第一巻
うーん、どうだろ。まあまあかな。ちょっと中途半端な感じがする。全七巻でまだ一巻からかもしれないけど。
ストーリーのメインは「23という文字の秘密」「犬と主人公の友情」「主人公と女の子の恋」の三つだが、バラバラでよくない。個人的には23に絞ってくれればそれでいいけれど。
絵がやっぱうまくない。静止画はまだましだけれど動きのあるシーンがとっても下手。でもなぜか昆虫とかの絵はリアルでいやだ。クロウリーのいう「23」の秘密と犬神に「人間を見ろ」と命令したものの正体。そこらへんが今後の謎。ああ、あと頭の血管破裂するまでテレパシーをつかった人の正体も。宮沢賢治がたんに話の導入としてだけだったら残念。ぜひとも宮沢賢治と魔術をくっつけて欲しい。
第二巻
いやぁ。おもしろいよ、これ。
あらすじはね、高校生の史樹くんが主人公でして、現実から離れた詩人のような生活を送っていたのですが、あるとき犬に出会いまして、その犬は耳のところに23の刻印があったのです。23とは魔術師アレイスター・クロウリーが生命の樹において言及した重要な数字なのです。その23の犬は体から剣を棘のように生やせる能力があるのです。裏世界の権力者である桐生はその犬を狙うのですがなかなかつかまりません。そんなとき体から鞭のように触手を生やせる別の特殊な犬に出会います。その犬は何者からか「人間を見ろ」と命令されたと言います。いったい誰が命令したのか? 桐生の狙いはどこにあるのか? 史樹はこれにどう巻き込まれていくのか? とそんな感じ。
第二巻では、犬の能力が未知の細胞によるものとちょっと説明されてきた。感染したりとかなんだかバイオハザード的な話になってきた。(ゲームのバイオハザードじゃなくて、バイオの災害ものという意味で)。バイオ自体は科学力でまだ及ばないところがあっても一応科学に乗っかっているので魔術を期待した私としてはちょっと残念。しかし実験によって生み出された怪物がすごかった。強いよ。いい戦いするし。ちょっと泣けるし。この作者はどうやら人間の絵を描くのはとっても下手だけれど怪物とかの絵を描くのはとってもうまいね。「平安・疑惑・世界・詩」と題された二巻の最終章はちょとやばいぐらいよかった。いい詩を作るじゃねーか。この詩がどう関わってくるのかが気になる。問題点としては、桐生というある種の黒幕がいろいろ知ってるということ。その知ってる秘密を側にいつもついてる部下に教えるのだ。(その部下がだから読者のかわりに聞いてくれる)だからそうなると闇世界のボスがなんだかどうでもいい部下にやたらバカ丁寧に説明しているという状態になってよくない。どっちが立場上のか分からなくなる。この部下の人は今後なんかすごく重要になるのだろうか。ちょっとなんかやってくれそうな予感。
第三巻
「なあ、人が、増えすぎたと思わんか?」 だってさ。ちょっと増えすぎた人間を減らさないと、ということでついに出てきましたよ。擬態さん。うっわー、こりゃすげー。もうぐちゃぐちゃあばばばべぱちゃばぴゅりゃ?!☆=$%という感じ。こんなにも簡単にというくらい人が死んじゃいます。ええと、ひいふうみの…まあ60人はお亡くなりになったね。顔面が縦に真っ二つに割れたり、内臓が破裂したり、もう北斗神拳みたいですな。いやいやこの擬態は強い。怖いし。いいね。
「人間を見ろ」という命令の謎も、ああそうだったのですねー、なるほど、それは気づかんかった。うまいなぁ、うまいなぁと素直に感心。第三巻で一気におもしろくなってきた。さて、こうなると次の展開が気になるが、
1、史樹くんとの友情パワーで見事撃退
2、友情パワー及ばず、あぴゃぴゃぱぴゅら!
うーん、2の方がおもしろいと思うけれど、全七巻ということを考えるとあまり早く世界が崩壊すると話に困りそうなので、1になるかな。
第四巻
1、史樹くんとの友情パワーで見事撃退。
2、友情パワー及ばず、あぴゃぴゃぱぴゅら!
