンサのうち、R20〜R22、C22〜C24が温度測定に関係している部品です。
パターンを追って回路図を書いてみました。![]()
W83782Dの温度センサを3つともにサーミスタモードで使用しています。
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JT3端子はマニュアルにも記載されているので、どこにあるかは判ると思います。CPU SLOTの左側、PCIスロットよりの所です。
W83782Dの39番端子がどこへつながっているのかを見つけるのには少し苦労しました。何とかパターンを追っていくと、なんとJT3端子のすぐ隣に取り付けられているチップサーミスタへつながっていました。部品番号は印刷が半田パターンで消されているためよく分からないのですが、R401だと思います。
左の写真がJT3とその隣のチップサーミスタです。上の回路図で、37番端子にC22が接続されています。別にここにあっても悪いわけではないのですが、このコンデンサは38番端子に接続するものではないでしょうか?パターンの設計ミスではないかと思います。39番端子と40番端子にはC23とC24が接続されています。
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さて、thermal diode回路への改造ですが、上の回路のサーミスタのどれかを使えばいいことになります。
一番改造が簡単なのは、JT3端子を使う方法です。この場合は、R20を30kΩに取り替えて、JT3端子の裏側へ3300pFのコンデンサを取り付け、CPU SLOTのB14、B15へ配線するだけです。改造方法はほとんどBE6の改造と同じことになります。
もう一つの方法は、CPU SLOTの右に立っているサーミスタJSOR1を取り除いてそこからB14、B15へ配線する方法です。
この場合は、R22を30kΩに取り替えることになります。コンデンサは既にC24が接続されていますから、用意する必要はありません。
サーミスタの取り外しは半田ゴテでうまく取り外してください。リード線とコネクタをつければ、JT3端子へ取り付けるサーミスタとして使用できるでしょう。もし再利用の必要がないのなら、ニッパでチョン切ってしまってもかまいません。右の写真のAの線が、サーミスタJSOR1からB14への配線、Bの線がJT3端子からB14への配線です。B15端子はテスターであたってみたところ、すでにGNDに接続されているようなので、配線は不要でしょう。したがって、裏面の配線は1本だけでいいことになります。
裏面の配線長はJT3端子を利用する方が短くてすみ、ノイズ対策上からは有利でしょう。どちらの方法をとるかは、お好み次第ということになりますが、私だったら、サーミスタJSOR1を取り外してそこから配線する方を選びます。あんなサーミスタは付いていても無駄です。JT3の方はリード線付きのサーミスタを取り付ければ好きなところの温度が測定できますから、残しておけば使い道はあります。
以上で改造は終了するはずですが、問題が一つ残っているかもしれません。BIOSではサーミスタ温度を監視していると思われます。マニュアルを見てみると「CPU Plug & Play lll」のところで、温度監視関係の設定があるようです。
ここの設定で、温度警告アラームが鳴らないようにできるかどうかが問題になると思います。
温度警告アラームの機能が最初からないか、アラーム機能があってもそれを解除することが可能であれば、改造しても問題はないのですが、アラーム機能の解除ができない場合は、パソコンの起動自体ができなくなるおそれもあります。まず、BIOSの設定を確認してから改造に取り組まれることをお勧めします。マニュアルを見てみるとどうやらJT3コネクタのサーミスタは、BIOSでの監視機能をDisableにできるようです。JT3にはサーミスタを取り付けない場合もあるので当然と言えます。したがって、JT3を使った改造をする場合は、BIOSでの温度アラームの心配をする必要はないでしょう。今回は借り物のマザーなので半田ゴテを入れることができず、人柱になることができませんでした。
この記事を見てどなたかが人柱になっていただけることを期待いたします。最後に、このマザーを貸していただいたいとうさんありがとうございました。
2000.7.4追記
MS6163の改造を実行されたcheeさんという方からメールを頂きました。
cheeさんのMS6163では基盤上のサーミスタJSOR1はセンサ2に接続されていたそうです。このため、交換する抵抗は、R22ではなくてR21だったそうです。
基盤のバージョンによって違いがあるのかも知れません。改造に取り組む場合は、事前にどのサーミスタがどのセンサにつながっているかを、テスター等で確認してからのほうが安心でしょう。
cheeさん情報ありがとうございました。