本格中国料理 柏 麗園 

 

 本物だけが此処にある、それが全て。

 

 

「最近は宴会の献立も書けない料理人が多くなったなぁ・・・」

「麗園」オーナーシェフ永井料理長は大きな手で小さな筆を操り、見事な筆運びで今度の宴会の献立を書いている。

時々イライラしながら天井を睨み、腕組みをしてじっと目を瞑り、全身全霊で、メニューを考えている。

あるときを境に目の前に置かれた紙に一気に書き上げる、全て中国語である。

昨今「本格」をうたい文句にするお店は多々あれど、いったいどれだけの「本物」が世にあるのか。

一体「本物」とは何なのか?

此の道に入って、40数年、料理を極め、尽くしてきた永井料理長の作る献立には、料理をするものは本当に料理のことだけを考えていれば良いのか?という疑問がわいてくるほど、多くの意味を含み、奥深さがある。

北は北海道、南は九州までを渡り歩き、ここぞと思う料理店の門をたたき、ただただ学び、疑問を追いかけ、ついには中国本土に渡り、言葉を身につけ、字を覚え、人を知り、歴史を見てきた。

「料理人だけじゃないぞ、人は勉強しなきゃ駄目だな。一生学んでも学びきれないよ。だから休んでいられない。」

閉店後、夜10時過ぎ、シェフはいそいそと着替えて出かける準備を始めた。

「あ?今から知り合いの肉屋に行って枝肉(解体され骨付きのままになった状態の肉)をバラシに行くんだ。良いのが入ったって連絡があったからな。良いとこだけ分けてもらうには自分で切らなきゃな。」

多くのプロスポーツ選手、大手会社社長、から、近所のご家族、お年寄りや小さな子供までが、此処に食べに訪れるのは、此処なら、「本物」があると分かっているからだ。

「本物」の全てが此処にある。

本格中国料理 麗園