柄付鎌砥石を作る 2009/7/14
【もくじ】
鎌砥を直接持つ方法
材料
柄の加工
接着
完成

柄の加工(丸棒)
柄の加工(角棒)
使用した道具
製作した砥石一覧

天草砥石
ニュー大村砥
【参考リンク】
ニューレジストン株式会社(NRS) > 砥石の基礎知識
西山商会 > 鎌(かま)・鉈(なた)のお手入れ方法
株式会社ホウネンミヤワキ > 鎌の研ぎ方

【参考文献】
秋岡芳夫『木工指物技法』 1993 美術出版社
佐藤庄五郎『図解木工技術』1956 共立出版社
鋭利な刃物を扱う作業となりますので、作業環境の整理整頓と安全確認を十分に行ってください。
【さまざまな鎌の研ぎ方】
・黄色の矢印のように刃に対して直角に動かす方法(左画像)
・刃に沿って斜めに砥石を動かす方法。
・砥石を固定して鎌を動かす方法。

より安全な研ぎ方を思案した結果、砥石に柄(え)を付けるという方法にたどり着きました。このページでは、百円ショップで入手できる安価な材料を用いて自作する方法をご紹介しています。
用意する材料は3点です。
・砥石 GC系荒砥(グリーンシリコンカーバイド)
・2液混合型エポキシ接着剤
・木の棒 (めん棒など)
百円ショップで販売されている2液混合型エポキシ接着剤です。

A剤、B剤合計で20g入りです。

一連の作業で砥石5本を接着し、3割程度の残量があります。あと2〜3本は作れるかもしれません。
エポキシ系接着剤はホームセンターでも入手できます。

左の「ボンド Eセット」は90分で硬化開始、実用強度10時間後という性質です。

【コニシ エポキシ接着剤】
クイック5 5分で硬化開始、実用強度40分後
クイック30 30分で硬化開始、実用強度60分後
Eセット 90分で硬化開始 実用強度10時間後
百円ショップで販売されているGC系砥石です。これは2009年7月に1つ100円で入手しました。
百円ショップでは様々な砥石が販売されていますが、製品によって扱いやすさにばらつきがあるようです。砥石が固すぎて刃に食いつかず滑ってしまうものがありました。これは、結合材が強過ぎて新たな砥粒が出てきにくいのかもしれません。

また、細かい砥粒に粗い砥粒が混じっているような砥石もありました。この場合、通常の荒砥ほどの研削力はなく、かといって傷が入ってしまうので仕上げ砥にもなりません。
百円ショップのグリーンシリコンカーバイド(GC系)砥石に関しては数年前から使用しています。パッケージやサイズの変更はありましたが、砥石の性質そのものに大きな変化は見られないようです。

砥粒の種類につきましては、ニューレジストン株式会社砥粒の種類をご覧下さい。
柄を加工していきます。

丸棒なので接着面を鉋(かんな)を使って平らにします。
鉋(かんな)が無い場合は、はじめから平面がある角棒を使う方法もあります。

※左の画像は撮影のために鉋を左手で支えています。実際にはこのようには持ちません。
平らになりました。
柄の末端は鑿(のみ)で角を落としておきます。
A剤、B剤を同じ量だけ取り出し、付属のへらで混ぜ合わせます。
砥石側、木材側の両方に接着剤を塗布します。

適量を均一に塗り広げると接着剤を無駄なく使えます。
位置がずれない程度の強さでクランプで固定しておきます。
念のため半日から1日置いておき、接着剤が完全に硬化して完成です。
柄があることで安心して研げるようになりました。
株切鋏という太い枝を切るための鋏も研ぐことが出来ます。これはWA#400砥石で作ったものを使用しています。
柄を付ける長所として、砥石が薄くなるまで使えるという点があります。

また、砥石が限界まで消耗して薄くなってしまっても、柄は再利用することができます。叩けるタイプのスクレーパーを間に差し込んで金槌で軽く叩くとパリッと砥石が剥がれます。
砥石の中央が減りがちですが、中央が凹んでいると研いだ刃が鋭さに欠ける「丸刃」になりがちです。そこで平らなコンクリートでゴリゴリやると平面が出てきます。

砥石の表面をまんべんなく使えるようになると、こうした修正も最小限で済むようになります。
角棒・丸棒を鉋(かんな)で加工する
秋岡芳夫『木工指物技法』 1993 美術出版社 で紹介されていた治具を手持ちの材料で作ってみたものです。
90度角のV字溝とストッパーから成っています。
ツーバイフォー材(SPF材)を使い、変更を重ねてきた作業台です。
丸棒を治具にセットします。
鉋(かんな)で丸棒を引き、D型の断面に加工しました。
鑿(のみ)と金槌で柄を丸めます。
ヤスリなどを使って丸める方法もありますが、このようにスパッと落としてしまう方法もあります。
鉋で角棒を多角形に加工する
端材置き場にあった角棒です。汚れで黒くなってしまっています。
角棒を溝にセットし、鉋(かんな)で角を落としていくと8角形になります。

さらに一つ一つの角を落としていけば16角形になり、続ければ円になっていきます。
変形6角形から正8角形に連続的に変化する棒にしてみました。
鑿(のみ)で角を落とします。
鉋(かんな)を使うと大きな音が出ず、細かい粉塵も出ないのがありがたいです。
柄の加工が終わりました。
ダイソーの2液性エポキシ接着剤を使って接着します。
天然砥石は高額というイメージを持っていましたが、天草砥石の鎌砥サイズが252円で販売されていました。

研ぎ始めは刃に食いつく感触があります。次第にツルツルと滑るような感触に変化してくると刃先が研ぎあがっているという具合です。

<参考リンク>
天草宝島 > 天草砥石 > 天草砥石って何?
ナニワ研磨工業株式会社の「高級鎌砥石 ニュー大村砥」です。品番はIR-1000、サイズは133x40x25、MADE IN JAPAN と表記されています。価格は280円でした。

Amazon.co.jp(IR-1300 大型)によると、「天然調の人造砥石」と説明されています。(左のIR-1000はこちら)

一般的なGC砥石は刃がかりが良い代わりに砥石の消耗・変形が激しいという傾向があります。しかし、ニュー大村砥は刃のかかり具合は普通ですが、砥石の消耗・変形もそれほどでもないという中庸な性格に感じました。
使用した道具です。
・替刃式ゼットソー265(バクマソー)
・ほうき
・クランプ
・巻き尺(コンベックス)
・15mm鑿(のみ)
・金槌
・鉋(かんな)
他にも実験的に作ってみました。
・キング 鎌砥石 K-35 #800 を接着したもの。

・キング コンビカマト K-40 を分割し、間に柄を接着したもの。
GC#250側で荒砥ぎし、そのままひっくり返して#1000で仕上げ研ぎができます。
荒く使う鎌の場合はGC#300で研ぐだけで済まし、丁寧に仕上げる場合はさらにWA#400で仕上げています。

刈り込み鋏などの場合はWA#400で研ぎ始め、#800で仕上げるという使い方をしています。

最近は鎌をナニワ砥石製「ニュー大村砥」で研ぎ始め、「天草砥石」(あまくさ)約#500で仕上げるのも気に入っています。

TAKAよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2009/7/14
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