そのまた1年後(9/10)

横断歩道に、ちくわが落ちていた。5本1袋の、よく見るタイプのちくわだ。

袋の口が開き、あるものは剥き身で道路に飛び出し、あるものは袋にとどまったままで、行きかう人や車の足元で、ゴロンゴロンと転がっていた。

私は、ちくわたちを踏まないように通り過ぎながら、なんて素敵な光景だろうと思った。
ちくわの中に生のいわしなどが入っていれば完璧だったが、そこまで気の利いたちくわはなかった。

感性を強く揺さぶられた夕方だった。



死んだようなメールフォーム

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1年後(8/26)

久しぶりすぎて、更新の仕方すら忘れていた。index.htmlのまあ儚いこと。

とにかく、ヤフーBBを解約してからサイトが消えていたことにすら気づいてなかった。でもそれはそれでよし。日はまた昇る。川は絶えず流れる。しかし私は変わらない。それもそれでよし。

最近は、道端にタンを吐きながら歩く中年男性に、後ろから追い抜きざまに「チッ」と舌打ちすることが爽快。これが日々の活力となり、刺激となっている。もし世の中の中年男性がみんなタンを吐かなくなったら、私の生活はさぞや乾いたものになるだろうと思う。オッサンのタンこそ我が人生、である。

ああ、タンがからむ。私自身のタンがからむ。声が裏返る。電話の相手が驚く。驚かれても困る。泣きたくなる。それでも朝はくる。更新をする。

S(9/5)

私は、Sである。「どっちかっていうとS」とかじゃなくて、はっきりと、胸を張っての堂々たるSである。

会社の女子社員:「旦那さんと喧嘩とかします?」
私(S):「しょっちゅう。たまに足が出たり」
会社の女子:「ええ〜旦那さんこわ〜い」
私(S):「いや、私が」
会社の女子:「・・・」

という具合の、Sである。

いや、それはSというのではなくただの暴力である、と言う人がいるかもしれないが、うん、確かにただの暴力である。

しかし、これはSがゆえの暴力性である。つまりそれは性癖という意味での肉体的S由来の精神的Sである。

つまりそれはややこしい表現をもってして煙に巻いてしまおうという思惑のSであり暴力性である。そんなわけで、私はSである。

私はSなりに、M型人間に非常に惹かれる。いじられ役の男子を見ると、キュンとなる。

いや、それはSというのではなくただの母性本能である、と言う人がいるかもしれないが、まあ、確かにただの母性本能である。しかし、これはSがゆえの母性本能である。つまりSはServiceのSでもあり、積極的のSでもあり、M型人間の情けない表情や「ごめんなさい」という言葉にワクワクして、さらに自分に屈服させたい、ああ屈服させたい、それなら私は痛めつけようという意図を持つこれつまり積極的サービス、と思うがSの思考回路。

というわけで、ややこしい表現をもってして煙に巻きたい私はMに惹かれるSなのだ。

そんなSの私は最近、ややSの夫から勧められて「脱衣ブロック崩し」というのにハマッている。女子の服にマウスでボールを当てるとあたった部分が脱がされて、ついにスッポン。さらにステージを進めると変な汁がボーナス放出。最終ステージでは変な触手に倍率ドン!っていうエキサイティングなゲームである。

これいいネ☆
ということで夫婦揃って毎日気持ち悪く遊び、服を剥かれ辱められる少女に坩堝的興奮を覚えている。

こうして小心者のSはもっぱら2次元でその欲望を満たす。それは現実世界の女王様の影でパラレルに進んでいく地味な世界。ソフトSMにさえ手を出せない気弱なSの世界。
隠れS。
あかんたれS。
どの世界にも光があり、陰があるのだ。
ということでS(私)は今日も2次元の中。

ただ残念なことに私は、動体視力と反射神経が人より些か鈍い。ゲーム中ボールを取り落としそうになる度に、マウス操作とは一切関係の無い足にまで力が入ってビクッと反応してしまうあたり、我ながらSながら、ちょっぴりかわいい?なんて思うS。



虫系企業(7/14)

今年初めてのゴキブリを見た。これもまた姫始めというのかどうか。

慌てて、ゴキブリを巣から根絶やしにしてくれるというコンバットを10箇所にわたって家のそこかしこに据え置いた。去年はこれでゴキブリ知らずだった。

しかし、考えてみればコンバットというのは悲しくて切ない商品である。効き目が無ければ売れない。かといって、実際に根絶やししてまったらやはり売れなくなる。企業としてもここは苦渋の決断だったに違いない。しかしキンチョーは踏み切った。ゴキブリ駆除に向けて金鳥の夏、日本の夏。

