「ドリルドライバ」と「インパクトドライバ」の違いについて   2006/2/17
「ドリルドライバとインパクトドライバの違いは何でしょうか?」という質問が日曜大工関連の掲示板でよく見られます。

ホームセンターの新聞折込広告には、「特価 ドリルドライバ 9,800円 インパクトドライバ 19,800円」というような特売セールが記載されている時もあります。

しかし、電動工具に普段接する機会の少ない方にとって、「ドリルドライバって何だろう」「インパクトって何だ?」という疑問をお持ちにかもしれません。

そこで今回は、ドリルドライバ、インパクトドライバ、電気ドリルについてご紹介していきたいと思います。

充電式とAC100V式の長所・短所については、2x4材を利用したベンチ製作に掲載しています。
<動画での解説>
リョービ株式会社 > パワーツール > 商品紹介動画

<参考文献>
『日曜大工の新常識』藤岡等 2001 山海堂
『DIY工具完全活用ブック』藤岡等 2003 山海堂

<インパクトドライバとドリルドライバなどについて解説なさっているページ>
VIC Ohashi氏の運営による VIC's DIY電動ドライバの選択
へのへのマン氏運営による 1DIY道具.COM の コード付きインパクトドライバ
<参考にさせて頂いたページ>
日立工機株式会社
株式会社マキタ
松下電工株式会社
リョービ株式会社
ボッシュ(株)
<Taka研究所内の関連リンク>
■電動工具関連
日立工機 変速ドリルD-10VH
松下電工ドリルドライバー EZT108 
2x4材を用いたベンチ製作(日立工機 FWH10VA)

お選びいただく際のヒント 〜個人的な使い分け方〜 2006/2/19補足
名称 2.4V小型ドリルドライバ 12Vドリルドライバ AC100Vインパクトドライバ 電気ドリル 手回しドライバ
製造会社・名称 松下電工・EZT121 松下電工EZT108 日立工機FWH10VA 日立工機D10VH -
最大トルク 2.2Nm(0.2kgf/m) 16.7Nm(1.7kgf/m) 88.3Nm(9kgf/m) - ?
実勢価格 5,000円前後 10,000円前後 20,000円前後 12,000円前後 300〜700円
小さな木ネジの締め付け(3mm以下) ○〜△  ※1 -
カラーボックスなどの組立家具 ※3 ○〜△ ※2 - ◎〜○
2x4材を利用した家具・ベンチ製作 ×〜△ - ※4
2x4材を大量に使用したウッドデッキ製作 × △〜○ - ×
木材への穴あけ △〜× -
金属への穴あけ × ○〜△ -
<補足・解説>
※1 インパクトドライバで3mm以下の木ネジを締めることは一応可能です。しかし、小さなネジに対して過剰にパワーがある状態なので、引き金の操作を慎重に行い、「締め過ぎ」や「ネジ頭の潰れ」に注意する必要があります。 ※2 カラーボックスなどの組立家具は既に下穴が空いており、材質もそれほど固くありません。手回しのドライバでも十分組立が出来るほどなので、10kgf/m近いトルクのあるインパクトドライバではパワーが余った状態になり、微妙な打ち込み加減が難しかったりします。インパクトで仮締めし、手回しドライバで本締め+確認するという方法もあります。
※3 EZT121で締め付けられるネジは手回しドライバでも締め付けが可能であることが多く、 充電に3時間要することも重なって、なかなか使用頻度が伸びないでいます。電池が空になった状態でACアダプタを接続しても直ぐには動いてくれません。ある程度バッテリーに充電されないと動かないという点に注意が必要です。 ※4 コーススレッドをねじ込む際に十分な大きさの下穴を空けるなど、工夫次第で出来ないことはありません。しかしながら、より多くの時間と労力がネジ締めに費やされ、他の作業の余裕が乏しくなりがちです。必要なときだけホームセンターのレンタルサービスでインパクトドライバを借りるというのもひとつの手段でしょう。レンタルの頻度が高くなり、今後も使う機会が見込めるようになって初めて購入するという方法もあります。
ドリルドライバとインパクトドライバの相違点  2006/2/17
ドリルドライバはクラッチが内蔵されており、指定トルクに達するとで空回りするようになっている。インパクトドライバは回転方向へ打撃を加えることでビスを強力に締め付ける・・・と一般的に説明されます。

ただし、一度でも実際に使ってみないことには「打撃」「クラッチ」と言われてもピンとこないかもしれません。

大きなホームセンターには「試し打ちコーナー」がある場合があります。また、レンタルサービスで一度利用してみるのも「百聞は一見にしかず」で得るものが大きいでしょう。
まず始めに外観から見ていきましょう。

