
ヒートシンクの玉座
初出 2002.8.30
今年の夏は暑かったですねぇ〜。私はエアコンがあまり好きでないので、真夏でもできる限りエアコンを使わない主義(田舎だからこそできる芸当です)なのですが、さすがに今年は10日ほどエアコンのお世話になってしまいました。
前回ヒートシンクふたたびのあと、A7M266マザーはAthlonXP 1800+を載せてメインマシンとして組み上げました。ヒートシンクは何を使おうかと悩んだのですが、KR-1の取り付けが面倒だったので結局第2位の成績を残したHedgeHog294Mを使うことにしたのです。
しかし、HedgeHogに使用しているDELTA 6800rpmファンのうるさいこと。あんまりうるさいのでファンはSANYO 4500rpmファンに交換していました。
夏が来るまではこれで十分だったのです。でも、冒頭にも書きましたように、今年の夏は暑かった。夜でも室温が30度を軽く超えて、35度近くまで行こうという環境で、秋月温度計が60度以上を表示するようになってしまったのです。
これはいかん。なんとかせねばならん。しかし、うるさいのはいやじゃ。
と、またしてもヒートシンク探しをはじめたのでした。いや、取り付けを面倒がらずにKR-1を使えばいいんですけどね。はい。
これが、今回測定したヒートシンクたちです。
KANIE HedgeHog294M Cooler Master HHC-001 Swiftech MC462-A Alhpa PAL8045
上の2つは6cmファン使用、下の2つは8cmファン使用です。
HedgeHog294Mは前回、前々回も測定しましたので基準として使用する考えです。
HHC-001は見た目で買ってしまいました。過去にGALILEOでヒートパイプ構造の性能に感心した経験がありますし、GALILEOとおなじCOOLER MASRTERの製品というところが高性能を期待させたのです。
MC462-Aは知る人ぞ知るヒートシンクで、SocketAでは最高といわれています。現在は改良型のMCX462-Aが出ていますが、こちらは手に入りませんでした。結構高価なヒートシンクで、店頭価格は1万4〜5千円くらいでしょう。下手なマザーよりも高価ですが、その効果のほどは?(シャレですよ)
このヒートシンクに使われているファンはSANYOファンなのですが、なんと厚みが31mmもあります。その上、0.56Aもの電流を消費します。このヒートシンク、基部が9mm厚の銅板なので結構重量があります。
PAL8045はあのAlphaの製品で、これもSocketA用としては最高といわれていますね。MC462-Aとどちらが優秀なのか、というのが今回の測定を始めた第一の理由です。ちなみに、PAL8045はAlphaの通販で5,580円(送料、税別)です。
以上4個のヒートシンクが今回の測定対象です。
えっ?KR-1はどうしたのかって?いや、ちょっとした事情がありまして。
まず先に測定条件を書いておきます。
マザーを除けば前回のヒートシンクふたたびと同じ構成です。ただ、CPUは同じXP 1600+ですが前回使用したものではありません。
マザー ABIT KG7-Lite、秋月温度計装着 CPU AMD AthlonXP 1600+ L1クローズ済み メモリ ノーブランド128MB PC2100 CL2.5 DDR HDD 10GB ATA33 5200rpm FDD CD-ROM なし ビデオカード Matrox G400 SH 32MB サウンドカード なし 筐体 玄人指向 根性試し用まな板
前回使用したものは、ヒートシンクを交換しているうちに、ちょっとした気のゆるみからヒートシンクを傾けて取り付けてしまい、あえなく昇天となりました。あっけなかったですよ。電源を入れて数秒のうちに秋月温度計が100度を超えたかと思ったら昇天していました。あわてて電源を切ろうとしたのですが、遅かったです。
それ以来、ヒートシンク交換などをしたあとは、電源スイッチに手をかけておいて秋月温度計をにらみながら起動させています。(笑)
マザーにKG7-Lliteを使用したのは、MC-462AとPAL8045がA7M266には装着できなかったせいなのです。ヒートシンクを買ってきて、装着できないとわかったときにはあわてました。で、近所のパーツ屋で安売りをしていたKG7-Liteをあわてて購入してきたという次第です。
しかし、今度はKG7にKR-1が装着できませんでした。取り付けはいろいろ工夫したんですけど。
そのため、今回は大本命のKR-1を測定していません。それでは「ヒートシンクの玉座」の題名が泣くではないか? はい、ごもっともです。でも、どうしてもこの題名にしたかったんです。