そんなキンチョー、私は素敵だと思う。本当は最近まで、コンバットはアース製薬だと思っていたけど、でもやっぱりキンチョーだね、と思い直した。キンチョーのHPを覗いてみると、「金鳥のあゆみ」というのがあって、1行目に「明治18 創業者・上山英一郎、米国植物会社社長H・E・アモア氏に面会、珍しい植物種苗の交換を約束 」と書いてあって、さらに素敵だな、と感じた。アモアって誰?という閲覧者の疑問など意に介さず、明治19年へとスラリと進められていくあゆみ。素敵だった。

その点、ゴキブリホイホイなんかはしたたかである。ゴキブリつかまえちゃうよ、という謳い文句で消費者を引き寄せ、しかもどれくらい捕れたか確認もできちゃうよ、という、人間の確認癖(ex.トイレ)までも利用して消費者の心をくすぐった挙句、でもここを通るゴキブリしかつかまえないよ、よけられたらごめんね、ということなのだ。

私もかつてはホイホイにお世話になったことがあり、わずか3箇所にして14匹かかっているという事実を相方から知らされたときはゾッとしてスッとしたのだが、かといってホイホイでは根本的な問題解決にはならない。

そしてこのホイホイこそがアース製薬の産物。なんてしたたかカンパニー、アース。ゴキブリホイホイ復刻版なんて商品化して、人の心をくすぐる術はよくご存知なしたたかカンパニー。

しかしアースのHPで、「アース製薬のここだけの話」に「20〜30代の社員に聞きました!」という項目があって、その中で25歳の男性社員が、「一緒に働きたい人」として「すぐヤル人、必ずヤル人、最後までヤル人」と答えていたのが印象的だった。わざわざ「やる」をカタカナにするあたり、アース製薬もちょっといいな、と思った。



守ってあげたい(6/15)

不愉快な光景を見た。
陽射しのきつい朝だった。
くすんだ人たちが目を細め、斜め下に軽く首を傾け、会社までの道をワラワラと進んでいた。
その中にまぎれて歩く、20代前半と思われる鮮やかな男女。カップルである。
そして間違いなく、ボケップルである。
その証拠に、男の方が手に持っていたファイルを女の頭の上にかざし、女の顔に日が当たらないようにしながら歩いていた。
ずっと。
ずーーっと。
ずっとだよ!

女が左を向けばファイルも左に、女が下を向けばファイルも下に。
さながらマウスポインタにくっついてくるお星様効果のように、そのファイルは女の頭の動きに若干遅れながらチラチラ、チラチラと動く。

不愉快である。
うざいである。
そのファイルはJAVAスクリプト記述済みか、それとも男の心はオゾン層か、それともその目は節穴か。洞穴か。じゃあ何の穴だ。

彼女を女優かなにかのように大事に扱うその姿勢、非常にうざいである。
女は弱いとでも。女はわがままとでも。女はともすれば「いや、こわぁい!」とか「ああ、お兄ちゃん、ダメだよぉぉ」とか言うとでも。そんなのは男の幻想、妄想、もしくは性癖。このうち、性癖である可能性は90%。

どころが女は強い。きっと強い。ああ強い。歩くのが早い女はだいたい強い。そして地上のほとんどの女は女優でもないし、本来わがままでもない。
だから、男は女を守る必要はない。むしろMでいたほうがいい。そして女を守るな。たとえ彼女が10キロの米袋を抱えていたとしても、手を貸すな。自然の恵みを背負って歩く女に手を出すな。アラー。

とにかく私は、若い甘ったるいカップルに対しては厳しい態度で臨んでいきたい。そして、守ってくれる男のいなかった青春時代をうやむやにしていきたい。
引越しを一人でやり遂げたこととか、うやむやにしていきたい。



美を失った女(5/17)

美とは、ルックス、スタイル、若さによるものである。

ところが残念無念、私の場合「ルックス」と「スタイル」が先天的な理由でポイント対象外となっている。 スーパーにおける「酒・タバコ」の位置である。むしろ、害になる場合もあり、注意の必要な位置である。

と、もともと美しさの要素の大半が決定的に欠けている私だが、 それでも現在までなお「若さ」という最後の武器に必死にしがみついてきた。 しかし寄る年波には抗えず、若ささえ近頃は微妙な年頃の女心に朦朧として、耄碌への道をまた一歩。そしてまた一歩。

と歩いていたら、犬にゆきおうた。
犬は突然、私にバッタリ飛びついたかとう思うと腰を激しく振りだした。 見てみると、これ結構なしゃくれフェイス。
斉藤洋介だ。

飼い主によると、洋介は若い女に会うと腰を振るのだそうだ。
若い女に腰を振る洋介。
洋介は若い女に腰を振る。

救われた。
私は洋介(犬・1歳・オス・しゃくれ)にとって若い女だった。

犬の年齢を人間に換算するには、4をかけた後16足すといいらしい。 ということは、洋介は現在20歳である。
ハタチである。
私は、ハタチの♂のストライクゾーンだったわけだ。
飼い主に「変態!変態!」と何度もののしられ足で小突かれながら去っていった彼。
私は彼のしゃくれの先までいとおしく思った。
そして同時に、私にはまだ「若さ」のカケラくらいは残っているんだ、美しさの全てを失ったわけではないんだ、と心穏かになった。



