タイヤに空気を入れる 〜エアコンプレッサー編〜 2005/8/8製作
前回の「手動空気入れ編」に続き、今回はエアコンプレッサーを使用してタイヤに空気を入れてみましょう。

使用するコンプレッサは電源AC100V、モーター出力1.5馬力、タンク容量30リットルという、DIY用としては一般的なスペックのものです。

銘板にはこのように書いてあります。
POWER    1-1/2HP 
TANK CAP  30L
PRESS     8kg/cm2
CAP      130L/min
DATE     1996

なお、Okg/cm2から6kg/cm2まで圧力を上げるのに掛かる時間は1分20秒でした。
空気入れ用チャックには様々な種類があるのですが、一例としてデュアルヘッドタイプをご紹介します。これはホームセンターなどの空圧機器コーナーで売られている国産品で、価格は1,500円前後です。

パッケージには自転車・自動車用と記載されています。
チャック先端を見ていきましょう。左の穴の小さい方が自転車や車椅子などに用いられている「英式バルブ」用です。右の穴が大きい方が、自動車やオートバイ、一部自転車に使われている「米式バルブ」用です。
上から見てみましょう。

チャックにはこの2通りに使えるタイプ以外にも複数の種類があります。自転車しか使わないという方には、英式バルブ用のチャックが1つだけついたコンパクトなタイプもあります。
これもデュアルチャックタイプですが、前述の英/米バルブの両方に対応したT型のものとは異なり、2箇所の注入口ともに米式バルブ用となっています。

なぜ両方とも米式バルブ用なのでしょうか。小型トラックや小型ダンプなどの後輪を見てみると、タイヤ2本セットで左車輪、タイヤ2本セットで右車輪となっています。これを「ダブルタイヤ」というのですが、バルブが奥の方になってしまい、空気をいれにくいそうです。それでこうした形をしたチャックが生まれたようです。


空気を入れる前に、圧力のチェックをしましょう。空気の流れる方向は青い矢印→で示しています。タンクに溜まった空気の圧力は、向かって左側にある圧力計(一次圧力計)に表示されます。左の画像では6kg/cm2弱(80PSI)を示しています。

コンプレッサーは一定の圧力まで低下すると自動的にモーターが始動し、指定圧力に達すると停止する仕組みになっています。始動する圧力と、停止する圧力は、圧力スイッチを調整する事で一定の範囲内で変化させる事ができます。

家庭用AC100Vコンプレッサの場合、6kg/cm2で始動、8kg/cm2で停止という場合が多いようです。これは1/2drエアインパクトレンチなどの使用空気圧が6kg/cm2なのを考慮しているのかもしれません。当研究所ではエアブローでの使用がほとんどなので、5kg/cm始動、7kg/cm2停止に設定してあります。
右側の圧力計(二次圧力計)は、実際にプシューッと出る圧力を示しています。もちろん、二次圧力計からホースやカプラを経由してエアツールに届くまでに大なり小なり圧力損失が生じます。

吐出圧力は圧力計の上にあるツマミを回す事で調整できます。
使用方法は、バルブとチャックが一直線になることを意識し、強く押し付ければ「シュー」という音とともにエアが入っていきます。
2005/9/8補足
英式バルブ向けに販売されている「新型バルブ」(スーパーバルブ、スペシャルバルブ)などは空気を注入する際の抵抗が従来型に比べて少ないため、コンプレッサ側をやや多めの3.5kg/cm2程度にしておけば、タイヤには2.5〜3.0kg/cm2程度のエアが入ります。

しかし、虫ゴムを使用する従来のバルブは空気を注入する時の抵抗が大きめです。すると、コンプレッサを3.0kmg/cm2にセットしても、虫ゴムの閉じようとする力に負けてしまい、脇から漏れてしまって上手く空気が入らないようです。

したがって、虫ゴムを使用する従来型バルブのタイヤに3kg/cm2のエアを入れたい場合、コンプレッサ側を4.0〜4.5kg/cm2程度に設定しておき、圧力計の値よりもタイヤの固さを手で確認しながら入れるというやり方になりそうです。

新型バルブ(スペシャルバルブ)を使用したからといってもエアを注入する際の抵抗が少なからずあるので、厳密に言うとコンプレッサの圧力計の値は参考になりません。「一方通行であること」「空気が虫ゴムを押し上げるために抵抗が発生すること」の2点が空気圧管理をする上での英式バルブの構造的な問題のようです。
米式バルブも同様の手順です。

