GIGABYTE GA-8PE667 Pro

初出 2004.6.1

これまでのマザー紹介を見ていただくと判りますが、Pentium4マザーはほとんど紹介していません。Pentium4マザーでこれまでに紹介したのは、CHAINTECH CT-9BJDという、かなりマイナーなマザー1枚きりです。それももう2年も前の話になっています。

これにはいくつか理由があるのですが、"Pentium4マザーを持っていない"というのが一番大きな理由になります。そもそも、価格が安いからという単純な理由で、Athlonに突っ走っている人間が、わざわざPentium4マザーを買うわけもないのです。

ただ、thermal diodeの特性測定を続けているせいで、Pentium4 CPUもたいてい何個かはパーツ箱に入っていたりするのです。このCPUをオークションで高値で売るためには、やはり動作確認をしなければなりません。動作未チェック、ジャンク扱いでは売値も安くなってしまいます。そこで、手持ちのPentium4 CPUの動作チェックをするためだけのためにPentium4マザーを1枚だけ持っているのです。
今回は、このマザーGIGABYTEのGA-8PE667 Proのお話です。

あぁ!このマザーも2年前のマザーですね。ご勘弁下さい。
845PEチップセット、FSBは533MHzまで、HTテクノロジ未対応と、Pentium4 マザーについては相当に疎い私でも、「時代遅れかなぁ」と思っているマザーです。

それでも、このマザーを紹介することにしたのは、Pentium4 マザーも少しは紹介しなければという気持ちと、もう一つ、このマザーの温度測定回路が非常に珍しい(変な)ものになっているためなのです。

前置きはこれくらいにして、まずはいつものMBM5の画像です。

MBM5画像

相変わらず、電圧表示がおかしな所がありますが、気にしないことにして、一番上の温度センサー表示を見てください。センサー1〜3まで、一応それらしい温度が表示されています。このうち、センサー1と2はサーミスタモード、センサー3がダイオードモードでの表示になっています。つまり、センサー3がCPU温度ということになります。センサー1と2がどこの温度かということは、後で回路を紹介するときに説明しましょう。
ちなみに、こちらはマザー付属のCDに入っているEasy Tuneというソフトの表示です。

easy tune画像

こちらの温度表示はCPU温度のみになっています。なぜなのか。これも後ほど。

いつものことですが、当然、温度測定回路を調べてみました。
今回、回路を調べるための新兵器を用意しました。度数3.5度の老眼鏡です(笑)。
実は、年のせいか老眼が進んでいて、細かい回路などは肉眼ではほとんど判別できないまでになっているのです。これまでは4倍程度の拡大鏡を使って回路を調べていたのですが、これがとてもやりにくいのです。片手に拡大鏡を持つと、テスターのピンを持つ手が1本しか残っていません。回路の導通を調べるためにはテスターのピンを両手に持つ必要があります。すると拡大鏡を持つ手が・・・。で、テスターと拡大鏡を持ったり置いたり・・・。その上、拡大鏡の影ができて見えにくい所も増えますし。とにかく面倒でした。

どうやったら楽に調べることができるのか。考えました。で、「老眼鏡」に落ち着いた訳なのです。老眼鏡は、結局の所拡大鏡を目に掛けるようなものですからね。

今回用意した3.5度の老眼鏡は、かなりきつい眼鏡です。マザーの配線を見るのには便利ですが、これを掛けたまま周りを見回しただけで・・・、ひっくり返ります(笑)。実は、私は近視と乱視も持っていますので、今度は老眼鏡といつもの眼鏡とを掛けたり外したり・・・(笑)。面倒さはあまり変わっていません。皆さんも目は大切にしてください。
このマザーのスーパーI/OチップはITEのIT8712Fでした。

GA-8PE667 ProのIT8712F IT8712F周辺の抵抗、コンデンサ


IT8712Fの周りをぱっと見て、30kΩの抵抗が左側にあるのを見つけました。1個だけ水色のチップなのですぐに判ります。
たぶん、これがthermal diodeに直列になっている抵抗です。一瞬「変だなぁ」という気がしました。だって、IT8712Fの温度測定用の端子は87番から90番で、チップの上辺にあるのです。このため、他のどのマザーでも温度測定用の抵抗コンデンサ群はIT8712Fの上側に配置されています。左側に配置されているマザーなんてこれまで見たことがありません。どうも最近、マザーの回路を確認するたびに首をひねることが多いのですが、今回も首をひねりながら、老眼鏡を掛けて、テスターを持って、回路を調べていきました。
こうなっていました。

GA-8PE667 Proの温度測定回路

なんやぁこれぇ?!

失礼しました。信じられなかったもので。
R230、R236、R568、R569は全てチップ抵抗の背に「822」と書いてありますので、8.2kΩだと思います。R231は30kΩです。

何に驚いたかと言って、一番驚いたのは温度測定に使われている端子が118番から121番になっていることです。IT8712Fのdata sheetを見ても、温度測定端子は87〜89番で90番が基準電圧VREFになっています。118〜120番が温度測定端子で121番がVREFなどということは書いていないのです。118〜121番にはまったく別の機能が割り当てられているのです。これはどういうことなのでしょう。GIGABYTEがIT8712Fの別仕様を特注したとしか考えられませんが、そうだとしても同じIT8712Fという型番にはしないと思うのですけどね。
本来の温度測定端子である87〜89番は何も接続されていないようです。

何にせよ、この状態でMBMで温度が読み出せているのですから、問題はないのですけどね。でも引っかかります。

もう一つ気に入らないこと。それは、120番端子(たぶんセンサー1)と119番端子(たぶんセンサー2)です。なんと、VREFを同じ値の抵抗で分圧して120番と119番の端子に供給しています。R236とR569はサーミスタではなくごく普通の抵抗です。120番端子なんかサーミスタ取り付け用と思われるRS1というパターンまで作っておきながら、それを空き端子にして、わざわざ抵抗を取り付けているのです。

つまり、この回路では、センサー1とセンサー2は温度を測定しているわけではないのです。これで温度が測定できるはずがありません。抵抗分圧をしているだけなのですから、センサー1とセンサー2の読み出しは、周囲の温度がどんなに変化しても同じ値を示すことでしょう。
上のMBMの表示で、センサー1とセンサー2がまったく同じ25度を示したまま動かないのでおかしいなとは思っていたのです。どういうつもりかは知りませんが、私に言わせればこれは「ごまかし」ですね。

なお、R230を10kΩに取り替えて、R236を取り外して、RS1にサーミスタを取り付ければ、マザー温度が測定できるようになります。そこまでして測る必要があるのかどうかは疑問ですけど。

それにしても、前回のGA-7VT600-Lといい、今回のGA-8PE667Proといい、GIGABYTEには悩まされますね。まったく。

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