前線から200キロ後方のランバート山脈、その周囲には統合軍の何所かのレーダーサイトが有った。

これまでに何度かクーデター軍の空襲を受けたが損害は皆無だった。

その中のバシップレーダの一つに始めは二つの微弱な反応が現れた、

全自動化されたレーダーシステムは瞬時にIFF(敵味方識別信号)を二機の正体不明機へ送った。

何も反応がない、システムは瞬時に二機をα1、α2、の敵機と名ずけた。

「一番近い友軍機は、スカーフェイス01です、あとは帰投してくる部隊もしくは、

航空支援のために移動している部隊ばかりで応援のための部隊は、二十分かかります。」

それを聞いた当直士官は、一瞬考えた後に命令を出した

「時間が無いスカーフェイス01に迎撃させろ」

「スカーフェイス01、エネミーを迎撃する。」

そう言うと同時にファントムの機体からドッロプタンクが二つ切りはなされる、

荷物を棄て身軽になった機体を急上昇させる。

「こっちは哨戒任務での二発しかミサイルがない大至急応援を頼む。」

レーダーサイトのオペレータからの返事がすぐ帰ってきた。

「済まない、後続の編隊は、二十分後に到着予定だ。」

最悪の答えだ。

「俺じゃなくて統合軍を恨めよ。」

そう俺は、グリーンに一言、言った。

「バックシータ潰しのカーター中尉のファントムに乗せられた時に悟りました。」

「それは、海軍でファントムに乗ってた時だけだ、最悪デカイのだけでも道ずれにして落とすぞ。」

数日前に南の島楽園だったあの島で戦ってる時は1人でわ無かった。

近くにいた空母からの支援があった、今は一機だけだった。

二十分、この永遠に等しい時間を今は、生き残るために戦うしかなかった。

E767の機体へ無数のタングステンの固まりを浴びせる

空中に巨大な炎の固まりが出現する。

あの中で何人の人間が焼かれているのか考えたくも無かった。

三機の敵のファントムすれちがう

「2機目いくぞ。」

2発のAAM放つと同時に右へ旋回する、命中を確認しているヒマは、無かった。

二機がこちらの後ろに付く、ロックオンされてたのがわかった。

そのままの勢いで引いていた操縦桿を僅かに斜前にかたむける、

機体が横の右回りで円を描く、バレルロールで二機のうち一機をオバーシュートさせる

もう一機は平行に並んでいる。

「今だ、撃て。」

グリーンが絶叫している、機首の機銃を撃つ。

コクピットの周りに着弾する、一歩間違えれば自分もそうなる。

空戦が始まって五分が過ぎていた。

その山の上空には二機のファントムと二機のF−16が飛んでいた。

四機は前線の地上部隊への支援を終えた空軍部隊だった。

「苦戦してるみたいですね、隊長。」

編隊の中の一人が言った。

「全機付いてこい、どこの誰かは知らんが助けにいくぞ。」

全機自衛用のミサイルを二発積んでいる、たった一機の友軍機に振り回されている連中相手なら何とかなるだろう。

あれからさらに二機のC−5と一機のフィシュベットを撃ち落とした。

「ケツにつけられた!逃げろ!」

「こいつを落としたら逃げる!」

C−5の左翼を機銃で撃つ、二基のエンジンから煙りが上がる

その時だった敵の生き残りが放ったミサイルが機体の近くで爆発した。

二番エンジンが止まる、一瞬機体が沈む、

「そのまま急降下してブレイクしろ!」

誰の声か判らなかったが言われるままに機体を急降下させた。

空軍のF−16が二機、ミグの後ろにいた。

二機に後ろとられた敵はそのまま撃ち落とされた、敵の生き残りは、逃げ出していた。

「人は、戦場で生き残るために人を殺さねばいけないのか。」

無線機が入ったままである事に気ずかず呟いていた。

「こう思えばいいんですよ、それでその100倍、1000倍の人間が助かったと……

歩兵は、もっと大変ですよ、お互いの臭い息がかげる所で殺しあいやってるんですから。」

何機かの敵機に囲まれてるところを助けてくれた編隊の隊長らしい人物は俺にそう言った。

それでこの罪から逃れられるのだろうか?

いまは、判断でき無かった。


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