ドリルドライバの先端部には、古典的な電気ドリルとは異なり、何やらいろいろな部品や取っ手がついています。

そのひとつがキーレスチャックです。従来型ドリルチャックはT字型の「キー」(工具)を使用してドリル刃を固定していました。

しかし、このキーレスチャックは「キー」が「レス」(要らない)という名前のとおり、キーを使用せずにドリル刃やビットを固定できます。
キーレスチャックの本体側にはクラッチの操作部があります。このナショナルEZT108は18段階+ドリルモードが選択できます。

クラッチで設定したトルク(締め付け力)に達すると、「カカカカ・・・」という音と共にクラッチが切り離され、モーター出力とビットの間の動力が切り離されます。

 ビット<<<< クラッチ<<<<モーター出力

ドリルモードとはモーター出力とドリル刃が直結している状態を意味します。

  ビット<<<<<<<<<<<<<モーター出力
それではプラスビットを装着してみましょう。使用するのは長さ65mmのプラス#2のビットです。
ビットをチャックに差し込みます。
キーレスチャックの根本部分を右手で押さえ、左手で先端部分を回すと固定されます。

三つの爪(3点)で固定している点は通常のキー式チャックと同様です。
それではインパクトドライバを見ていきましょう。
使用するのは同じく長さ65mmのプラスビットです。

なお、全長65mmのビットが頻繁に使用されるサイズです。120mmなどの長いビットになると軸がブレやすい傾向があります。そこで、通常は65mmを中心に使い、障害物などがある場合に長いビットを使うという使い方が多いようです。
装着はワンタッチです。ロックリングを手前に引っ張り、ビットを差し込みます。ロックリングから手を離すとバネの力で元の位置に戻り、ビットはロックされます。

この日立工機FWH10VAの場合は手前に引っ張るとロック解除ですが、機種によっては本体側に押すとロック解除になる機種もあるそうです。
インパクトドライバは基本的にネジ締めに特化しているので、固定軸は六角形状になっています。
ドリルドライバとは異なり、クラッチ機構や2段階式回転数切替スイッチはありません。最近のプロ向け機種にはインパクトとドリルドライバの両方の機能を持った「マルチインパクト」というものや、「HIGH / LOW」切替スイッチのあるインパクトドライバも登場しています。

トリガーは無段階変速になっている機種がほとんどのようです。
回転方向切替スイッチは頻繁に操作する個所です。そこで、インパクトドライバをお選びになる際は実際に手にとって頂き、スイッチが操作しやすいかどうかをチェックすると安心でしょう。
ドリルドライバとインパクトの力の様子を図にしてみました。ただし、これはあくまで使用感のイメージですので、実際のパワー曲線を示すものではありません。

ドリルドライバは設定したトルク(クラッチ段階)に締め付け力になると、モーターとビットの間にあるクラッチが外れます。つまり、モーターは回り続けるものの、その動力はビットに伝わらない状態になります。
インパクトドライバを見ていきましょう。インパクトドライバは空回りさせている時(無負荷回転時)には「ガガガッ」という打撃は加わりません。スムーズに「シュイ〜ン」と回っているだけです。

木ネジを締め込んでいき、締め込みが固くなってきて初めて「ガッ、ガッ」と打撃が加わります。トリガーを少しだけ引いた状態では「ガッ、ガッ、ガッ」と間隔を置いて打撃が加わり、トリガー全開にすると「ガーーーーッ」という、ほぼ連続した音になります。

小さな木ネジ(3x15など)を締めるときは、打撃が始まるトルクに達せず、打撃なしで「スー」とねじ込めてしまう場合さえあります。

数値上の最大の違いはトルクにあります。ドリルドライバの最大トルクは25〜30Nm(約2.5〜3.0kgf/m)ですが、インパクトはその3〜4倍の100〜120Nm(10〜12kgf/m)のトルクがあります。
住宅建設現場に通りかかる機会がありましたら、ちょっと耳を耳を澄ませてみて下さい。「ガーーーー、ガッ、ガッ」「ドゥルルーーーー、ドゥル」というインパクトドライバの音が聞こえてくるでしょう。なお、「ボッ、ボッ、ボシュッ、ボシュッ」という音は、高圧の圧縮空気を使用した「釘打ち機」(エアネイラ)の音です。ドリルのような形をしており、先端部を材料に押し付けて引き金を引くと、「ボシュッ」という音と共に小さな釘(くぎ)が打ち込まれるという道具です。
ドリルドライバと電気ドリルの相違点
ドリルドライバのクラッチを直結状態の「ドリルモード」に切り替えれば、ほぼ電気ドリルと同じ機能にはなります。

