MSI K8T Neo-FSR

初出 2005.3.20

今回紹介するマザーは、MSIのK8T Neo-FSRです。K8Tシリーズのうちで一番安価なマザーですね。

このマザーを購入したのは、モニタチップW83697HFの近くに30kΩのチップ抵抗を見つけたからです。30kΩがあるということは、もしかするとthermal diodeを使った温度測定をしているのではないかと思ったのです。

購入してすぐ、いつものようにバラックで組み上げてMBMを走らせてみました。下の左側の画像です。
センサー1とセンサー2にそれらしい温度が表示されています。センサー1がサーミスタモード、センサー2がthermal diodeモードでこの表示になります。どうやら、thermal diodeで温度が読み出せているようです。
W83697HFには温度センサー端子が2つしかありませんので、センサー3はdisableにしてあります。そのため0表示です。
K8TでのMBM画像 K8TでのCoreCenterの画像
MSIのマザーにはモニタソフトとしても使用できるCoreCenterというソフトが標準でついてきますので走らせてみました。上の右側の画像です。

CPU TEMPとSYS TEMPの2つの温度が表示されます。SYS TEMPはどうやらMBM5のセンサー1に対応しているようです。そうするとCPU TEMPがセンサー2ということになりそうなのですが、MBM5とは4度の違いがあります。はて?

確認のために発熱ソフトを走らせてみました。CoreCenterのCPU TEMPとMBM5のセンサー2が4度の差を保ったまま連動して上昇していきます。
どうやら、この2つは両方ともthermal diode温度のようです。とすると、いったいどうして4度の差が出ているのか?例によってマザーの温度測定回路を調べてみました。

K8Tの温度測定用チップはスーパーI/OチップのW83697HFです。

K8TのW83697HF K8TのW83697HF周辺の抵抗、コンデンサ
K8Tの温度測定回路
コンデンサが1個もないことをのぞけばごくごくふつうの回路です。センサー1(104番端子)がマザー上のサーミスタ温度で、センサー2(103番端子)がthermal diode温度です。マザー上のサーミスタもW83697HFのすぐ近くにありました。そして、私がこのマザーを買うきっかけとなった30kΩの抵抗(R58)は、やはりthermal diode温度の測定用だったのです。それにしても、その昔紹介したK7T266Pro2もそうでしたが、MSIはどうしてコンデンサを省略してしまうのでしょうね? 確かに、無くてもあまり問題ではないようですが。

そんなことより、前回のGA-K8VT800Proの改造の時には、ダイオードに直列の抵抗を500kΩにまでしてもMBM5の補正機能を使わなければ正確な温度表示にならなかったのですが、このK8Tはどうやら正確そうな温度を表示しています。
どうやらソフト的に補正をかけているようです。

そこで、表示温度がどの程度に信頼がおけるものなのか、またしてもA7V333の測定誤差と同じやり方で秋月温度計を取り付けてMBMの表示との差を見てみました。
W83697HFのVREFはdata sheetによれば3.6Vになっています。私の実測でも3.60Vでした。

秋月温度計の表示  26.2  31.5  32.5  34.0  37.4  40.1  42.5
CoreCenterの表示  29  32  34  35  37  39  41
MBMの表示  25  28  30  31  33  35  37


CPUの周波数と動作電圧を少しずつ変えて、発熱ソフトを走らせた時の温度を読んでいったわけです。今回も発熱ソフトにはSuper Piを使用しました。

驚くべきことに、CoreCenterの温度表示は、秋月温度計差との差がほとんどありません。つまり、CoreCenterはほぼ正確な温度を表示しているわけです。すごいぞMSI !!。AthlonXP Athlon64を通じてAthlonマザーで初めて正確な温度を表示するマザーに出会いました。

おもしろいのはMBM5の表示で、CoreCenterときっちり4度の差を保っています。どうやらソフト的な温度補正の問題のようです。MBM5も4度の補正をしてやれば正確な温度を表示するとことになります。

実は、K8T Neo-FSR以外のK8Tシリーズマザーのほか、K8NシリーズやK8T Neo2シリーズマザーにも、やはりモニタチップの近くに30kΩの抵抗が取り付けられているのですが・・・

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