息子が幼稚園に入園した。
親元を離れ、彼はちょっとした旅に出た。

そして毎夜、
「今日は良いことあった?」‥僕たちがさりげなく尋ねる。

1日目は、「幼稚園で泣いちゃった‥」

2日目は、「明日で終わりかな?‥がんばるわ」

3日目は、「もう行きたくない‥!」

まるでグラデーションのように彼の言葉の色が変わっていった。

少し気になり、
早く起きた僕は一緒に幼稚園へ行った。
そして近づくにつれて、
握っている小さな手の力がギュッと強くなっていくのを感じた。

親父と一緒だったからなのか、
彼は気丈に幼稚園へ入っていく。

だけど、今日も泣いたらしい‥。

普段、子供と言う立場を利用して確信犯的な涙をみた時、
僕はこっぴどく叱る。

しかしコレは感情から溢れている涙なんだよね。
純粋に離れたくない!ってね‥。

泣けばいいよ。
たっぷりと泣けばいい。

いつか、その涙を忘れるだろうけど
その純粋な感情はいつまでも忘れないでほしい‥。

旅は始まったばかりなんだからね。

君の人生は、たったの3年生。
僕たちも親として、たったの3年生。
これからも手探りで歩いていこうよ。





創作徒然

30.  泣いたらいいさ   (2006.04.15)

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