しかし、パワーと回転数の違いがポイントになってきます。
例えば、この松下電工"EZT108"の回転数は、スピード切替スイッチ"HIGH"で毎分1,100回転(rpm)、"LOW"モードで300回転です。

一般に、キリ(ドリル刃)の直径が大きくなるほど回転数を落とし、直径が小さければ回転数を上げるそうです。それは、キリの周速度に関係してきます。たとえ同じ回転数で回っていたとしても、直径の大きなキリでは外周部分の速度は高くなり、小さな直径のキリは遅くなるからです。

具体的には、直径10mmの太めのキリが一回転したとします。
大雑把になりますが 円周=直径x3.14 とすると、10x3.14=31.4mmとなります。

毎分1,000回転とすると、31.4x1000=31400mm
メートルに直すと 31.4m/分となります。

逆に、直径1mmの細いキリでは、1x3.14=3.14mmとなり、3.14x1000=3140mm つまり、3.14m/分となります。

つまり、直径の太いキリを高回転で使用すると周速が上がり過ぎてしまい、ドリル本体を押し付ける「送り」と噛み合わず、効率が悪いばかりでなく危険ですらあります。
逆に、小さいキリを使用するときは、ある程度の回転数を高めてあげないとなかなか穴が開かないということになります。

国内の電動工具各社のカタログを見てみると、細いキリを主に使用するチャック径6.5mmクラスの小型電気ドリルは、毎分2,500〜3.000回転という高めに設定されている場合が多いようです。反対に、木工用キリに使用する「低回転ドリル」では、毎分500回転のモデルさえあります。

理屈ばかりになってしまったので、具体的に考えてみましょう。
例えば、1.2mm厚の鉄板に、直径3mm前後のキリで30箇所に穴を空けるとします。このとき、毎分500回転の電気ドリルでは穴がなかなか開かず、作業がなかなかはかどらないかもしれません。こういうときは、毎分2,000回転くらいのドリルを使うと気持ちよく作業を進められるでしょう。
「ドリルドライバをドリルモードにすれば電気ドリルと同じように使える」という説明がされる場合があります。しかし、ドリルドライバの中には回転数が毎分500回転固定のものもあり、こうしたもので鉄板に数多くの穴を開けるには骨が折れるかもしれません。

「ドリルの回転数」という要素はあまり注目されませんが、用途や使用するドリル刃に影響を与える大切なポイントとなりますので、カタログを入手して比較検討してみると面白いのではないでしょうか。
電気ドリルの選びのヒント
電気ドリルについて見ていきましょう。インパクト機構も、クラッチ機構も無いシンプルな道具ですが、回転数やチャック形状、正転/逆転切替、ハンドル形状、本体の素材など、意外と選ぶポイントが多岐にわたっています。
日立工機D10VHにはキーレスチャックが採用されています。これは上記の松下EZT108と同様の操作方法で使用します。

「キーレスチャックは本当に使えるのか?」という疑問をお持ちになる方は少なくないと思います。これについては使用環境や用途によって答えが異なってくると思います。

例えば過酷な業務用途で使用する場合です。大きなホールソーで鉄板に穴をあけていくような作業を連続して行う場合、もしかすると従来型キー式チャックの方が絶対的なチャッキング力では上回っているのかもしれません。
しかし、最近はハンドドリルのみならず、工場などで使用する卓上ボール盤にも、一部でキーレスチャックが使用されるようになっているようです。

従来型ドリルチャックはガッチリと締めれる安心感がありますし、キーレスチャックには素早くキリを交換できる利便性があります。また、ベテランの方は長年に渡って使用してきた従来型ドリルチャックを好む傾向にあり、キーレスチャックを正当に評価して頂けない場合もあります。
個人的な見解となりますが、DIY用途ならば限界に近い使用方法は考えにくいので、キーレスチャックで対応できる可能性が高いでしょう。

