椎茸(シイタケ)ほだ木 回転スタンド  2006/2/23製作
椎茸(シイタケ)を栽培するための「ほだ木」がホームセンターや農協、森林組合などで販売されています。販売されている「ほだ木」には、既に菌が打ち込まれたものと、これから菌を打ち込む必要のあるものに分けられます。

菌が打ち込まれていない「ほだ木」には、ドリルで穴開けして打ち込む必要があります。市販されている菌は直径8mm前後、長さ20mm程度の円柱の形をした木片に含ませてあります。これを埋め込むためにドリルで「ほだ木」に穴を開け、その穴にトンカチで叩き込むという作業があります。

なお、「菌」のサイズは製造メーカーによって各種あるようです。「菌」の取扱説明書には穴のサイズが明記されているので、使用するドリルビットを選ぶ際にはお気を付け下さい。

「ほだ木」への打ち込み方の概略です。時計で言う12時、3時、6時、9時の4列に、一列あたり5〜6個前後打ち込むそうです。つまり、「ほだ木」一本あたり4列x5=20個、もしくは4列x6=24個打ち込むことになります。

1本で20〜30個打ち込むことになるので、例えば10本ともなると200〜300箇所に穴あけすることになります。また、ほだ木は一定の周期で朽ち果てて減っていくので、毎年収穫を得るには「ほだ木」を定期的に補充する必要があるそうです。
穴あけ・打ち込み作業を省力化できないものだろうか・・・と考えて作ってみたのが、この「椎茸スタンド」です。

新たに購入した材料は無く、手元にある木っ端や材料を使ってプロトタイプを作ってみました。
特に難しい作業も無く、60x60の角材とコンパネ(12mm厚合板)を「コーススレッド」という、建築用に使われる木ねじを使って組み上げました。

キャスターは手元にあった車輪径38mmのものを使いましたが、より直径の大きいキャスターの方を使う方法もあります。
車輪と車輪の間隔は100mmにしました。間隔が近すぎると「ほだ木」が転がり落ちる可能性があります。かといって間隔を取り過ぎてしまうと、細めの木では車輪と車輪の間に落ちてしまう恐れがあります。
このキャスター(直径38mmx幅17mm)は一つ百円前後で販売されており、4つで400円弱となります。
「ほだ木」を載せてみましょう。
二つのキャスターの間に「ほだ木」が挟(はさ)まるような構造となっています。
車輪の左右間隔は450mm前後です。ほだ木の標準的な長さは900mmなので、全体の1/2を支えていることになります。
「ほだ木」を立てかけた状態でも穴開けすることは出来ますが、倒れてしまう恐れもあります。
この台を使用すれば、片手だけで「ほだ木」を回転させることができます。
回転させては穴を開け、90度回転させては穴を開けというように、作業を連続して行うことができます。

また、ドリルを下向きにして穴開けすることになります。これは、「力を加える方向」と「重力の方向」が一致するので、ドリル本体の重さを利用することができるというメリットがあります。

水平方向では、ドリル本体の重さを支えつつ前方に力を加えるということになり、下方向へ向けるよりは負担が大きくなりがちです。
簡単なメモを掲載しますので、もし宜しければお作りになってみて下さい。

要所要所に寸法を記載してありますが、必ずしもこの通りに作る必要はありません。用途や作業環境に応じて適宜変更なさってみてください。


なお、ほだ木がクルクル回転するので、ドリルを扱う際は細心の注意をお願いします。また、ほだ木の回転を押さえるブレーキ機構を追加すると安全かもしれません。
使用した道具です。

◆替刃式ノコギリ「ゼットソー265」
◆松下電工ドリルドライバEZT108
◆ジャンプ「最適カンナ j50」
◆30cm直尺
◆32mmコーススレッド 6本(合板・台座固定用)
◆10mm前後の木ネジ 16本(キャスター固定用)
◆鉛筆(ケガキ用)
今回は手元にあった直径38mmのキャスターを使用しました。本来はより大きなものの方が動きはスムーズになると思います。ただし、あまりにも抵抗の少ない動き方になってしまうと、穴を開ける時に安定しにくいということになるかもしれません。
通常のドリル刃でも作業自体は可能ですが、「しいたけビット」という専用品もあります。ストッパーが付いているので深さについて気を使う必要がありません。また、先端が螺旋(らせん)状になっているので、低回転のドリルでも食い込み易くなっています。

なお、しいたけビットには各種サイズがあります。「菌」のサイズにあったものを購入しましょう。
株式会社スターエム製「しいたけビット」No.41Xです。インパクトドライバでも使用できるように、取り付け軸が六角になっています。もちろん一般のチャック式ドリルにも使用できます。

