7−5.ジェット気流

 温度風のところでも説明した通り、水平方向の温度傾度が大きいところでは、高温側を右に見るような風が上空へ行くほど強くなります。気団の境界、つまり前線面付近では実際にこのような現象が起こっていて、対流圏界面付近に西風の強風域を伴っています。こうした気流の中でも、風速が30m/s以上に達するものをジェット気流といいます。ジェット気流は、3つ存在します。

  1. 亜熱帯ジェット気流
  2.  熱帯気団内に存在するジェット気流で、ハドレー循環とフェレル循環の境界に当たります。日本付近では、およそ北緯30°にあります。強風軸は、季節的な変動はありますが、日々の変化はほとんどありません。亜熱帯ジェット気流に伴って対流圏上層には前線が現れますが、地上までは達していません。

  3. 寒帯前線ジェット気流
  4.  熱帯気団と寒帯気団の境界に当たります。後に述べる傾圧不安定波と関係が深く、強風軸の南側に地上の前線が存在します。平均的には北緯40°付近に存在しますが、日々の位置変動が激しいです。

  5. 極ジェット
  6.  寒帯気団と北極気団の境界に当たります。日本付近の天候にはほとんど影響を与えません。

また、ジェット気流に伴って巻雲が現れることがあります。これをジェット巻雲といいます。代表的なものにはシーラスストリークトランスバースラインがありますが、とりわけトランスバースラインは晴天乱気流(CAT)を伴うことが多いです。

これまで、気団や前線、ジェット気流について述べてきましたが、それぞれ非常に関係が深い現象です。とりわけ日本付近の天気の変化で重要となるのは、寒帯気団と熱帯気団の境界−寒帯前線−寒帯前線ジェット気流の組み合わせです。相互に関連づけながら理解することが大切です。

 参考に上図に前線やジェット気流近くの断面の模式図を示しました。緑線が等風速線、赤線が等温線です。前線面をはさんで右側が暖気側の気団、左側が寒気側の気団です。