発表題目

食品中の塩分と生物との関係


動機及び目的

 私たちはこれまでにスギ花粉症、学校のダニ、タバコの害など健康に 関することを研究テーマに取り組んできました。そこで今年は、食品中 の塩分量について研究してみました。

 どんな実験ができるだろうかとまず山口県消費生活センターを訪ね食 品の塩分の調べ方などを紹介してもらいました。

 次に山口県山口環境保健所を訪ねました。成人病予防などを担当の栄 養士さんから、食塩と成人病との関係の話を聞きました。

  次に山口県防府市にある「三田尻塩田記念公園」を訪ねました。 江戸時代、防府の沿岸は「防長の三白」として塩づくりが盛んでした。 当時の「入り浜式塩田」が再現されていました。

 (写真)再現された「入り浜式塩田」

 





  塩は私たちの生活にかかせないものではありますが 健康面から日本 の厚生省は食塩摂取量の目標を1人1日10グラム以下としています。

 科学部では今回のテーマに向けて、塩分計を購入しました。そして、 身近な食品で測定を始めました。

 まず牛乳です。塩分は0、25パーセントでした。牛乳にも塩分はあ りました。

 次に気になるインスタントラーメンについて調べました。粉末スープも 湯に溶いて塩分量を求めました。

次に秋穂の海岸に出かけて海水の塩分を測定しました。秋穂の海水 1リットルから31グラムの塩が取り出せました。

 淡水の魚は海水では生きられなのでしょうか。実は金魚屋さんで塩を いれておくと病気が防げると聞いたので、どのくらいの塩水まで大丈夫 かと疑問に思っていました。そこで実験してみました。

  (写真)ヒブナは海水中で生きられるか。

   写真の右の水槽は淡水です。 水草で酸素は大丈夫です。左の水槽は塩分0、33パーセントの海水です。 それぞれの水槽にヒブナを入れました。










研究内容(方法、結果)
(方法)

食品に水を加えてミキサーにかけ、ガーゼで固形分をこしとって除き、水 溶液を塩分計で測定、同時に質量を測定して、塩分量を計算で求めます。


(結果)

(1)「食塩摂取量と発病の関係および食塩摂取量の実態と目標」

  もらった資料によると、北日本では食塩を多くとり、高血圧症の発生率も高くなっ ていますが、南日本、アメリカ、マーシャル諸島と低くなっています。高血圧症は成 人病につながり、脳卒中、心臓病、腎臓病、糖尿病、動脈硬化、痛風などこわい病気 を引き起こすそうです。各国の食塩摂取量目標はアメリカの5グラム、ドイツで大人 8グラム、子供5グラムなのに対して日本は10グラムと高めです。


























(2)「食品塩分の測定法およびポテトチップスと食パンの塩分量」

  ポテトチップス1袋の塩分は平均は0、34グラムでした。一方、食パン2枚は、 平均で0、96グラムで、ポテトチップス1袋の3倍に近い意外な結果でした。ポテ トチップスは塩が表面についているので、舌に塩辛さを強く感じるようです。食パン の隠れた塩分のことも注意しておく必要がありそうです。


























(3)「ラーメン、ねり製品などの塩分量」

  ラーメン1袋の塩分は4.1グラム、塩ラーメンでは7.3グラムと驚くべき量でした。 注意すべきはスープです。ラーメンの塩分の80%から85%はスープの中です。あのお いしいスープはすべて飲み干さない方が良さそうです。だしの素は少し多めで、2.7 グラムと3.1グラムでした。ねり製品では、ちくわ1.0グラム、蒲鉾1.4グラム、ウィ ンナー1.5グラム、ハム1.6グラムでした。


























(4)「飲み物などの塩分量」

牛乳1本の0.50グラムをはじめとし て、どれも0.5グラム以下と少ない量でした。 お酒には0.12グラム、ビールには0.50グラム含まれていました。スイカの塩分濃度は 0.08%、ある井戸水は 0.006%でした。



























(5)「川から海への塩分変化と生物との関係」

  まず秋穂の海岸で3.45%、周防大橋で2.35%、さらに手前で0.09%、小郡では、塩 分はゼロでした。さて、塩分3%の海水の中にヒブナを3匹入れると、平均7分で死 んでしまいました。淡水中のヒブナの生きているときの体の塩分を測定したら、0.03 %でした。マスやナマズは、優れた塩分調節機能を持っているので海にも川にも生活 できるのだそうですが、ヒブナは海水中では塩分調節できないようです。



























(まとめと今後の課題)

人の体は正常に働くために体液の濃度を一定に保ちます。塩、特に塩の中のナトリ ウムが重要だそうで、ナトリウムの量が多くなると濃度のバランスがくずれ高血圧症 になるのだそうです。健康な成人の最小の必要量は、尿や汗で排泄される塩分を考え ても、1日1グラム程度でいいのだそうです。健康のため、毎日の食生活を大切にし たいものです。これからも塩分計でいろいろなものの塩分について測定し考えてみた いと思います。 


参考にした書名


訪ねた場所


平成7年度 山口県科学研究発表会(山口県教育委員会主催)にて発表

(於:山口県教育会館)


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