KENDON CPUラジエータ

初出 2000.11.22
追記 2000.11.23

今回の話は、ダイ温度測定とは直接関係のないヒートシンクの話です。

私が今まで使っていたヒートシンクは、あの有名な銅製ヒートシンクシンクであるブリザードS7というものです。PPGA Celeron300Aと333を購入したときに、当時、SOCKET370用で「一番よく冷える」と言う評判のあったヒートシンクシンクを購入したのです。SOCKET用のヒートシンクは、この他にはリテールしか持っていなかったりします。(笑)

以来、CPUは次々と交換したものの、このヒートシンクだけは使い続けていたのです。FC-PGAのCPUにしたときに、CPUコアダイが低くてうまく取り付けができないという不具合が発生したものの、370ソケットを無理矢理削って取り付けることまでしました。
「銅製のヒートシンクが本当に冷えるのか」という議論や実験もあちこちで見かけてはいたのですが、私としては十分に満足していたアイテムだったのです。

現在、私のたった一台しかない常用機は、PentiumIII 700MHz SL45YでVcore1.85V FSB133の933MHz動作をさせています。Vcoreを1.9VにすればFSB143の1001MHzが夏場の室温35度の環境でもなんとか動作しました。
ぎりぎりとは言え、純空冷で1GHz動作を達成しているのですから何の不満もないはずでした。これ以上はたぶんペルチェの導入が必要ですし、ペルチェの廃熱は水冷でなければ困難、かといって部屋の中に水タンクを置くことなどとても嫁さんの許可を得ることはできない、1GHzで何の不満がある、と自分を納得させていました。
でも、このCPUをもっと冷やせば、もっと上の周波数を狙うことができるんじゃないかという気持ちがあったことも事実です。

そしてある日のこと、いつもおじゃまをしている四万十川五十歩百歩さんのページ空冷の最終形 - KENDON CPU Radiator KR-1 -を見てしまったのです。
見た瞬間、欲しいっっ!それまで押さえつけていた炎がメラメラと・・・(笑)

とにかく、なけなしのお金をかき集め、足りない分は家に転がっていた昔のパソコン(PC-9821Xsという化石ですが、かなりいろんなボードとCPUアクセラレータまで差し込んであったので、1万円程度にはなりました。)を売り払い、博打(スロット)にまで手を出し、やっとのことで購入することができました。ちなみに、ほぼフルセットで約3万円の出費でした。

KENDON CPUラジエータについては、まずその発売元であるKENDONさんのページをご覧下さい。
KENDONさんについては、説明の必要はないですよね?あの有名なKENDON水冷ユニットやKENDONピラミッドバッファなどを開発された人です。個人であれほどのものを開発される言うのはとても信じられないことです。

KR-1全体写真 KR-1拡大写真1 KR-1拡大写真2

うーん、美しいです。最初に手に取った瞬間、「かっ軽い!」、今まで銅製ヒートシンクだったのですから当然ですが。ラジエータという命名のとおり、その中は自動車のラジエータによく似ています。でも冷媒は水ではなく、HFC-134aガスだそうです。
一個一個検品しているのでしょう、シリアルナンバーと「検」というはんこが押してあります。私のものはNo.40でした。

KR-1 オプション部品

購入したのは、基本セット、プッシャープレート、5mm厚ピラミッドバッファ、80mmファン、OLGAアダプタというほぼフルセットです。
上の写真は基本セット以外のオプションで、左上がプッシャープレート、その下がOLGAアダプタ、右上が80mmファン、その下は5mm厚ピラミッドバッファです。
基本セットは写真を取り忘れましたが、KR-1本体とSOCKET取り付け用金具、ファン取り付け用金具、隙間防止テープがセットになっています。

