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---「税務調査」--- 受ける側にとってはなんとも憂鬱な言葉です。でも、税務調査を受ける会社は一人前の会社の証しです。多くの税金を納めそれだけ社会に貢献している会社なのですから...赤字ばかり出している会社には10数年経っても全く調査はありません。
我々税理士は税務調査を受ける機会はめったにありません。しかし、私は10数年前に一度だけ税務調査を受けたことがあります。それは不動産等を売却したときのことでした。
申告をして数ヶ月後、税務署から電話が入りました。調査官の質問は「譲渡項目の中に"営業権"があるが、現在のわが国の商慣行では税理士業界においては"営業権"なるものは存在しないのではないか。」ということでした。
なぜ調査官がこのような質問をしたのか簡単に説明しますと、資産の譲渡でも不動産の譲渡と営業権の譲渡では税額が変わる(長期、短期の区分により。)からです。営業権を認めると税額が低くなるからです。
私は調査官に対し、「そうは思わない。わが国の税理士業界においても営業権という商慣行は当然存在する。」という見解を述べました。調査官は、「検討してみます。」ということで電話を切りました。
その後、税務署からの連絡はなく、この件は終わってしまいました。
税務調査もこれくらい簡単に終わればいいのですが、そうはいきません。近年は不況により黒字会社は3割程度で税収確保は難しくなっています。調査方法もこれぞと思う会社に狙いを定め、深く時間をかける傾向になっています。調査を受けるにあたっての準備、心構えをまとめてみました。ぜひ参考にしてください。


税務調査の準備、心構え
  • 税務調査を装って税務署に関係ない者が電話をかけてくる場合があります。その場合はこちらから電話をかけなおすなどして軽率に相手の質問に答えないこと。
  • 事前に連絡なく、突然の来社調査は任意調査の場合きっぱり断ること。
  • 調査官が来た場合、必ず身分証明書の提示を求めること。
  • 調査官に疑念を抱かせるようなメモなどは残さないこと。
  • 任意調査の場合、調査の前に税務署から連絡が入るので、会社側の都合、税理士の都合を検討して調査日時を決めること。その場合、担当調査官の名前は聞いておくこと。
  • 任意調査の場合、机の引き出し中、ロッカーの中、金庫の中などは調査官は勝手に見ることはできません。 かならず「見てもいいですか?」と聞いてきます。都合が悪ければきっぱりと断ること。
  • 代表者などの個人通帳の提示を求められる場合があります。任意調査の場合、都合が悪ければ断ること。
  • 調査官は経理に関係ないその他の従業員に直接質問することがあります。簡単に返答しないよう周知徹底しておくこと。
  • 微妙な問題を質問された場合は、その場で即答せず「調査の上、後日回答します。」と答えておくこと。
  • 調査官を迎える部屋には机、椅子以外余分なものはできるだけ置かないこと。
    調査官は周囲のあらゆるものに目を光らせています。
  • 書類は調査官が求めたものだけを提示すること。また、その書類の調査が終わればすぐにかたずけること。
  • 議事録、契約書など綴り込みしている書類は、綴り込みされているものをはずし、求められたものだけを提示すること。
  • 質問があったことだけを答えること。
    こちらから余分なことをベラベラしゃべると何気なくしゃべった一言から思わぬ事態に発展することがあります。言うべきことだけを発言するのが肝要です。
  • 現金残高は帳簿残高と実際残高があっているか確認しておくこと。
  • 反面調査は原則として断ること。
    反面調査は自社でその処理の正当性が立証できない場合などの場合に限ってできることになっています。
  • 修正申告に応じるのは慎重にすること。
    修正申告を提出すれば、後日不服があっても争うことはできません。
  • いわゆる「おみやげ」は準備する必要はありません。
    以前、税務署から問題点を指摘され、それを認めても税額が発生しない(繰越欠損金があったため。)のに税務署に対し抗議された社長がおられました。その会社は長い間、修正申告、更正などに縁が無かったからです。是認されるのが当たり前と思っていたからです。目標は申告是認にしたいものです。

枝野税務会計事務所

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