千葉市稲毛区にある「市立千葉高校」全面改築工事の記録。

市立千葉高校と改築の概要

■市立千葉高校の概要

千葉市立千葉高等学校(以下、市立千葉高校)は千葉市稲毛区小仲台にある。普通科・理数科(いずれも全日制)2つの課程があり、普通科は7学級(定員280名)、理数科は1学級(定員40名)となっている。進学校として位置づけられており、近隣にある千葉大学で行われている授業の受講などが行われているほか、2007(平成19)年からは大学進学を前提とした単位制課程に移行している。また、2002(平成14)年から5年間に渡り、文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(Super Science High School:SSH)」の指定を受け、国からの補助の下、主に理数科において科学技術に関するハイレベルの教育が行われた。(公式Webは「リンク集」から。)

■突貫工事の弊害

クリックすると新しいウィンドウで拡大表示します。左:改築前の市立千葉高校正面玄関(クリックで拡大)

市立千葉高校は1959(昭和34)年2月の臨時市議会で設置が決定され、「市立高校」としてその年の4月という異例ともいえる早さで開校した。(その後美浜区に市立稲毛高校ができたため「市立千葉高校」と改称された)この期間で校舎の建設は間に合うはずもなく、開校から2年間は隣接する市立小仲台中学校の校舎を間借りすることとなる。これは当時の時代背景が大きく影響している。昭和30年代はいわゆる“団塊の世代”が一斉に学齢期を向かえ、全国どの学校でも1教室に50人以上詰め込み、それでもなお足りない教室は仮設校舎で辛うじてまかなっていた時代である。高校に関しては教室数以前に学校数自体が圧倒的に不足している状態で、時代の要求に応える形で急遽建設されたというわけだ。
限られた予算内でできるだけ多くの教室数を確保するため、普通教室の入る校舎は4期に分けて建設された。しかも、細かい設計をつめている暇などはなく敷地も傾斜地で面積が限られていたため、同時期に建設が進んでいた小学校の校舎の設計をそのまま流用しており、高校生の体格には窮屈そのものであった。しかも、それを補う形で校舎以外に特別教室用の校舎を矢継ぎ早に増築していくこととなり、結果として学校とは到底思えない迷路のような構造となってしまった。
問題はそれだけではない。あまりに突貫工事を進めたため、校舎の耐震性に関して問題があると指摘されたのである。それ以前にも傾斜地であるにもかかわらず地盤改良や基礎の打ち込みが不完全だったり、校舎壁面の無数の亀裂や雨漏り、さらには建物自体の傾きも見られたことから生徒・教職員の間では危険であると認識されていた。「震度4の地震で崩壊」「(勿論冗談として)地震の時は校舎内にとどまるより窓から飛び降りたほうが安全」とまでいわれていたほどである。また別件として、この敷地は太平洋戦争中陸軍高射学校として使用されていたため、防空壕などの施設の一部が地下に残存しており陥没の恐れがあるとも言われていた。これらはあくまで噂として語られ続けていたのだが、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災後の耐震診断(図面を基にした強度解析・コンクリートコア抜き調査など)により建物の強度に関しては実際に不足していることが明白となった。

■改築へ

クリックすると新しいウィンドウで拡大表示します。左:工事中柵に掲示されていた完成予想パース(クリックで拡大)

耐震性確保の対策は現在の建物の補強と全面改築の両方が検討されたようだが、前者は築40年を経過したコンクリートの強度の問題やただでさえ狭小な教室に柱を追加することは居住性の面で著しく不利となるため断念され、全面改築に決定した。校舎本体の改築は2005年4月(ただし、実際に着工したのは夏頃)から2008年3月の3年間かけて行われ、地盤造成を伴う大規模なものとなるため工事期間中は稲毛を離れ、美浜区若葉(海浜幕張地区)の旧幕張三高(県立幕張北・東・西高校)の校舎を仮校舎として利用した。(このため、「3年間稲毛の校舎に1度も通わない」という生徒も出ている。)
そして、校舎本体の改築は予定通り2008年3月末に竣工し、4月から新校舎での授業が開始された。一方、工事の作業基地となっていたグラウンドの一部は片づけが残ったため、全ての施設の完成は10月頃までずれ込むこととなった。

以下、市立千葉高校改築事業の進捗について2005年4月から完成までほぼ毎月記録した結果をお送りいたします。年ごと、月ごとにページが分かれておりますのでご覧になりたい物をクリックしてください。なお、2006年ごろまでは携帯電話のカメラを使用していたため、写真の画質が悪くなっております。ご了承ください。

市立千葉高校建替え 着工前〜完成までの軌跡

着工前(2005年3月以前)

2005年4月からの状況

2006年の状況

2007年の状況

2008年の状況

校舎見学会(2008年4月19日)

幕張仮校舎(2005年4月〜2008年3月)と跡地開発計画の概要


<参考:市立千葉高校改築工事概要>
●工期
2005年4月9日〜2008年10月31日
●総工費
73億円(朝日新聞の報道による)
●関係業者一覧
・設計:佐藤総合計画
・施工(解体・造成):戸田・小梛建設JV(共同企業体、以下同)
・施工(校舎)
 建築:熊谷・安藤建設JV
 電気:小峯・千葉電建JV
 給排水:伊藤・春日建設JV
 冷暖房:田辺・株木建設JV
 ガス:東京ガス
 エレベータ:東芝エレベータ
 太陽光発電:滝口電気
・施工(部室)
 建築:熊谷・安藤建設JV
 電気:安藤電気工事
 給排水・換気:清宮興業
・施工(外構):東急・小梛建設JV
・施工(植栽):エースフェイス
・施工(駐輪場):黒砂工務店