とにかく部品点数の多いこと。最初は一体どうやって組み立てるんだと考え込みました。取扱説明書を読み、写真と比べてみてやっとのことで組み立て方法を理解しました。

とりあえず、手持ちのCPUの中で一番発熱の大きいPentiumIII 450MHz(Katmai)でテストしてみることにします。今までこのページでは紹介する機会がありませんでしたが、こいつは伝説のSL45D NEC 3.6nsキャッシュ搭載品です。FSB145MHzまでは動作を確認しているもので、マザーやメモリの限界確認用に使用しています。

組み立ては悪戦苦闘でした。
SECC2のCPUにはCPUラジエータ本体だけでは取り付けができません。どうしてもプッシャープレートとピラミッドバッファを使う必要があります。

プッシャープレート プッシャープレートの取り付け

まず最初に、プッシャープレートにCPU取り付け用のネジを付けます(左の写真)。プッシャープレートにはたくさんの穴が空いていますが、写真のように取り付けます。この穴はバカ穴だと思っていましたがネジが切ってありました。内側の穴はAthlon用だということです。

次にプッシャープレートを本体に取り付けます(右の写真)。この時にピラミッドバッファを間に挟み込みます。しかし、これが難しい。不器用な私は本体に平行にプレートを取り付けるのに苦労しました。プッシャープレートには3種類のプラスティック製スペーサが付属しているのですが、5mmピラミッドバッファだけを取り付けた場合には、一番薄いスペーサでも厚みがありすぎ使用できませんでした。

プラスティックスペーサ

しかたなく、スペーサ無しで組み立てたのですが、ネジの締め付けを終わった後に横から見てみると、プッシャープレートが反っている。そのせいで、CPU取り付けネジが外側に開いてしまい、CPUの穴と合わなくなってしまいました。
あまり締め付けすぎてもよくないようです。プッシャープレートの材質は3mm厚のステンレスだと思うのですが、中に大きな穴が空いていることもあり、強度はそれほどでもないようです。

そこで思い悩んだ末、スペーサとして平ワッシャを入れることにしました。各ネジに3枚の平ワッシャを入れることでほぼ高さがそろい、綺麗に取り付けることができました。

ファン取り付け金具 隙間防止用テープ

この段階でファンを取り付けます。写真がファンの取り付け用金具です。もう一つの写真に写っているのは「隙間防止用テープ」です。最初に部品を見たときになんじゃい、こりゃと思ったのですが、ラジエータ本体とファンをあわせてみて納得しました。隙間が空いています。テープで隙間をふさげということなんですね。一瞬がっくりときました。全体が美しい製品なのにあんなもの貼りたくないよぉ・・・。まあ風が漏れるよりはいいのでしかたないですかね。

ファンの取り付けも一苦労でした。金具をラジエータの四隅に引っかけてファンを取り付けるわけですが、どうしてもファンが捻れて付いてしまいます。またしても思い悩んだ末、取り付け金具を一本だけ内側にすることで綺麗に付けることができました。こんなことしていいんだろうか。まあいいか、うまく付いたんだし。

2000.11.23追記
取扱説明書をよく読んでみたら書いてありました。「4本のファン取り付け用J字ビスのうち3本は、KR-1のケースの外側を通し、残り1本は、KR-1のケース内を通し、J字端をヒートシンクのハウジングに引掛けます。」
つまり、私の取り付け方で正解だったわけです。
取扱説明書を読んだのか?>実はよく読んでいませんでした。すみません。m(__)m
ファン取り付け1 ファン取り付け2

上の写真分かりますか?左側が外側に取り付けたファン固定金具、右側が内側から取り付けた固定金具です。
この方法で、最終的にラジエータの一辺だけにファンとの隙間ができましたので、この隙間が目立たない方向になるようにファンの取り付けを工夫し、隙間防止テープを貼ることにしました。

ファンと本体との隙間 PentiumIII 450MHz

左の写真がファンの隙間です。ここに隙間防止テープを貼り付けました。

次にCPUの取り付けです。CPU取り付けは自作の四万十川方式バックプレートです。右の写真でCPUの中心に載っているのが、3mm厚のプラスティックで作ったアダプタで、バックプレートは3mm厚のアルミ板で作成しています。5mm厚のアルミ板が欲しかったのですが、私の近所では手に入りませんでした。そのせいで、このプレートは締め付けると反ります。気にしません。(笑)

