犬越路避難小屋が完成しました

避難小屋の設計及び工事監理を行った 株式会社 エフ設計 代表取締役の藤川さんから避難小屋の
設計思想及び設備についてのメールを頂きましたので紹介いたします。

はじめまして、私は藤川好一(フジカワ コウイチ)といいます。

犬越路避難小屋についての投稿をみて、ひとことお知らせしたいなあっと思ってメールしました。

私は昨年、この犬越路避難小屋の工事監理をしました。工事期間中は登山愛好者の方々にご迷惑をおかけし

ましたが、平成17年12月9日、工事が完成し、やっと使えるようになりました。この避難小屋は私にとって、思い

出深い作品になりました。

実施設計は平成16年度に行いました。神奈川県自然環境保全センターの監修の元、

登山者のためのトイレ、休憩所、屋外施設、など自然にとけ込むように、過酷な環境に十分耐えられるように、

また、強風に耐えられる構造として設計を行いました。

既存の基礎は頑丈だったので、環境的配慮もありそのまま使用することにしましたが、トイレの位置決定において

は、消化層との関係でかなり大変でした。

特筆すべきことは、トイレは簡易水洗で、自然浄化式汚水処理システムを採用しました。

このシステムは消化層、土壌処理装置、貯留槽からできています。

洗浄水は雨を軒樋で受けて、その雨水をトイレの地下貯水槽に引き込み、雨水を保管します。

トイレ使用時にハンドポンプにて揚水し便器に流します。

何分にも少量の水です、なるべくきれいに使って頂きたいと願うしだいです。

 

サッシはアルミ、木複合サッシです。ガラスはペアガラスで外側は過酷な環境に耐えられるように強化ガラスになって

います。
 入口ドアーはトイレ共、自閉型スライドドアーです。

屋根はフッ素樹脂鋼板(ア)0.5 瓦棒葺き 下地に雨の音を吸収できるように耐火野地板(ア)18を貼っています。

軒樋はステンレス製で取付吊り金物は450ピッチで設置しています。
積雪で壊れないように頑丈にしています。

外壁と内壁は既存建物と同じく、杉板(ア)30、キシラデコール2回塗で、木の暖かさを演出しています。

最後に、設計者として山小屋の設計は最初で最後かもしれませんがとてもいい経験になりました。


    犬越路峠側から見た避難小屋          手前が避難小屋入口、奥がトイレ入口

  避難小屋内部(内壁杉材)             トイレ、右側のハンドルで水をくみ上げ流す
             
外壁は膨張収縮に対   サッシは内側木製二重ガラス  ドアは自閉型スライドドアー
応するため組み合せ   の緑の省エネマーク付
  
屋根の水は全て樋で集めて貯水タンクへ

写真は06年1月6日撮影に行ったのですが雪が降りしきり撮影できない部分があります。
後日再挑戦の予定です。(丹沢自然保護協会事務局)

避難小屋は無人ですが、ほったらかしになっているわけではありません。
自然環境保全センター、自然観察指導員など多くの方の努力で維持されております。
山へ行かれる時はビニールの袋を必ず持参して、トイレの紙やゴミを持ち帰りましょう。


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