総金属製 洗濯物干しの製作  2005/10/22製作
総金属製の洗濯物干しを作ります。

始めに90cmの長さの平鋼(ひらこう)を用意します。本当はもっと幅の狭く、薄い平鋼で十分でしょう。
ここで治具(じぐ)を取り出します。四角い建築金物に直径16mmの丸棒を2本溶接したものです。

『日曜大工で楽しむ 金属DIY入門』西野弘章 山海堂 2003に掲載されていた丸棒曲げ治具を真似させて頂きました。
この治具を万力で固定し、平鋼を挟んで緩やかに曲げていきます。「梃子(てこ)の原理」を利用するので、わずかな力で固い平鋼を曲げていくことが出来ます。

※画像は曲げている様子を再現する為に金尺を当てています。
90cmの長さの平鋼なので、概ね直径30cmの円が出来上がります。
平鋼の両端は溶接して繋げ、溶接ビードはグラインダで仕上げます。

使用した溶接機は株式会社育良(イクラ)精機製作所製のAC100Vの「アークボーイ」という小型のものです。今回のようなちょっとした溶接に重宝します。
平鋼を曲げて輪っかにした後、電動ドリルで5mmの穴を合計20箇所開けます。

5mm程度の穴を数多く開ける場合、回転数が少なくとも2,000回転以上でパワーのある電動ドリルを使用します。それに良く切れるキリ(ドリル刃)を装着し、切削油付けると手早く作業できます。

今回は試験的に百円ショップで販売されている台湾製ドリル(六角軸付き)を使用しましたが、思いのほか切れてくれました。
輪っかに穴を開け終わりました。危険の無いようにバリは綺麗に除去しておきます。
力を加えた個所の黒皮(鉄の酸化膜)が剥がれています。もっと均等に力を加えれば綺麗な円になったのかもしれません。
次に取り出してきたのがマイクスタンドです。
元がマイクスタンドなので、角度や高さの調整が迅速にでき、安定性にも優れています。

これに先ほどの輪っかを吊るします。
スプレーで塗装します。吊るすことで全体を一度に塗ることができ、塗り残しなどを防ぐ事もできます。
マイクスタンドの先端部分は3/8インチ雄ネジが採用されています。3/8インチ=約9.5mmですので、直径10mmのM10ネジ(ミリ規格)と紛らわしいかもしれません。

輪になっているのは3/8インチねじ用の「アイナット」です。これを装着すると使用範囲が広がります。
謎の物体の完成を目指し、次の作業に移りましょう。

クリーニング屋さんで使用される針金ハンガーを用意します。
これを20cm前後に切断します。切断に使用するのはMCC(松坂鉄工所)製ミゼットカッターです。
やや横道に外れますが、針金ハンガーを曲げるための道具をこしらえましょう。

安価なラジオペンチを万力に固定し、ディスクグラインダで削ります。
削るのはつかむ部分の内側です。ここに丸みをつけることで、針金を緩やかに曲げやすくします。
加工したラジオペンチで針金をこんな形に整形します。
手元にある部品や廃材を利用し、切ったり削ったりして部品をそろえます。

手ごろな長さのM6ネジとやや直径の大きいM6ワッシャ、5つの穴をあけたアルミ製プレート、鉄製フック、M6ナットなどです。
部品を組み上げるとこのようなフックになります。だんだん形になってきましたので、ピンときた方もいらっしゃるでしょう。

アルミ製スペーサーを入れてガタを無くし、ボルトをダブルナットで固定することで黒いアルミ製プレートは自由に回転するようになっています。

なお、万が一これを製作しようと思い立ってしまった場合、このフックは画像よりも大きく作りましょう。これでは若干小さいと思います。
「輪っか」と「針金」、そして「フック」の3つを合体させます。
これに16個の金属製洗濯バサミを装着します。

これはニシダ株式会社製の「マルニシピンチ10個入り」という洗濯バサミです。

国産品が少なくなった今日ですが、この洗濯ハサミは日本製です。10個入りが250円前後で販売されています。
プラスチック製に比べると多少割高になりますが、長く使えることを考えるとむしろ割安になるのかもしれません。

ステンレス製ではないので錆(さび)を心配なさる方もいらっしゃるかもしれませんが、金属表面をメッキ処理してあるので、導入後数年経った現在でも特に錆が発生しているようには見えません。数年経っても「ちょっと表面の光沢が無くなってきたかな」という程度です。

これは市街地から離れた郊外という条件ですので、都市部や工業地帯、海岸部などでは異なった結果が出るかもしれません。
完成しました。
アルミ製プレートは自由に回転するようにしてあります。

ここがスムーズに回転することで、乾いた洗濯物を素早く取り込むことができます。一定のポジションに立ったまま、物干しを回転させて次々に取り込んでいきます。
3mm厚の平鋼を使っているだけあり、非常に安定感があります。
輪っかと洗濯ばさみは銅製(真鍮)ワイヤーで繋いであります。

針金では固すぎますし、樹脂製結束バンドでは経年劣化で数年で切れてしまいます。屋内用の白色結束バンドは1年弱で切れてしまいますが、黒色の屋外用を使用すれば数年はもってくれます。
一般に市販されている洗濯物干しです。購入から数年で使用不能になってしまいました。プラスチックは風雨や寒暖、日光(紫外線)などの影響で数年でボロボロに劣化してしまいます。
プラスチック製品が次々にリタイヤしていく中で、最後までしぶとく生き残ってくるのは、多少赤錆が出つつも十数年使用している金属製だったりします。

特にプラスチック製洗濯バサミは数年でポリポリ割れてしまい、交換する手間も掛かります。当研究所ではプラ製洗濯バサミが割れる度に金属製に入れ替えていったところ、95%を金属製が占めるようになりました。
重量級の仕上がった洗濯物干しですが、念のため重さを測ってみましょう。
900gありました。
2006/3/29補足
しばらくは特に問題なく使用していたのですが、次第にフックの小ささが気になってきました。直径の太い物干し竿に引っ掛けようとすると、ギリギリか、場合によっては引っ掛からない場合があったからです。

そこでフックを作り直しました。幅25mm、厚さ2mm弱、長さ300mmのアルミ平棒を使用しています。

これならば、相当太い物干し竿でも容易に引っ掛けることができます。安定感も増したので、これでほぼ理想の形となりました。

アルミ平棒の曲げ方には様々なやり方があると思いますが、今回はレールアンビル(金床)の上に載せ、ハンマーでコツコツ叩いて形を出してみました。

TAKAよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2005/10/22製作 2006/3/29補足 2011/10/14修正
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