日立工機株式会社より「椎茸ドリル DW12」「DW12SA」という電動ドリルが販売されています。これと一般的な電気ドリルと何が違うのでしょうか。

カタログによると、もっとも大きな違いは「回転数」にあります。一般的な電気ドリルは1,000〜2,500回転/分前後です。ところが、この椎茸ドリルDW12は8,000回転/分、DW12SAは10,000回転/分という、一般的なドリルの4〜5倍の回転数となっています。

管理している「ほだ木」が数百本ともなれば専用ドリルが役立ちそうですが、数十本というレベルでは通常のドリルで十分対応できそうです。
<手袋について>
軍手は回転するものに絡まりやすいという危険な面があります。電動ハンドドリルで軍手を巻き込まれ、手に大きな怪我をしたという話を聞くこともあります。ピッタリした皮手袋であっても巻き込まれる危険はありますが、軍手よりは危険度が少ないのかもしれません。

また、軍手は紐を細かく編んだような構造になっているので、編目から尖ったものが容易に貫通してしまいます。植物の固い棘(とげ)がブスッと手に刺さることもまれにあります。

さらに、軍手は滑りやすいという点もあります。シャベルを握って作業していると、滑り易いので余計に力を入れる必要があり、いたずらに握力を消耗してしまいます。(ゴムの滑り止め加工がされた軍手もあります。)

良い手袋はないだろうかと試行錯誤してきましたが、土木作業系では牛皮で厚すぎず薄すぎず、しなやかなものを使っています。牛の床皮でありながら適度な厚さと「しなやかさ」のある製品は数少ないのですが、左の「PRO WORKプロカワテNo.141」は条件を一応満たしているようです。価格は一組400円前後です。

安価すぎるものは皮がカチカチのゴワゴワで大変です。かといって、一組1,000円前後する「高級牛皮」を使用したとされるタイプは非常にしなやかで手にフィットするのですが、指先にあっさり穴が開いてしまうものもありました。今現在もワークショップやホームセンターに行く度に、手袋コーナーをチェックするようにしています。

2006/3/29 実際に使ってみよう
では実際に使ってみましょう。上記の充電式ドリルドライバEZT108で菌を埋め込むための穴を開けようとしましたが、2つの問題がありました。

一つ目めはバッテリーの容量の問題です。シイタケビットを使用し、ほだ木を数本分、100箇所前後の穴あけをすると、回転数が落ちてきてバッテリー切れの傾向が現れます。

約2年間使用しているバッテリーなので劣化が考えられますが、新品のバッテリーだとしても10本(250〜400箇所)できるかできないかというレベルだと思います。

二つ目は効率の問題です。AC100Vのドリルならば引き金スイッチを握りっぱなしにし、ドリルを回転させたまま「ズボッ、ズボッ・・・」と連続して穴あけ可能です。しかし、充電式ドリルドライバの場合、バッテリーの消耗を避けるためには回転させている時間を極力節約せねばならず、断続的にスイッチを操作する必要があります。また、回転数も1,000rpm前後と物足りません。
そこでAC100Vドリルを取り出してきました。日立工機の木工用ドリル"D-10C"です。出力380Wとパワーは十分なのですが、回転数が1250rpmと少なめです。

これは低回転で使用する木工用キリを想定して作られており、回転数よりもトルクを重視しているためでしょう。

回転数が低いため、パワーは十分でも一箇所の穴開けに掛かる時間が比較的長く掛かります。

長く掛かるといってもほんの数秒ですので、数本のほだ木の穴開けならば十分なレベルです。
次に取り出してきたのは日立工機 変速ドリル"D10VH"です。出力540W、回転数2,500rpmというスペックです。
最高回転数2,500rpmでは、面白いようにスポスポと穴が空いていきます。

ほだ木を数百本管理するような農家の場合は、やはり専用の日立工機 "椎茸ドリルDW12"(8,000rpm)が向いていると思います。しかし、ほだ木が数十本レベルまでならば、D10VHのような通常のドリルが多目的に使えて便利かもしれません。

農機具収納スタンド
シイタケとは直接関係ありませんが、農機具の収納スタンドを作りましたのでご紹介させて頂きます。

鍬(くわ)や草刈鎌などの長い棒状の道具は嵩張るので、使いたいときに素早く取り出せるような収納方を思案していました。

今のところの到達点としては、80mm間隔で長い木ネジ(90mm前後)を打ち込むというものです。木ネジは完全に打ち込まず、20〜30mmだけねじ込み、残りの60〜70mmが飛び出ている状態にします。
こうすることで、立て掛けたとしても一箇所に集まることなく、それぞれの場所に落ち着いてくれます。

難しい加工は特にありません。
一枚1,000円前後で販売されている1800x900の合板、1本250円の2x4材(38x89x1800)、替刃式ノコギリ(ゼットソー)、建築用木ネジ(コーススレッド)などさえあれば製作可能です。
<Takaよろず研究所内の関連リンク>
ドリルドライバ、インパクトドライバ、電気ドリルの違いについて

TAKAよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2006/2/23製作
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