ハイダラーバード・ビリヤーニ
Hyderabad Biryani

菜食料理紹介HPにはふさわしくない肉食番外編で失礼。
だけど、実は管理人にとってのインド料理の王様。
どんな料理もビリヤニの前では副菜です。
昔インドに住んでいた時は作り方を知らなかったけれど
帰国後、本を見たり人に聞いたりして20回ほど作ってみて、
ようやくこれでいいかなという感じになってきた。ふ〜

基本的にはイスラム料理なので、西アジアやアフリカでも
同じように作られているグローバルな料理です。


材料(およそ4人)

鶏肉 600グラム
バスマティ米   3合

(鶏肉の仕込み用)
 ヨーグルト 500gパックの1/3
 おろしにんにく 小さじ1
 おろし生姜 小さじ1/2
 キャラウェイ・シード 小さじ1
 赤チリパウダー 小さじ1
 ガラム・マサラ 小さじ1
 (カルダモン・パウダー 小さじ1/2)
 塩 小さじ1


(米仕込み用)
 カルダモン・シード 4粒
 クローブ粒 4
 シナモン 2カケ
 塩 大さじ4


(炊き込み用)
 タマネギ 中2個
 油(ギー) 60グラム
 青唐辛子 3本
 コリアンダー葉 1束
 (スペア)ミント葉 1束
 サフラン 小さじ1/2
 ミルク 100ml
 レモン汁 1個分

 塩

(ライタ)
 ヨーグルト 適量
 トマト 適量
 タマネギ 適量
 コリアンダー葉 適量

マリネしている



できあがり。

手順
鶏肉を適当な大きさに切って、上記の鶏肉仕込み用食材とマリネし、1時間以上常温でねかす。その間↓
サフランを少量のミルクに漬け色を出ししておく。次に、タマネギをみじん切りにし、油(ギー)でしんなりするまで炒める(グラインダーがあればペーストにする)。
色の出たサフランをみじん切りにして牛乳にもどしておく。また、コリアンダー葉、ミント葉をみじん切りにし、青唐辛子はタテに切り目を入れておく。
水に米仕込み用のスパイス3種を入れて強火にかけ、沸騰したところに米と塩を入れ、混ぜながら米が半分くらい茹であげる。その後、ゆで汁を1カップ残して米を(スパイスと共に)ザルにあける。
(第1層)タマネギを炒めた鍋の底に、1の鶏肉をマリネ汁ごとと入れ敷き詰め、その上に炒めたタマネギを広げる。
(第2層)第1層の上に、コリアンダー葉、ミント葉、青唐辛子、サフラン牛乳の半分、4のゆで汁を入れる。
(第3層)第2層の上に半ゆでの米を敷き詰め、その上に残りのサフラン牛乳、レモン汁、塩をまぶす。
フタをし、強火で加熱する。沸騰してぽっぽこ水蒸気が出てきたら、中〜弱火に変え、水蒸気がちょろちょろと出続ける程度を維持しながら約30分したら止める。この間、途中でフタを開けてみることはできません。(ツル女房・・・)
ヨーグルトに刻んだトマト・タマネギ・コリアンダーの葉を入れてライタを作る。出来上がったビリヤニを皿に盛って、ライタを添えたら出来上がり。

いくつかのポイント(多くてゴメンね)

 1 基本は米と同量以上の肉で作る。肉はマトン(APでは山羊のこと←暑すぎて羊は生きられない)が代表的ですが、ここでは管理人がやっているチキンです。また、米は出来上がりがパラパラにならなければ成功したとは言えないので、日本米は問題外。また、もしも全体で2キロ(肉1キロ、米1キロ)以上作る場合は、炊き込み時間は40分くらいは見た方がいいです。

 2 米はゆでる時にふやけた感じになったり糊が出たりしないように、しっかりと大量の塩を入れるのがコツ。また、米を鍋に敷く時に、すでに出来上がりのようにしっかりと塩味がついてないといけないので、ゆで汁を捨てることで塩が流れてしまったような時は、炊き込みのセッティング段階で塩を追加する。加熱の途中も後も「味を整える」作業をしないので(そもそもインド料理は味見をしない)、事前の塩分調節は大事。

 3 炊き込み用鍋は、できればよく手入れされたダッチ・オーブンで、フタが皿形にへこんでいるものがベスト。加熱する時にフタの上に炭をのせ、上下両方から加熱する。これがない場合は、厚みのある無水鍋やル・クルーゼなどなるべく重たいものを選び、フタの上に漬け物石などを置いて圧をかけます。

 4 フタに練った小麦粉などを貼り付けて完全密閉する場合は、鍋に入れる米のゆで汁を少なめ(カップ3/4程)にする。こちらの方が本格的な作り方だが、管理人自身の検討の結果、水蒸気を出す上のやり方の方がやりやすい、わかりやすい、教えやすい、と思ひました。出来上がりが近くなると水蒸気の量が減り、匂いが変わってくるのでわかる。ともあれ、水分調節は一番のネック。鶏肉やヨーグルトの水分、鍋の種類によって変わるので、自分なりのコツをつかむまでは試行錯誤。

知人宅にて、これから料理される山羊
スミに逃げ込んでいる。




数時間後・・・。

知る人ぞ知るシンガポールのAndhra Curryにて。
付け合わせの量の多さにびっくり。しかも安くておいしい!

 5 加熱中にフタを開けてみることができないので、ついつい心配して加熱しすぎて焦がしてしまったりする。その場合は鍋の下に一枚鉄板をおく。

 6 白いご飯はポイント。ご飯につくのは茹でた時のスパイスと肉マリネの香り(接触部分には色も付くが)、そして少々のサフランだけ。これをもっと徹底させるレシピもある。

 7 
街角のビリヤーニ屋さんに行くと、一緒に茶色のグレービーが付いてきます。これがあると、パラパラご飯をウェットな感じで楽しめる。ただ、レシピにはライタはあってもグレービーはないので、セットとしては考えられていないのかも。でも、できれば炊きあがりを待つ間に作りたいものです。(ウチはガス台一個なので苦しい・・・)

 8(上級者向け) 
炒めタマネギの半分だけをグラインダーでペーストにし、肉マリネに入れる。残りはそのまま鍋に投入。これはタマネギの舌触を良くし、かつ肉をよりよく下ごしらえするために、本当は欠かせない。管理人も一応やっていますが、タマネギ炒めを先にする分時間がかかるので、余裕があったらやりませう。
手の混んだムズカシイ料理という印象に反して、手順自体はいたって簡潔で、2時間以内にすべてが終わります。ばらばらの食材がひとつにまとまって行く感じは、作っていて気持ちがよく、またおっかなびっくりでどんなに失敗しても、必ず素晴らしく美味しくできます(=インド気分で涙が出そうになるの意)。完成された料理という感じ。これほど簡単で華のある料理はないと思ひます。あなたもビリヤニを愛する会に入りませんか。

やっぱり肉食後はこれよね。

*よもやま*
ずっと写真だけを見ていたハイダラーバード料理本をたまたま読んだら(!)、ハイダラーバード・ビリヤーニには約40種類があるらしい。肉を米の倍入れるのとか、肉や骨を取り除いて骨髄だけを入れて炊き込むものなど、どれも面白そうなものばかり。コリンガムの『インドカレー伝』にはムガル風のチキン・ビリヤニのレシピが載っており、ほとんどハイダラーバード・ビリヤニとそっくりなので驚いた。ハイダラーバード藩王国はムガル帝国の伝統を引き継いだ最後の宮廷がついこの間まであったわけだから、そんなこともあるのかも。とすると、残された謎はカシミール・ビリヤーニか。