CPUから延びている線は、thermal diodeからのシールドケーブルです。CPUに直接半田付けしてあります。良い子は決して真似をしないでください。(笑)

いろいろと書きましたが、たぶんこれほど取り付けに苦労したのは私が不器用であるせいです。決して製品が悪いせいではないと思います。だって他の人はちゃんと組み立てているんですから。

やっとCPUへの取り付けが終わったのですが、もう一つ問題が残っていました。
私の使っているBF6マザーはCPU SLOT とDIMM SLOTの間隔が狭くて、CPUラジエータが取り付けできないのです。(爆)
やむを得ず、物置の奧から以前使っていたBX6 Rev2を持ち出してきてマザー交換をしました。このマザーのCPU-DIMM間は他のどのマザーに比べても広大に空いていますので大丈夫です。たぶんペルチェを取り付けてもDIMM4本全部が使えるでしょう。でも、後で書きますがこのマザーにも問題がないわけではありません。

やっとのことでCPUラジエータが使える状態になりました。手持ちの他のヒートシンクと性能比較をしてみることにします。

比較の対象としたのはこの2つのヒートシンクです。

P12060SB-60B ブリザードS7

左はアルファのP12060SB-60BにSANYOの4600回転6cmファン2個をタイラップで縛り付けた物です。その昔SEPP Celeron300Aを使用するために購入したもので、大きさなどは、今SECC2用で最高と言われているP3125によく似ています。このヒートシンクにはSECC用の穴とSEPP用の穴しかなかったので、SECC2用の穴を開けてタップを切ってPentium3が取り付けできるようにしてあります。4600回転ファンが2個付いているため、非常にうるさいヒートシンクです。
もう一つはブリザードS7です。これにもCPU面にSECC2用の穴を開けてタップを切ってPentium3が取り付けできるようにしてあります。使用しているファンはやはりSANYOの4600回転6cmファンです。

いずれ劣らぬ巨大ヒートシンクです。でも、この2つはBF6マザーに取り付けが可能です。KENDON CPUラジエータはBF6には取り付けができません。(笑)

取り付けはもちろんバックプレート方式です。ただ、この2つのヒートシンクにはピラミッドバッファは使いません。ペルチェを使うときは銅バッファは必須なのでしょうが、純空冷の時は普通使いませんし、いかに銅とは言えCPUとヒートシンクの間に5mmも厚みのあるものを挟むというのがいいはずがありません。KENDONラジエータではピラミッドバッファが無いと取り付けができないのでしかたありません。
したがって、これは公正な比較ではありません。KENDONラジエータには不利な比較となるはずです。
言い忘れましたが、CPU、ヒートシンク、ピラミッドバッファの間はグラファイトシートを使用しています。

測定条件です。
CPU PentiumIII 450MHz
コア電圧 2.2V
FSB及び動作周波数 FSB 138MHz 621MHz動作
使用マザー BX6 Rev2
CPU温度 秋月温度計によるthermal diode温度
発熱ソフト heat0601 3分間動作
室温 カー用品温度計にて測定
測定結果です。
ヒートシンク 室温 CPU温度 室温との差
P12060SB-60B 21.5 44.7 23.2
ブリザードS7 21.2 43.2 22.0
CPUラジエータ 21.3 42.0 20.7

はてさて、この結果。どんなものですかね。
P12060SB-60Bとの違いははっきりと分かりますが、ブリザードとの差はわずか1.3度です。誤差の範囲ではないかと思い、何度もヒートシンクを取り替えて試してみましたが、この差ははっきり出ていました。

1.3度の差、小さいと思いますか。でもたかが1.3度されど1.3度です。この世界で1度の差を出すというのは並大抵のことではないのです。それにしてもブリザードは予想外に冷えていたことが分かります。

ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。今回の実験はブリザードの通常の取り付け方法ではないのです。ブリザードS7はSOCKET用ヒートシンクで、その取り付けはSOCKET用リテールシンクと同様のクリップ方式なのです。
今回のようにバックプレート方式でCPUをサンドイッチにしてギチギチに締め付けている場合と、クリップで留めただけの場合とでは冷え方は違うはずです。
後でもう一度今度はSOCKET CPUで比較をしてみることにします。

それにもう一つ、KENDON CPUラジエータは空冷ペルチェにおいてその真価を発揮するらしいです。純空冷ではこのラジエータの真価は完全には発揮できないそうです。
つまりは結局、ペルチェを導入しろということなんですね。ふむ、考えておきましょう。

でもその前に問題があります。BX6 Rev2のオーバクロック耐性の問題です。
以前にこのマザーを使用していたときは、最高でもFSB133MHzまでの使用でした。あれから半年と少し、私も進歩しています。既にFSBは140MHzを突破するところまでいっています。
FSB145MHzまで動作確認をしているCPUを使いながら、上の実験をFSB138MHzでやっているのは理由があるのです。BX6 Rev2では138MHzの上の設定は、143MHzなのですが、143MHzではBIOSさえ立ち上がってこなかったのです。CPUもメモリもビデオカードも145MHzまでは動作を確認しているにもかかわらず。(涙)

四万十川さんもそのページでおっしゃっていますが、BX6 Rev2はメモリ回りに不安があり、どうやら140MHz前後に限界があるようなのです。

そして私の頭の中でささやく声が、

ここはマザーを買い換えるべきだよ
何言うとんねん、CPUを高倍率に換えたらええんや
君こそ何を言っているんだ、今のCPUは一応当たりなんだぜ、CPUを買い換えたとしてももう一度1GHz越えができると思うのかい。
7倍くらいのCPUで何をチマチマやっとんねん。7倍やったらFSB150まで上げても1050Mにしかならんのやど、8倍やったらFSB138でも1104Mになるやんか、8.5倍やったら1173Mやど。
いや絶対にマザーを買い換えるべきだよ。
絶対にCPUや。

いっそのこと両方買い換えたらいいんだ
いっそのこと両方買い換えたらええんや

いや、あのね。そんなにお金はないのよね。それに、1MHz単位でFSBが変更できたBF6が使えなくなるんだから、turbo PLLの導入も考えたいの。ペルチェをやるためには電源も買っておきたいし。でね、両方というのはとても無理なの。

ということで、今回はとりあえずマザーの交換を決意いたしました。
現在適当なマザーを物色中なのですが、希望としては、

1 BXチップのSLOTマザーじゃなきゃやだ
2 当然SLOT-DIMMの間は広いこと、KR-1とペルチェを使ってもDIMMが1本は使えること
3 オーバクロック耐性に定評のあるマザーであること
4 ISAスロットがいるんだぁ
5 できればABIT

まず1ですが、やはりこれまで実績の多いBXマザーにしたいところです。815Eという選択もありますが、BXにくらべて少し遅いという評判も聞きますし、第一スロットマザーがほとんどありません。VIAには恨み(CyrixIIIはCeleron互換?)がありますので、使いたくありません。
SLOTでなければというのは、ペルチェ使用時の断熱を考えるためです。SOCKETマザーでの断熱はどう考えても至難の業です。SLOT+FC-PGA変換ゲタというのが断熱が一番やりやすいはずです。

2と3は当然のことです。
4はいまさらISAと言われるかも知れませんが、ISAにつながっていて、どうしても必要なものがあるのです。同じ機能でPCI接続のものも売ってはいるのですが、結構高いんです。
5は私の好みです。許して下さい。

ということで、候補に挙がるのは、BH6 Rev1.1かRev1.2です。しかし、もうどこにも売ってないんだよなぁ。中古でも探そうっと。

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