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2005.01.05更新                              目次へジャンプ

  大気汚染と立ち枯れ・樹木を救わなと災害から身は守れない

昨年の猛暑、多くの台風の襲来、そして洪水、温暖化の影響と考えられます。

温暖化の原因の二酸化炭素を減らすには化石燃料の使用を減らすことが最も効果的ですが、

一方で二酸化炭素を減少することも必要です。それには、樹木を沢山植林して、間伐材を

炭にすることです。樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収し、地中から水とマグネシウム、

カリウム、カルシウム、リン等の元素を吸収し、太陽の光で光合成をして大木に成長します。

樹木が枯れて腐敗すれば、元の二酸化炭素と水に戻ってしまいます。しかし、樹木を炭にすると、

温度を上げて炭化するために、一部は燃焼して二酸化炭素になりますが、残った炭は炭素の塊で

永久に自然界では、二酸化炭素に戻りません。炭の中には土から吸収した金属やリンが酸化物と

なって残っています。炭は、山に戻して撒いてやれば酸性になった土壌を中和し、金属は再び

樹木の養分となってくれます。残った炭(炭素)は、沢山の空間があるので水や養分を吸収保存

する倉庫や微生物の住家として、樹木の生長を助ける働があります。そして燃料として使用

すれば、二酸化炭素になりますが、その分、化石燃料の使用量を減らすことができます。

温暖化を防止できる樹木は、この2030年間で日本はもとより世界中で立ち枯れています。

北半球で発生したフロンガスが南極上空にオゾンホールを造ると同じように、世界中で休むこと

なく発電、暖房、自動車で燃焼を続ける化石燃料から酸性物質が排出され、酸性物質で汚染され

た大気は風によって遠くまで運ばれます。汚染源の無い、南米大陸の最南端のフェゴ島の

ナンキョクブナやニュージーランド南島の最南端で放置された牧場では、自然再生で生育した

ブナの幼木が立ち枯れて、見渡す限り白骨化しています。汚染物がいかに希薄であっても、

ゼロでない限り、風で運ばれた酸性物質は樹木や土壌に塗り重ね、濃縮と蓄積を繰り返し、

より濃度は高くなり、接触している物と反応して姿を変え、雨で川から海に流出するので

見落とされます。汚染物の排出規制がされて1/10になっても、前の10倍の時間が立てば、

その場に加わる量は同じです。栃木県太田市の金山城跡の立ち枯れマツの年輪は、中心の

1962年から1972年までは3mmから4mmの間隔であったものが1972年から1995年までは1mmから

0.5mmになり、1995年に落雷により周囲の1/5の樹皮を失っても2000年まで生きて枯れました。

樹木は嵐や庭木のように、毎年枝の半分も剪定されるような外傷、盆栽のように狭い場所でも

水や空気が良ければ、何十年も生き延びますが、葉や樹皮や根と全身のpHの変化、土壌の組成の

変化のような化学変化は、微量でも長期間にわたれば衰退を招き、枯死にいたります。

人間も外傷には強いが、大気汚染や僅かに汚染された水を長期間飲んで再起不能になります。

しかし、人間は自分で改善して生き延びていますが、樹木は移動も、改善も自分ではできません。

原因をつくった人間が、環境を改善し、これ以上の環境破壊を防止する必要があります。

  雨の中の成分や濃度、酸性雨が植物の葉から成分を溶出する様子、酸性雨が土壌を溶かす様子など、

  詳しく知りたい方は下の文献をご覧ください。

1)大森禎子、吉池雄蔵、岡村忍、岩崎岩次:ICP発光分析計による雨水の化学成分の濃度変化の測定、工業用水,No.415,20-33(1993)

2)大森禎子:分別採水した雨水中の金属元素の誘導結合プラズマ発光分析法による定量、分析化学,42,57-63(1993)

3)大森禎子、吉池雄蔵、岡村忍、岩崎岩次:分別採水した雨水中の金属元素および陰イオンの濃度変化とpHの関係、工業用水、No.430,9-20(1994)

4)大森禎子:酸性雨による植物からの金属元素の溶出、金属,67,197-206(1997)

5)大森禎子:樹木の立ち枯れ調査の簡易分析方法,分析化学,50,465-472(2001)

 

自己紹介

1929年茨城県生まれ 理学博士

東邦大学理学部化学科にて微量分析化学が専門

微量分析の研究実績から大気中や土壌を汚染する微量な元素を定量して因果関係を追求している。

また、植物の生育に関しても関心があり(自身でも菜園を持ち、野菜をつくっている)汚染物質から

いかに植物を守るか、育てるかについて研究、指導を続ける。

2005 大気汚染と立ち枯れの関係

2004 針葉樹と汚染

2003 硫酸イオン