骨董箪笥の鍵つくり

Handmade key for antique chest of drawers


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尾瀬
Update; Jun. 07, 2008

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二輌積載

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ステップワゴンをTL125バイアルスのトランポに



骨董(時代)箪笥には,百年経ても壊れない頑丈で見事な錠が数個備わっている.
しかし錠(lock)の鍵(key)が全て揃った箪笥は少ない.骨董箪笥の鍵には予備の複製
がなく紛失すると抽斗(ひきだし)が開けられない.これに困り,金槌で錠の頭を叩き潰し
て施錠できぬようにした形跡が多くの箪笥錠に認められる.錠を壊さずとも
鍵は簡単に自作が可能である.これより,鉄製鍵の製作方法を順を追っ
て紹介する.なお,錠前鍵も同様に自製が可能である.
江戸・明治期の職人達が丹精込めて作りあげた遺産を大切したい.




箪笥鍵・錠前鍵: (左側が自製鍵のみ handmade key)(右側は元鍵;無い鍵を自製鍵で補填 original key)
この型(ウォード式錠)の鍵は朽ちた際,鍵山を破損しやすい.また,開錠を永年繰り返すうちに摩擦や
捻じれ等で狂いを生じることがある.携行に都合よいよう軽くて小さく作られているが
そのため紛失し易い.従い,鍵を 消耗品 と考えてもそれほど的外れなことではない.



佐渡船箪笥 [江戸後期作;推定]
≪鍵は一本も備わって無かったが,幸運にも錠は全て生きていた≫
上段抽斗の錠の鍵を,これより創る






材料: 直径3mm軟鉄棒(輪を作る),0.5mm厚軟鉄板(筒用),1.5mm厚軟鉄板(鍵山用)
銀鑞(ロウ) silver solder(銀40%含有;\1,100-),フラックスsilver solder flux(高温時の酸化防止剤;\900-)
[写真左上より]


道具: ガスライター用燃料 gas butane fuel(液化石油ガス;ブタン)
1,300℃ハンディガスバーナー gas torch(銀ロウ用;\1,200-)
金属切断用鋏(1.2mmまで可;筒用),ペンチ2本(右\100-,左\350-;輪を作る),ガラス棒
スチールピンセット,プラスチックピンセット
金属用ドリル先端刃(軟鉄板を筒状に曲げる型用),
ヤスリ(鍵山削り用;\900-),金属素材切断用糸鋸(替え刃TN-17;鍵山用)
ゴムバンド,ガラスビーカー
[写真左上より]
≪以上の材料と工具の多くを,東京・町田のハンドメイド取扱店舗で調達≫


手技 1): 鍵穴と同じ径の筒になるよう,紙を切る(線引き定規は必ずしも必要ではない)
型紙にある3箇所の切れ込みは,持ちてのリングをはめ込む溝
カタログの紙質は張りがあり,型を取るのに適している


手技 2): 紙筒を鍵穴へ入れ,鍵山の高さと奥行きをチェックしておく


手技 3): 0.5mm厚の軟鉄板を型紙よりやや内側に金鋏で切りとる


手技 4): 二本のペンチを使い、直径3mm軟鉄棒から,持ち手にする鉄輪を作り、ペンチでもぎ取る


手技 5): 持ち手にする鉄輪は金槌で叩き、少し平らにして用意しておく
(輪の断面は丸いものより平らなほうが筒に組み付けたときピッタリしてガタがない)


手技 6): 鍵山を1.5mm厚軟鉄板から金属用糸鋸で切り取る鍵穴の深さと高さを推測し,
鍵山の高さと奥行き(幅)をやや大きめに作る.鍵山の凹みは,V字に切り取る
持ち手になる3mm径の軟鉄は,二本のペンチで輪を作り、金槌で叩き少し平らにして用意しておく


手技 7): 鍵山を差し込む隙間を作るため,両側を金鋏で切りとる


手技 8): 軟鉄板を二本のペンチで折り曲げ,ドリル芯に巻きつけ円筒にする


手技 9): 金属用ドリルの芯に軟鉄板を巻きつけ筒にする
少し太めのドリル芯に巻き付け隙間を残してておき,芯を外したあと隙間
をペンチで塞ぐと綺麗な円筒ができる
鍵穴へ実際入るかどうかここで,確認する


手技 10): 筒を作った後,鍵山と持ち手の輪を組み立てる


手技 11): 外した鍵山を二本のペンチで曲げ,船箪笥の鍵穴の曲線に合わせてからまた組み付ける
右の鍵の鍵山は曲げる前の状態


手技 12): 船箪笥の鍵穴にささるよう,鍵山の上部を削り高さを調節する
このときV字に金鋸で切った山形を,ヤスリで凹型に整える


手技 13): 銀ロウづけする前に,ブラシやヤスリで錆びを綺麗に落とす
(この写真では、濃塩酸 conc. hydrochloric acid を使い鉄材から錆びを落としている)
警告 warning!: 塩酸 hydrochloric acid は医薬用外劇物であり,皮膚や眼に入いると酷い化学熱傷
chemical burn を負うため取り扱いには充分な注意をはらわねばならない



手技 14): ペンチで筒を固定し,火炎による酸化を防止するため
フラックス silver solder flux を鍵山の根元に釘を使い丁寧に塗る


手技 15): 鍵山の付け根を 1,300℃ ハンディガスバーナー gas torch で赤熱させ
銀鑞(ロウ)棒 wire of silver solder をあてて溶かし,軟鉄同士を接合
警告 warning!: ガスバーナーgas torch は、周りに揮発性の可燃性ガスがないことを確認した上で
取り扱わねばならない don`t put by inflammable gas

[Photo by M. A.]


手技 16): 持ち手(輪)と鍵筒を銀鑞(ロウ)づけする. この後よく水洗し,フラックスを完全に洗い流す


手技 17): 硬い床に落とした際,カリンという金属音がすれば,ロウ付けが上手く着いた証拠 metalic sound
銀ロウづけの強度は大きい.ペンチで鍵山を力いっぱい変形させてもまずちぎれない
注意 attention!: ガスバーナーgas torch による加熱直後は、金属が充分に冷えるまで触れてはいけない
don`t touch the key. Attention to a burn



手技 18): 銀ロウの盛り上がりを,ヤスリで削り落とす


手技 19): 船箪笥上段の抽斗の金具を指で押し上げて,錠を架かけてみる set the lock


手技 20): さらに,内側への鍵山の出っ張りを削り取り,外径の盛り上がりをなくし,鍵山の凹を錠が外れるようにヤスリで削り広げる
これには、鍵山の内側上方の角を少し落とすよう、やや斜めに削り進むとよい
錠が外れるまで辛抱強く少しづつ削り,何度も繰り返し鍵穴に差込み静かに回して,解錠を確認する
凹を削り過ぎ錠が空回りした場合,ペンチで山の谷を狭める
それでも削りすぎたのなら、山の内側一方に銀ロウを張り付け間隔を狭くする
鍵は軟鉄製なので放って置いても直ぐ錆びるが,多湿条件下に置けば2時間程で,前出の古びた錆鍵に変身する
薄く錆びた鍵の状態のときに緑茶で煮上げれば黒変し、錆びにくくなる


手技 21): 施錠した様子を真上から見ると,錠の爪が飛び出ている on the lock


手技 22): 自製した鍵を反時計回りにまわすと錠が静に外れ,爪が降り開錠した off the lock



完成
Completion



{Thanks to H.K.}

《Written by F.H.》

Aug. 20, 2003 11:52


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2003年08月18日 11時52分21秒


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