米式バルブ用の穴の大きい方をバルブに強く押し付けると「シュー」と入っていきます。

ただし、英式・米式ともに初めは上手にエアが入らずに苦戦する可能性があります。
コツは前述したように、チャックが傾かないように真っ直ぐ当てるのが第一点です。さらに、グッと強く押し付けるのが2点目です。画像は片手で押し付けていますが、両手でしっかり保持しながらて押し付けると上手くいくと思います。

2005/9/8補足

コツの3点目は、コンプレッサの二次圧力をやや高めにすることです。オートバイの場合ならば、3〜4kmg/cm2程度にすると脇からエアが漏れ難くなります。ただし、「シュー」と勢いよくエアが入っていくので注意が必要です。


コンプレッサで入れるのに慣れてしまうと、手押しでシュコシュコやる気になれなくなってしまうのも事実です。しかし便利な反面、危険を伴う空圧機器を扱う事になるので、取扱説明書を確認し、知識のある人に相談するなどの安全対策を心がけ下さい。
エアカプラの知識と注意点
ホームセンターや金物屋さんに行ってみたものの、空圧機器用の継ぎ手(カプラー)の種類があまりにたくさんあるために、「何を買ったら良いか分からない」とお思いになるかもしれません。

ここではエアツールを使用する際に迷いやすいポイントをご紹介させて頂きます。
まず初めに、タイヤに空気を入れようとエアチャックを購入してきたものの、付属してきたのはタケノコのような形をしたプラグだった場合です。

これはエア機器用のゴムホースに差し込み、バンドで固定して使用するタイプです。これではワンタッチでエアツールを交換する事ができません。
そこでワンタッチカプラ用の雄プラグに交換すればOKです。価格は国産品で200〜300円ほどです。
ホームセンターの空圧機器コーナーでは、国産メーカー製プラグはこのようなパッケージに入っています。

ハイカプラの種類について分かりやすくまとめられていますので、捨てずに保管おくと役に立ちます。

用語を整理させて頂きます。カプラ(継ぎ手)のうち、オス側を「プラグ」、メス側を「ソケット」と呼びます。空気はソケットからプラグへ流すのが基本となるようです

国産メーカー製のものであれば丁寧な解説が付いてくるのですが、工具専門店で販売されている安価なものには詳しい解説はありません。店員さんに尋ねれば教えてくれると思いますが、予備知識があるに越した事はないでしょう。

「エアカプラー 1/4PT 20PM」・・・これで適合するかどうか判断するのです。

"1/4"はサイズを示しており、1/4=2/8、つまり2分(ぶ)というサイズです。私も誤解していたのですが、新潟精機株式会社が販売しているカプラの説明書きによると、1/4インチ(6.35mm)ではなく、13.157mmなのだそうです。

また、"PT"はネジ部の種類を示しており、"P"=パイプ用、"T"=テーパー(Taper)ネジのことです。英単語の"Taper"とは、「次第に先が細くなっているもの」を意味します。

"20PM"は日東工器株式会社製カプラーの"20PM"と同等品という意味だと思います。"20"は1/4(2分)、"P"はプラグ"Plug"、"M"は雄ネジなので"Male"(オス)を意味します。
テーパーネジは次第に先が細くなっているネジを意味します。

テーパーネジはクサビ型になっているために、回していけばいつかはそれ以上回らなくなります。この停止地点では雄ネジと雌ネジが密着するので、平行ネジと比べると機密性を保つ上で有利なのだそうです。
カップ印の株式会社栗田製作所製エアブローガンを見ていきましょう。このエアガンのグリップ下部からは、サイズ1/4(2分)の平行雄ネジ(PF1/4)が出ています。

ワンタッチカプラで使用するのならば、日東型番"PF1/4  20PFFA"(平行ネジ版)を購入してくればピッタリです。
PF1/4 : P=Pipe、F=平行ネジ、1/4=2分
20PFFA : 20=1/4(2分)、P=Plug、F=Female(メス)、F=平行ネジ、A=?

