3−2.静力学平衡

 右図より、密度ρが一定であると仮定すると、微小高度差Δzの単位面積あたりの空気の重さはρgΔz。よって、次式が成り立ちます。


または、

 また、Δz→0の極限をとれば、密度ρが高度とともに変化している場合でも、次式が成り立ちます。

 この関係式のことを静力学(静水圧)平衡の式といいます。ここで、静力学というのは鉛直方向の加速度がない状態のことをいいます。積乱雲の中などの鉛直方向の加速度が大きい現象では、この近似が適用できません。しかし、大抵の大規模な現象は鉛直方向の加速度が0であるとしても、差し支えありません。

 具体的にこの式は、地上気象観測で気圧を海面(高度0mの)気圧に直すために使われたり、航空機の高度計などに用いられたりしています。

 ところで、状態方程式より


であるから、これを上記の関係式に代入して、

また、

が成り立つから(偏微分を参照)、

この式を気圧p1,p2間で積分すれば、

(ただし、Δzはp1,p2間の高度差、Tmは平均気温)

 この式のΔzのことを層厚(シックネス)といいます。層厚は気柱の平均気温に比例するので、層厚の値から平均気温を推定することができます。

 またここでp1の高度を0mにとる時、この式を測高公式といいます。この式を使うと、気柱の平均気温からある気圧の等圧面高度を知ることができます。