業務用途で限界に近い(超えた)イケナイ使い方が想定される場合は、従来型キー式の方が安心かもしれません。

慣れてしまうと体が勝手に動くようになるので、キー式でもキーレスでも気にならなくなってしまいました。
本体の素材には、大きく分けてアルミとプラスチックがあります。アルミは安心感があるものの、冬の冷え込む時期にはグリップを握る手が冷たさで痛く感じるほどです。北海道や東北の寒冷地にお住まいの方にとっては大切なポイントではないでしょうか。
気が付きにくいポイントと各種アクセサリ
日立工機のAC100V式インパクトドライバFWH10VAは、コードの長さが5mあります。日立工機では他の機種でも5mが標準となっており、10mのコードのモデルさえあります。

何故このようなことがポイントとなるのかというと、一般的な電気ドリルのコードは2.5mが多いからです。作業環境にも拠りますが、2.5mではわずかに長さが足りないが為に延長コードを繋ぐ・・・という事が度々あるからです。

ただ延長コードを繋ぐだけではありますが、これが作業に度に繋ぐとなると、塵も積もって大きな違いになるかもしれません。

DIY用途では10mは長すぎるかもしれませんが、5mくらいがちょうど良い感じです。
収納ケースも意外と大切です。私が購入したインパクトにはケースが無かったので、合板や蝶番を使って自作しました。

自作するのを億劫に感じない方なら問題ないのですが、1,000〜2,000円の違いならばケースつきの方が手間がかからないといえそうです。
インパクトドライバのビット差込口は六角形状をしており、通常の棒状のキリはそのままでは使用できません。

六角軸のついたドリルチャック(キー式、キーレス両方有り)も販売されていますが、六角軸のついたキリ(ドリル刃)を使用するという方法もあります。

日本製の六角軸キリは一本500円前後もしますが、木工用の簡単な穴あけならば、百円ショップで販売されている台湾製六角軸キリが便利に使えます。
キーレスチャックが採用されているといえども、ドリルドライバのビット交換は手間が掛かります。そこで、ドリルドライバのチャックをインパクトドライバと同形状にする「ワンタッチチャック」が販売されています。国産品が1,000円前後、百円ショップでは中国製のものが100円で販売されています。
チャックに装着します。
このチャックは奥(本体側)にロックリングを押すと解除されるタイプです。ただし、ロックを解除したとき、勢いが弱いながらもバネの力でビットが飛び出すので、顔などを近づけないよう注意しましょう。
インパクトドライバを使った実験1 〜ホイールナットは緩むか〜
この日立工機FWH10VAの最大トルクは88.3Nm(9kgf/m)とされています。この軽自動車のホイールナット締め付けトルクは8〜10kgf/m前後なので、このインパクトドライバで緩むかどうか気になり、試してみることにします。

結論から申し上げると、緩みませんでした。締め付けトルク10kgf/m(約100Nm)がだとしても、ある程度の期間が経過した後に緩めるには10kgf/mでは足りないようです。

一般に自動車のホイールナット外しには、エアコンプレッサで蓄えた高圧の圧縮空気で作動するエアインパクトレンチが用いられます。これらは最大トルク300〜450Nm(約30〜45kgf/m)となっており、一般的な電気式インパクトドライバの3倍近くのパワーです。

手動の十字レンチ(ホイールレンチ)で初めの一発を緩めておけば使えるかもしれませんが、スタッドレス←→夏タイヤ交換で4x4=16個所、もしくは5x4=20個所のナットを緩めるには面倒かもしれません。
一般的な乗用車のタイヤ交換に使えそうな電動インパクト"レンチ"を考えてみると、日立工機WR14VB(250Nm)やWR16SA(360Nm)などが考えられます。ただ、定価が42,400円、54,800円、30%割引で買ったとしても29,680円、38,360円になり、微妙な値段になってきます。

ただ、エアインパクトを使うには、それなりの大きさのエアコンプレッサやホース、収納場所が必要になってきます。すると、季節の変わり目にタイヤ交換する雪国の方々にとって、コンセントを差し込むだけで使える電動インパクトは便利なのかもしれません。

今回はアダプタにアダプタを重ねるという強引な方法でした。ちょっとガガガ・・とやっただけですが、それでもメッキに小さな傷が入りましたので、エアや電動の動力工具にはインパクト用ソケットを使う必要がありそうです。
どれ程のトルクがあればホイールナットを緩めることができるのでしょうか。これを確認すれば、どの程度のエア/電動インパクトを購入すれば良いかの目安が得られそうです。そこで、トルクレンチを使って計測してみることにします。

