Zaurus SL-C700 とモデム内蔵H"の接続

2003/02/03 初稿
2003/02/24 更新



はじめに

このページの目的は,Zaurus SL-C700 の オプションポート16を使いH"端末についているモデム機能 (九州松下製や最近の三洋製のみ)でダイアルアップ接続してみることです.

H"を使うなら CF型の端末を使う方が多いでしょうけど,電話機型の 端末につなぐ手段がMI系Zaurusと違い公式には用意されていないため やってみようかと思ったしだいです.幸いオプションポート16の仕様は 公開されていますし,カシオペアでつないでH"端末のモデム機能もおおよそ 把握できています.

以下の方法は,ハードウエアの改造が必須ですので機器が故障する可能性が あります.試す場合は,自己責任でお願いします.

技術背景

一部の九州松下製や最近の三洋製のH"端末は,モデム機能を内蔵しているため 単にシリアルで非同期通信するだけでダイアルアップ接続可能です. オプションポート16のシリアル通信機能を利用しSL-C700でダイアルアップ接続する ことが,ここでの目的です.接続ケーブルには,CE-PT3というMI系Zaurusの DDIポケットのPHSとのPIAFSで接続するためのケーブルを改造して使います. この手の接続でよく利用されているKX-HA10は使いません. オプションポート16については, SHARPのページを参照してください. また,H"端末のモデム機能についてはこちらを 参照してください. ここでは,それぞれの端子のピンアサインのみ示します.

ピン番号 名前入出力
1 PWR IN(+) -
2 PWR IN(+) -
3 SD Out
4 RD In
5 RS Out
6 CS In
7 DR In
8 GND -
9 USB D+ In/Out
10 WakeUp In
11 Vcc(3.3V) -
12 USB D- In/Out
13 (Reserved)
14 ER Out
15 PWR IN(-)
16 PWR IN(-)
オプションポート16のピンアサイン
ピン番号 名前入出力
1 DSR Out
2 GND -
3 CTS Out
4
5 RTS In
6 DTR In
7 DCD Out
8 RxD Out
9
10 TxD In
11
12
内蔵モデム機能時のαDATA側ピンアサイン

ケーブル(CE-PT3)の改造

ここでは,オプションポート16とH"のαDATA端子を接続するケーブルを作ります. ベースとなるのはCE-PT3です.主にコネクタを利用します.元々の機能のための IC(レベルコンバータとプロトコル変換用?)がありますが詳細が判りませんので, バッサリと基板をカットします.

完全に基板を取っていないので,8番ピント15番ピンがショートしています. 問題ないと思いますが,気になる方はパターンを切ってください. 次に,基板に付いている各色の線を外し,αDATA端子のどのピンにあたるか テスタで調べるなりαDATAコネクタを開けるなりして調べます. 参考までに写真の場合のパターンを書きますが,変更が十分あり得ますので 当てにしないでください.1が緑,2が茶,3が青,5が紫,6が赤,7が黒, 8が橙,10が黄でした.

さてαDATA端子とオプションポート16をつなぐのですが,信号の 論理が逆のようなので間にインバータを挟みます.できればCE-PT3のコネクタの スペースに押し込めたいので,74HC04AFなどの3.3V動作可能で表面実装タイプの 小さい物がよいでしょう.DIPのものでも足を切れば何とかはなりそうです. SL系のZaurusではVcc=3.3Vとなっていますので,電圧レベルがあっているため レベルコンバータは必要ありません. 描くまでも無いですが,回路図は下記のとおり。HxがαDATA側のピン番号で Zxがオプションポート16側のピン番号です.


回路図

回路図に従って配線すれば完了です.スペースが無いので基板無しの 空中配線となってしまいます.オプションポート16の端子の間隔が 狭いので隣とショートしないよう注意してください.ICの足は邪魔なので曲げて 配線した方が良かったかも.

文字抜け問題

配線チェックがすみましたら,うまく通信できるかシリアルターミナルソフト でチェックします.ここから minicomを入手し使いました.PHSはKX-HV210を使いました.ポートは /dev/ttyS0にあたります.“minicom -s”で転送レートを合わせて通信を 開始すると,PHSに接続ONのメッセージが出ます.ここまでは順調. 問題は次で,“ATI4”などコマンドを送ってやると,“X-HV210改行K”のように KとかOなどの文字が抜けて返ってきます.バッファオーバーフローでも しているのでしょうか? いろいろ試した結果,理由ははっきりしませんが CFスロットで何か使っていると文字抜けの現象は出ないよう.とりあえず 安いCFメモリーカードでも挿しておきましょう。回避方法は引き続き調査します.

PPP接続

さてPPP接続です. にゃののんさんの情報により,地球のアイコンクリックで接続する標準の方法 で接続できるようになりました. 接続先の設定などは,ネットワーク設定にてPPPダイアルアップ接続(赤外線)で作って おいてください.設定は,/etc/ppp/peers以下と/etc/ppp/chap-secretsやpap-secrets 等に保存されるようです.作った設定ファイルがどれか/etc/ppp/peersで確認します. “IRDA*”等の名前になっています.rootにて“IRDA*”ファイルを編集し, 接続デバイス“/dev/ttyS0”とDTE速度“115200”(PHSの設定と合わせる)を 先頭の行に追加 or 変更 or 確認します.これで地球のアイコンクリックで接続と 切断ができます. CUIの場合は以下のようにします.接続は,rootで “pppd call IRDA* &”を実行します.Qtopia で問題が出ないように,zaurus権限で “qcop QPE/Network "up()"”を実行します.停止は,rootで“/etc/ppp/ppp-off” を実行します.

おわりに

問題点は残っているものの,一応PPP接続できるようになりました.C700以外の SL系Zaurusでも動きそうですがどうでしょう? 課題は, 文字抜け問題の解明です.



質問等は,下記まで.
E-Mail:tedmiy@gol.com

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