後日、私は知った。犬とは本能で生きている動物だということを。
つまり彼が腰を振る「若い女」とは、生殖用として利用可能な状態であるということ。
つまりそれは、生理が始まってからアガるまでの全ての女。
畜生。



最近の出来事2(4/18)

ここのところ更新頻度がますます下がっているのだが、それは仕事を探しているからだ。目下転職活動中。

ところがこの転職活動、まあ驚くほどうまくいかない。この前面接に行った会社では「当社ではもっと年下の人を想定していたのですが・・・」などと語尾を濁された。
自ら「28歳位まで」という応募資格を設けておいて、面接に呼んでおいたところにもってきて「もっと若い人を」とは何事ぞ。
履歴書の年齢欄をよく見て欲しい。
27歳だ。
ギリギリセーフやないか。

確かに、面接に来ていた私以外の女性は全て23,4といったところだった。初々しくて瑞々しくてまぶしかった。そんなウイウイした雰囲気の中で私は、多少「年上の人」だったかもしれない。

そういう事情に鑑みて正直、「もっと若いおなごがええのや」ということなのか。
年上事情に鑑みて正直「堪忍やで」ということなのか。

宙ぶらりんである。
「28歳です。ギリギリすべりこみで採用していただきました♡」という、入社後の自己紹介まで既に考えていた私のこの情熱。
世の中、若い女に甘すぎる。

そういうわけで冒頭に話を戻すが、なかなか更新できないのだ。ここで間違ってほしくないのは、決して新婚だから・・・とかそういうのじゃないということだ。そこのところはハッキリさせておきたい。

「新婚さんだからホームページなんてやってる暇ないよねフフ」とか思われるのはド心外である。
「新婚さんだからナニに忙しいんだろう」などというのもド邪推である。
今、世界で一番性欲がないと自負する私にとってそれは全くの妄想にすぎず、ナニがどうだというところである。

だからここで明確にしておきたいのだ。更新頻度が下がっているのは転職活動で忙しいから、ということを。

そして私が今、執拗なまでに「更新頻度が下がっている理由」を説明しているのは、ひとえに自意識過剰によるものである。
みんなが私を見てる!
年上の私を。



最近の出来事(4/8)

車を駐車場に入れようとしたら、20人ほどのオッサンが駐車場のそこかしこに車を停めさらしてワイのワイの大盛り上がりだった。
なんだ、何つながりだ。揃いも揃ってドカタっ気溢れるジャンパー、それはなんだ。

出所不明なオッサン達の車のせいで、私の車は停められずに道路に溢れている。非常に不愉快である。

さらに、ようやく一台分の駐車スペースが空いたと思ったら、その前に車がデン、と停まっている。どけんか、コラ。

と思ったら、その車の持ち主がオッサンつながりの若いスウェットニイチャンで、車の中にはその妻子と思われるヤンキー上がり風の女と赤子だけが座っている。超ビビる。

それで私、ビビリストの実力を遺憾なく発揮してみた。「どけてください」とは言えないので、ヤンキー車の後ろにぴたっと自分の車をつけ、「入りたいんですよ、私。入っちゃうよ?入れちゃうよ?」的な雰囲気を醸し出してみたのだ。が、醸し出しが弱かったのか、妻子は明らかにこちらに気づいている様子なのにその場を動こうとしない。

それまで弱気だった私もさすがにその態度にはムカムカきて、ウワァーってなってオラオラーってなってガリガリーっとやった。つまり、自分の車をボコンベコンに擦った。イチかバチか、ほとんどヤケで車をギリギリの隙間から進入させたら見事バチだったわけである。

車をガリガリ擦る私に集中するオッサン達の視線。
どうか見ないでほしい。

しかも擦り開始直後から、一つのスペースに駐車しようと躍起になっている私を尻目に、オッサン達はどんどん駐車場から車を出して行く。私の前からガンとして動こうとしなかったヤンキー車の旦那もやってきて、サーッと車を出して去ってしまった。駐車場には勢いでバチになってしまった私と車が立ち往生。なんなんだおい。

外では、まだ何人か残っていたオッサンの一人が私の車を指差してなにやら叫んでいる。分かっとんねん、へこんどんねん。車も私も。分かっててやっとんねん。
だからどうか見ないでほしい。

心身ともに疲れきって家に帰り、ああ、と擦り傷を見てため息をついていると、反対側のドアもいつの間にか擦っていることを発見した。ああ。どん底である。

そしてこのどん底の中、私は結婚した。

相手は足が猛烈に臭い男である。足が臭いことはすでに彼に表明済みだが、実は部屋の中で鼻呼吸を避けていることは秘密である。どん底である。