プレート型トルクレンチならば、現在加わっているトルクをそのまま見ることができ、こうした計測をする用途では重宝します。

トルクレンチには「プリセット型」というものもあります。「プリ」(前もって) 「セット」(セットしておく)という文字のとおり、事前に締め付けトルクをセットするタイプです。プリセット型は規定トルクに達すると「コキッ」という音と感触で知らせるというトルクレンチですが、今現在どれ程のトルクが加わっているかを知ることはできません。
緩め方向へ力を加えていきます。左の画像は11.5kgf/m(約115Nm)を加えていますが、まだ動く気配はありません。

さらに力を加えていくと、12.5kgf/m(約125Nm)でヌル〜と動き出しました。他のナットを数本試してみましたが、結果は概ね同じでした。

つまり、この軽自動車のホイールナットを緩める為には少なくとも12.5kgf/m(約125Nm)のトルクが必要で、9kgf/mのインパクトドライバでは力が足りていないことが分かりました。

普通乗用車ではどうなのだろうかと思い、1300ccの普通乗用車のホイールでテストしてみると、これも10kgf/m(100Nm)強のトルクが必要でした。また、使用条件が厳しい車両では「ネジの錆び付き」や「異物の噛み込み」の恐れがあり、相当なトルクを掛けないと緩まない場合も考えられます。今回の結果は、あくまで1つのケースとお考え頂ければと思います。
<プレート型トルクレンチの仕組み>

トルクレンチというとプリセット型に人気があり、プレート型(ビーム型)はそれほど話題になりません。しかしながら、構造がシンプルで安価、かつ長年使っても狂いが少ないとされています。
一体どのような仕組みになっているのでしょうか。上から見ているだけでは分かりにくいのですが、横から見ると2本のシャフトが平行に並んでいるのがご覧頂けると思います。
力を加えていくにつれて、ソケットとグリップを結ぶ太いシャフトは徐々に曲がっていきます。ちょうど「竹」や「釣り竿」が撓(しな)っているような状態です。

ところが、先端部分から伸びている「指針」に力は一切加わわらず、真っ直ぐなままです。

つまり、加わる力に応じて曲がっていくシャフトと、常に真っ直ぐな指針という、2本の棒の「差」をトルクとして読み取っているのです。
先端部分は1/2dr(12.7dr)となっており、ここにボックスソケットを差し込んで使用します。このプレート型トルクレンチにはラチェット機構は装備されていませんが、株式会社東日製作所からラチェット付きプレート型トルクレンチも販売されているようです。
インパクトドライバを使った実験2 〜鉄工穴開けには使えるか
二つ目の実験として、インパクトドライバで鉄板に穴開けをしてみましょう。φ4mmの六角軸キリを使い、ビットチャックに直に装着します。切削油には軟膏状のカッティングペーストを使用します。

<インパクト"ドライバ"とインパクト"レンチ">
日立工機やマキタなどの電動工具カタログをご覧頂くと、インパクトレンチには「ドライバ」と「レンチ」があることにお気付きになるでしょう。
違いは先端のアタッチメント取り付け部にあります。"ドライバ"はワンタッチ式の6.35mm(1/4inch)六角穴、"レンチ"は12.7mm(3/8inch)の角型という点です。
シュイー〜ンと回転し始め、打撃が一切加わらないまま削れていきます。最後にズドンと抜けたときに数発打撃が入りましたが、2回目に穴をあけたときには打撃は一切入りませんでした。

仕上げが異なるかどうかを確かめる為、電気ドリル(日立工機D10VH)で比較用に空けてみました。

気が付いたことは、電気ドリルと比較するとインパクトのチャック部分には構造上若干のガタがある点です。 また、打撃の加わったときに細いキリが折れないかどうかも心配です。

穴が空くといえば空きますが、私個人としては鉄工の穴あけには通常の電気ドリルを使うつもりでいます。
番外編 アタックドライバ(インパクトドライバ)について
同じ「インパクトドライバ」という名前ですが、こちらは錆び付いて回らなくなったネジに対してハンマーで打撃を与えるものです。メーカーによっては「アタックドライバ」(山下工業研究所)という名前にしている場合もあります。
鉄ハンマーで打撃を与えると、内部の構造によって軸が微妙に回転し、打撃と回転が渾然一体になって錆び付いたネジをやっつけるという道具です。
緩める/締める の両方に使用できますが、一般的には緩める使い方がほとんどでしょう。切替スイッチが正しい向きになっているかどうかのチェックしましょう。

同じ「インパクトドライバ」という名前ですが、全く別物の工具です。木ネジをねじ込む「電動インパクトドライバ」と、「ハンマーで叩くインパクトドライバ」が掲示板で混同され、一向に話が噛み合わない場合もあります。

TAKAよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2006/2/17製作
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