間違えて日東型番"PT1/4 20PFA"(テーパーネジ版)を購入しないように注意しましょう。これを入れようとしても、ネジがかろうじて2〜3山掛かる程度です。何故リアルに知っているのかと言うと、私も間違えて買ったことがあるからです。
このエアガンは雄ネジの平行ネジが飛び出ていますが、一般的なエアツールでは本体にテーパー雌ネジの穴が開いている場合が多いようです。

例えば、インパクトレンチのスペック表の中で「口金寸法1/4PT」とあれば、上記の1/4PTプラグ(テーパー雄ネジのプラグ)が適合します。
エアツールのネジにはシールテープを巻くのが一般的ですが、平行ネジの雌ネジの中にはゴム製パッキンが入っているものがあり、シールテープを巻く手間が省けます。
テーパーネジ、平行ネジが入り組んでいる上に、サイズの違いもあります。

上は一般的な大きさのプラグで、日東工機は「ハイカプラ」と呼んでいるようです。これに対し、下の小さいプラグを「スーパーカプラ」と呼んでいます。

DIY用途の場合、大概のプラグ、ソケットは一般的な大きさの「ハイカプラー」です。ハイカプラ←→スーパーカプラを接続するアダプターもあることはあるのですが、特別な意図が無い限りハイカプラーで統一してしまうのが無用な手間や出費を避けられると思います。
2005/8/19補足 エアゲージ付きインフレーター 
エア注入口と圧力計が一体になったタイプもあります。
引き金を引くとエアが注入されていきます。入れ過ぎてしまったら、背面部にあるリリースボタンを押すと余分な空気を抜く事ができます。

手動式空気入れの場合は腕力を使って「シュコシュコ」ポンピングし続け、「大体入っただろう」という「勘」でポンピングを停止し、チャックを外します。その後エアゲージを当て、ドンピシャにならなければ空気を抜く事で微調整していきます。チャックを付けたり外したり、エアゲージを当てたり外したり・・・と「入れる」と「調整する」が分離しているのでやや手間が掛かります。

ところがこの空気入れの場合、チャックを装着したままでエアゲージを見ながらワンタッチで空気を出し入れすることができます。
非常に作業効率に優れてはいるのですが、実際に製品を選ぶ際にはちょっとしたポイントがあります。

それは測定圧力の範囲です。例えば、オートバイの指定空気圧は概ね1.5〜2.5kg/cm2程度です。具体的にはホンダ製スクータースペイシー100の指定空気圧は前輪1.5kg/cm2、後輪2.0kg/cm2です。

ところが、このエアゲージの圧力測定範囲は0kg/cm2〜15kg/cm2と幅が広い設定になっています。すると、測定範囲の2割弱の範囲しか使っていないことになります。

エアゲージに限らず、ボルトの締め付け力を計測する「トルクレンチ」という工具にも通じるのですが、測定範囲の「端」に近い値は誤差が出やすいとされ、好ましい測定方法とはいえないようです。

レースなどの競技用としてでなく、普通に街中を走る車両であればそんなに神経質になる問題ではありませんが、せっかく新規に購入なさるのであれば、測定範囲が0〜5kg/cm2程度の製品が適正ですし、なにより目盛りが大きくて見やすいという利点があると思います。とはいえ、これでも非常に重宝しています。
2006/10/14補足 乗用車に使いやすいエアチャック
ホイールキャップを装着している乗用車は、エアバルブの位置が奥になりがちです。
このように奥まった位置にあるエアバルブに空気を入れるには、どのようなタイプのエアチャックが適しているのでしょうか。
大きく分けると、「直角タイプ」と「角度付きタイプ」があります。
ホイールキャップ付き乗用車の場合、「直角タイプ」のエアチャックではチャックの首の部分がホイールキャップに干渉してしまいやすいようです。
角度付きタイプはどうでしょうか。
角度付きタイプならば、奥まった位置にあるエアバルブにも障害物を気にすることなく空気を入れることができます。

ガソリンスタンドに備え付けてある空気充填機にも、この角度付きチャックが使われていることが多いようです。

ただし、オートバイになると直角タイプの方が使いやすい場合があるので、エアチャックをお選びになる際は、バルブ周辺の障害となりそうな部分を十分観察し、空気を入れている様子を頭の中でイメージしてから購入すると失敗せずに済みそうです。
<Takaよろず研究所内の関連リンク>
タイヤに空気を入れる 〜手動空気入れ編〜
自転車のパンク修理

自転車用新型バルブ(スパーバルブ)を使う
圧縮空気を利用した自転車グリップ交換

TAKAよろず研究所
http://www.geocities.jp/taka_laboratory/
2005/8/8製作 2006/10/14補足
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