千葉市美浜区と稲毛区を結ぶ高規格道路「新港横戸町線」建設の記録。

新港横戸町線建設2011年

2011年月ごとの状況

2011年3月の状況

2011年6月の状況

■2011年の概況

2011年は前年に完成しなかった千葉港黒砂台線〜千葉大学付近の側道の工事が続けられ、4月26日に開通した。側道と並行して黒砂陸橋周辺の歩道の整備も行われ、地上部分に関しては年内にすべて供用が開始された。また、道路建設に伴う環境対策として沿道の各所に公園を整備する工事も開始された。
なお、3月には三陸沖を震源とする日本観測史上最大規模の地震である「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」が発生した。千葉市でも最大震度5強を記録し、ほとんどが埋立地の美浜区内では各所で液状化現象やそれに伴う家屋の沈下・傾斜、ライフラインの寸断が発生した。この地震による新港横戸町線の構造物の大きな被害はなく、被災した美浜区内へ物資を搬送するルートとして活用された。

●1工区
幸町側の沿道では公園の整備が行われた。また、黒砂陸橋の新設に伴い廃道となった旧市道幸町5号線はあすか交通(旧団地交通)車庫や歩行者専用道路への転用が進められた。
●2工区
黒砂陸橋南側では未完成だった歩道の橋桁架設が行われた。また、工区全長にわたり側道の歩道が完成した。
●3工区
前年に千葉港黒砂台線まで開通した側道を稲毛区役所方面に延長する工事が行われた。
●4工区
3工区と同じく側道の延長が行われ、側道に接続する生活道路の整理も行われた。また千葉大学に並行する旧文教通り(新港横戸町線の側道に吸収)では仮移転していた車道や埋設管類の復旧が行われた。
●5工区
敬愛学園前では側道と側道から本線に降りるランプの整備が行われた。

■新港横戸町線開通による効果

2011年2月に国土交通省千葉国道事務所より新港横戸町線開通による効果について発表があった。要点をまとめると以下のとおりである。

(1)臨海部〜内陸部の所要時間が大幅短縮
新港横戸町線開通により、臨海部(新港)〜内陸部(穴川)がほぼ直線でショートカットできるようになったため、この間の所要時間が大幅に短縮された。具体的な数字を見ると、国道14・357号線(運輸支局入口交差点)〜京葉道路穴川IC間の所要時間が12分から7分へ5分短縮された。また、トラックなどの大型車両は稲毛区内の細い市道の通過が禁止されており、新港の工場から穴川ICへ向かう場合、国道126号線などを経由して大幅な迂回を強いられていたが、新港横戸町線の開通によりこの部分をショートカットできるようになったため、所要時間は23分から9分へ実に14分もの短縮が実現した。

(2)都心部への大型車の流入が大幅減少
臨海部と内陸部を行き来する車が新港横戸町線を利用するようになったため、千葉駅など都心部へ流入する自動車交通も減少した。各箇所とも交通量は平均して10%程度減少しており、中でも大型車に関しては上記した理由から軒並み30%前後の減少となり、市中心部の交通環境が大きく改善された。

(3)救急搬送の所要時間が短縮
千葉市の第三次医療機関は美浜区磯辺の市立海浜病院である。この海浜病院がある臨海部と内陸部が新港横戸町線でショートカットされたことにより、市全域から海浜病院までの救急搬送にかかる時間が平均して2分短縮された(35分→33分)。救急搬送は病状によっては1分1秒を争うこともあり、市民生活の安全性向上に大きく貢献した。

このように新港横戸町線は市民生活の快適性向上に大きく貢献したことが判明したわけだが、一方で穴川以東の交通容量不足は極めて深刻で、朝夕を中心に激しい渋滞が発生している。このため、開通直後から穴川付近の信号切替のタイミングの調整が続けられている。当初計画されていた穴川十字路以東へのアンダーパス延長の早期完成は困難であるため、短期的な対策としてITS(高度道路交通システム)などを併用しながら、引き続き渋滞軽減を図っていく方針となっている。