ダイ温度測定に対応したマザー

初出 1999.11.10
改訂 2000.02.14
改訂 2000.06.27
改訂 2002.04.29

最近のマザーボードのほとんどには、マザーボードの状態を監視するためのモニタチップが搭載されています。
よく使われているモニタチップは、
National Semiconductor LM75, LM78, LM79, LM80
Winbond W83781D, W83782D, W83783S
Genesys Logic GL518SM, GL520SM
などです。

また、スーパーI/OチップのW83627HFやIT8712Fなどにモニタ機能が統合されているものもあります。

これらのモニタチップでは、マザーボード上の各種の電圧(+3.3V、+5V、+12V、-5V、-12V、Vcoreなど)やファンスピード、温度が測定できるようになっています。
モニタチップの読み出しは、通常BIOS上で行うようになっていますが、WINDOWS上で表示するためのソフトがいくつか発表されています。

モニタチップは、基本的には前の項で説明したA/Dコンバータであり、Thermal Diodeによるダイ温度測定に対応しているものもあります。

ここでは、ダイ温度測定に対応しているモニタチップを紹介しておきます。これらのチップが搭載されている(または後から取り付けが可能である)マザーであれば、ダイ温度を測定できる可能性があります。(あくまで可能性であって、「必ず」というわけではありません。)

付け加えれば、これらのチップを利用して外付けの温度計を作成することも可能です。
別にこれらのチップでなくとも、市販のA/Dコンバータを使って温度計を作ることも可能だと思います。しかし、私の技術レベルを超えていると思いますので、手を出すつもりはありません。(少なくとも今のところは。たぶんもしかすると、そのうちに。秋月の電子温度計キットなんか使えそう。)

秋月温度計を制作しました。秋月電子温度計を作ろうをご覧ください。
MAX1617、MAX1617A (MAXIM)

温度測定のみの単機能チップです。その意味ではマザーボードモニタチップではありません。
標準でこのチップが搭載されたマザーは見たことがありませんが、Intel、EPoxのマザーにあるそうです。
マザーによってはこのチップのためのパターンを用意しているものがあります。こういうマザーでは、チップを後付けすることで、ダイ温度測定が可能となります。

MAX1617
0.64mmピッチのMAX1617用のパターンがあるマザー
ABIT BH6(Rev1.0、Rev1.1)、BX6 Rev2
EPox KP6-BS Vccの誤配線があるそうです。
MSI MS-6119
Tyan Tiger100
FIC VB-601
1.27mmピッチのMAX1617用のパターンがあるマザー
SOYO SY-6BA、SY-6BA+、SY-6BB、SY-6BA+3
実は1.27mmピッチのパターンというのは謎の一つです。MAX1617は0.64mmピッチのICなのです。
このチップは入手が非常に困難です。私は、でこポンさんという方のご厚意で試供品を1個譲っていただいてBH6に取り付けました。
もし、このチップ(下のコンパチ品でも)を1個単位で販売している店をご存じの方はぜひ御一報願いますm(__)m

ADM1021 (ANALOG DEVICES)、TCS1617 (TelCom Semiconductor(TCS))
MAX1617のコンパチICです。

W83782D W83782D、W83783S (Winbond)

最近のマザーによく使われているモニタチップです。このチップはダイ温度測定の普及に大きな貢献をしています。このチップが現れたおかげでダイ温度測定が一般的になってきたと言っても過言ではないのですから。

W83783SはW83782Dの廉価版です。一番の違いは温度測定端子の数で、W83782Dが3個であるのに対して、W83783Sは2個となっています。

このチップが搭載されていればダイ温度に対応したマザーである可能性は非常に高いです。でも、このチップを使用しているマザーの全てがダイ温度測定できるわけではありません。たまにはへそ曲がり?なマザーメーカも存在するのです。

W83783S
W83782D、W83783Sを搭載しているマザー
ABIT BX6 Rev2、BP6、BM6、ZM6、BE6、BF6、BE6-II、BX133-RAID
EPox EP-BX6SE
GIGA-BYTE GA-BX2000、GA-6BXE、GA-6BMM
MSI MS-6153
Teckram P6Pro-A5
SOYO SY-6BA+3、SY-6BA+4 他多数
  SY-6シリーズ、SY-7シリーズのほとんど
MON35W42、MON35W82 (Standard MicroSystems Corp.(SMSC))

それぞれW83782D、W83783SののコンパチICです。

W83627HF W83627HF、W83697HF (Winbond)

これは、モニタチップではなく、スーパーI/Oチップです。しかし、ハードウェアモニタ機能を備えていてダイ温度測定に対応しています。W83627HFは3個のセンサを、W83697HFは2個のセンサを備えています。機能的にはW83782D、W83783Sと同等のようです。

W83627HFを搭載しているマザー
ABIT WB6、SE6、SH6、ST6E、SA6/SA6R、TH7II-RAID
EPox EP-3SPA3L、EP-4B2A
SOYO SY-7IWA/-F、SY-7IWB、SY-7IWM
GIGABYTE GA-8ITXR
他多数
AS99127F AS99127F (Asus)

ASUSのマザーのほとんどに搭載されているモニタチップです。Athlonマザーにも搭載されています。PentiumIII/Celeron用マザー、Pentium4用マザーであればこのチップでダイ温度測定が可能のはずです。残念ながらAthlonマザーではまだ対応していないようです。

このチップついては詳しい情報を持っていません。そもそもASUSのサイトにこのチップのdata sheetが置かれていないのです。

このICはP3B-Fのマニュアルでは「ASUS ASIC」と書かれています。ASICとはApplication Specific Integrated Circuitの頭文字を取ったもので、特定用途のために設計されたICのことです。いわゆる「カスタムIC」というやつですね。

IT8712F IT8712F (ITE)

このチップもスーパーI/Oチップです。Pentium4用のマザーに搭載されていることが多いようですね。

W83627HFと同じようにスーパーI/Oチップにモニタ機能が統合されていて、温度、電圧、ファンスピードなどが測定できるようになっています。もちろんダイ温度測定にも対応しています。測定回路部分はW83782Dと同じになっています。

IT8712Fを搭載しているマザー
GIGABYTE GA-8IRX
CHAINTECH CT-9BJD

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