測定方法は前回、前々回と全く同じです。
CPUのコア電圧と動作周波数を変化させて、CPU温度と室温との差を測定していきます。
発熱ソフトはいつものようにheat0601を使用します。CPU温度と室温との差が変化しなくなるまでheatを動作させその時の温度差を記録します。 測定ポイントは次のように決めました。
上の表で数字の入っている箇所が測定点です。数字は電圧の2乗×周波数の計算値です。今度のCPUは低電圧での動作が不安定で1.4V、1.5Vでは600MHzでも動作させることができませんでした。前のCPUでは1.4Vで800MHzが動作したのに。
0601MHz 0701MHz 0802MHz 0901MHz 1002MHz 1099MHz 1202MHz 1298MHz 1400MHz 1502MHz 1603MHz 1699MHz 1.60V 1538.6 1794.6 1.69V 2002.1 2290.6 2573.3 2861.8 3138.9 3433.0 1.78V 3808.4 4112.6 4435.8 4758.9 1.83V 5030.0 5368.3 5689.8
動作周波数が中途半端なのは、turbo PLLを移植するのが面倒でしたのでFSBを1MHz単位でしか変更できなかったためです。ただし、CPUのL1をクローズしてあり、倍率が可変になっていますので、周波数の変更はそれほど困難ではありませんでした。動作周波数はWcpuclkで測定しています。
動作電圧なのですが、KG7は負荷をかけると設定電圧よりも低い電圧になってしまうようです。KG7では1.85Vまでの電圧設定ができるのですが、負荷をかけると1.83Vにまで下がってしまいました。電圧はサウスチップVT82C686Bに内蔵のモニタ機能を使ってMBM5で読み出しました。測定精度は少し疑問です。
測定時の室温はあまり一定はしていなかったのですが、30度プラスマイナス2度以内に収まっています。CPUの絶対温度ではなく、室温との相対温度を測定しましたので、これくらいの変動は大丈夫と判断しています。室温の測定には熱帯魚用の水槽で使用するデジタル温度計を使用しました。一応、棒状水銀温度計で誤差が0.5度以内であることを確認しています。
秋月温度計はこの温度計を基準温度計にして校正してしてあります。基準温度計からの誤差はプラスマイナス1度以内だと思います。
測定結果です。4個のヒートシンクの測定結果を一つのグラフに書いています。
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こうしてみると、もうどれでも同じっと言いたくなりますね。どちらかというと8cmファンを使っている方が大型である分だけ性能がいいようですが、最高でも2度ほどの差しかありません。ヒートシンクの取り付けによっては2度くらいすぐに変わってしまいますから、誤差の範囲なのかも知れません。
ここまで来ると、やっぱりKR-1との比較をしてみたくなりますね。
で、まず今回測定したHedgeHogのデータと前回のHedgeHogのデータを比較してみました。
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前回と今回では室温が7度ほど違います。でも、CPUの温度上昇グラフはほとんど同じになっています。ということは、KR-1についても前回測定データを比較の対象にしていいと考えました。で、最初のグラフにKR-1の前回データを書き入れたのがこれです。
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どれでも同じっですね。かろうじてKR-1が最高の名を守りました。ぎりぎりの所ですけど。
今回の測定の結果、ヒートシンクとしてどれを選ぶかと言われた場合・・・、私ならPAL8045を選びます。コストパフォーマンスと静音性を考えると他の選択などあり得ないでしょう。
私が一番最初に買ったヒートシンクはAlphaのSEPP Celeron用のものでした。ずいぶんいろんなヒートシンクを試しましたが、結局Alphaに帰って来るというのは感慨深いものがあります。
もうすぐPen4環境を構築する予定ですが、そのときも今回のPAL8045を478pinソケット用に対応させたPAL8942というヒートシンクを使いたいと思っています。
しかし、現用のメインマシンのA7M266には装着できないというのが何とも難点です。しかたないので、現在はHHC-001を使用しています。HedgeHogに比べると少しは静かなようですから。少しは。