CHAINTECH CT-9BJD

初出 2002.5.21

初めてのPentium4マザーの紹介です。

今回紹介するマザーはCHAINTECHというメーカのCT-9BJDというものです。私自身このマザーについてはほとんど知りませんでした。
ではなぜこのマザーを手に入れたのか?

Willametteのthermal diodeのところで少し書きましたが、478ピンPentium4のthermal diodeの特性測定をするために478ピンソケットがどうしても必要になり、ジャンクマザーを購入してソケット部分を切り取って使うことにしたのです。ですから、478ピンマザーであれば何でもよかったのですが、たまたま手に入ったのがこのCT-9BJDというマザーだったのです。

最近の私は、ジャンクであろうとなかろうと新しいマザーを手に入れた場合、温度測定に使用されているチップは何なのか、その温度測定回路がどうなっているのかを調べてみるという妙な習性がついてしまっています。
当然このCT-9BJDマザーもどうなっているのかを見てみました。

まず使われている温度測定用チップは、ITE製スーパーI/OチップのIT8712Fでした。
このIT8712FというスーパーI/Oチップは、最近のPentium4マザーでよく使われているもので、Winbond製のW83627HFの強力なライバルになっているようです。

私としては初めてのチップでしたので、まずはITE社のサイトからIT8712Fのdata sheetをダウンロードしてきました。ざっと読んでみたところ、最初の概要部分のEnhanced Hardware Monitorのところに次の記述を見つけました。

3 thermal inputs from remote thermal resistor or thermal diode or diode-connected transistor
さすがにW83627HFのライバルだけあってちゃんとthermal diodeに対応しているようです。

IT8712Fのdata sheetのダウンロードには少し苦労しました。Netscapeだとダウンロードページへ行くことができなかったのです。しかたなく、Ineternet Explorerでダウンロードしたのです。最近よくNetscapeで見ることのできないページに出くわしますが、どうしてなんでしょうね。何かの陰謀があるんでしょうか?
そこで、data sheetでIT8712Fのピン配置を確認し、温度測定回路がどのようになっているかを調べてみたのです。

CT-9BJDのIT8712F IT8712Fのピン配置

上の写真がCT-9BJDに搭載されているIT8712Fとその周辺の抵抗・コンデンサ群です。

IT8712FはW83627HFと同じスーパーI/Oチップでピン数も同じだったものですから、ピン配置もW83627HFと同じだろうと思っていたのですが、予想に反してピン配置は独自のものでした。
チップの上辺中央から少し左よりの部分に温度測定用の端子が固まっています。上の右の図をご覧ください。
90番端子が測定用基準電圧のVREF、89〜87番端子がTMPIN1〜3で温度測定センサの1〜3番になっています。

今回は残念ながらジャンクマザーですので動作させてMBM4を走らせて見るという確認ができません。そこで例によってマザーの回路がどうなっているか調べてみました。

CT-9BJDの温度測定回路 CT-9BJDのチップ配置

上の図の左側が温度測定回路で、右側は関係する抵抗・コンデンサの配置図です。

どうやら温度測定回路は、W83782DやW83627HFと全く同じになっているようです。89番端子(センサ1)はマザー上のチップサーミスタRT1の温度です。88番端子(センサ2)がthermal diode温度になっていました。87番端子(センサ3)はGNDに接続されていて使用できなくなっていました。もったいないですね。

最後にIT8712Fのことについて。
IT8712Fのdata sheetを見ていて、おもしろい項目を見つけました。Thermal Diode Zero Degree Adjust Registerという項目です。つまり、thermal diodeの個体差を吸収するためにゼロ点調整用のレジスタを持っているということらしいです。

これはW83627HFにはなかった機能です。同じ478ピンのPentium4であってもWillametteとNorthwoodではthermal diodeの特性が違っていますから、こういう機能があるというのはなかなかよろしいのではないでしょうか?

別にこの機能がなくてもたとえばMBM4ではゼロ点調整をすることが可能です。しかし、この場合は、ユーザが自分でゼロ点調整をいくらにするかを決定してやる必要があります。

IT8712Fの場合、BIOSがCPUを認識したときに、そのCPUに対応するゼロ点調整値を自動的にレジスタに書き込むようにメーカがBIOSを作成しておけば、ユーザはCPUの違いによるthermal diodeの個体差を気にすることなく正確な温度を知ることができるはずです。

問題はメーカがそんなBIOSを作っているのかどうかということなんですけどね。

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