と三巻で予測したけれど、実際は、
3、友情パワー及ばず。
やられるってときに桐生先生登場ですよ。おお、桐生先生すっかり忘れてた。この先生の超能力をまたおがむことになろうとは。この力の秘密をそろそろ明かして欲しいのだけれどまったく謎ですな。由梨子さんも超能力使ってかっこいいし、大学生ですか、よく分からないけれどとりあえず理系であることは間違いないな。そうか理系か。文学部でもいいと思うのだけれど。
擬態が実験体を体から出したりするとことかいやーすばらしくグロテスクで美しい。この辺から絵もうまくなってるし。いい感じです。不満を言うと、ほとんどが戦闘シーンだったため、謎がまったく解き明かされずそういう意味ではストーリーの進展がなかったのが残念。
第五巻
これはねー正直言って、肩透かしだよ。要するに、大崩壊の前兆なのですよ。前兆の描写。その描写で一巻。長いんだよ、バカ、と言いたい。前兆なんてものはそんなに長く描写するとだれてくるのだよ。長すぎ。
だから結局前兆で終わってしまって、実質的には話の進展は何もなかった。だからほとんど何も書くことがないのだが。
ええと、史樹がやたら変化しちゃってとっつきにくい人になっちゃって、これは今後の史樹の秘密の伏線だと思うけれど、これはよくない。そもそもこの話は史樹の描写から始まったわけで、読者は史樹に感情移入しているのである。ここで史樹が変化して、史樹を客観的に描写するようになると読者はとまどってしまう。
「驚きべき事実がー」とか本の裏に書いてあって、おお、驚くべき事実が明らかになるのか、と思ったら、本編中でも登場人物が驚いただけで、読者にはその事実がまったく説明されなかった。ひっぱりすぎなんだよ、バカ、と文句を言いたい。たかが人類絶滅させるだけの話にどれだけかかってんだよ、と悪態をつきたい。
第六巻
来ましたよ。ついに六巻。もうすぐですね。で、やっとエイトが発発現して人類滅亡ですよ。やっとかよ、という感じ。
史樹君を罠にはめようという陰謀があったけれど、一応はまりませんでした。仲直り。というか、そのへんの話がだるい気がする。根本に影響ないならカットしてもいいと思うが。美伽との恋もようわからんし。方向性が見えてこない。おまけに残留思念体とか急に出てきて、反則だろなんだそれは。日本がえらいことになったと宇宙からわかったようだけど、外国はどうなんだよという感じだし。OTOやらGDやらの魔術結社の説得力もいまいちだし。っていうか由梨子が巨大化したのはなんじゃそりゃーという感じ。そうするなら各地の巨人伝説・伝承に事前に言及すべきだろう。あと白いあの犬、目が三つですよ。第三の目ですよ。なのに目については何も触れられず。ただ単に三つ目だとかっこいいからという理由で三つ目なのか、ちゃんと意味があるのかどうなんだ。
と、いろいろ文句を言ったが、あの花。あの花。あの花。
許す。すべての穴に目をつむれる。あの花はすごい。あれが描けただけで賞賛に値する。あれはやばい。久しぶりに衝撃だった。
さて、第七巻が最終巻です。第七巻の裏には、「誰も予想しなかった結末へ」とかなんとか書いてあったと思う。ので、ちょっと予想してみようじゃないか。
じゃあ、ここであらすじを確認しようか。
あらすじ
「詩人になりたい。さもなくば死にたい」という高校生、島崎史樹は、あるとき犬に出会う。その犬は耳のところに23の刻印がある。23とは魔術師アレイスター・クロウリーが生命の樹において言及した重要な数字である。その23の犬は体から剣を棘のように生やせる能力がある。23と史樹は親友になる。
裏世界の権力者である桐生はその犬を狙うのですがなかなかつかまらない。そんなとき体から鞭のように触手を生やせる別の特殊な犬に出会う。この犬はゼロと名づけられる。ゼロは何者からか「人間を見ろ」と命令されたという。ゼロは人間を見た結果、人間は生きるに値せず、滅びるべきだと考える。
一方23の犬も「人間を見ろ」と誰かから言われるのだが、史樹や美伽といった優しい人間に会い、人間はすばらしいと考える。
しかし、倉田製薬が犬の特殊な能力に目をつけ、動物実験を繰り返し、これに23の犬も巻き込まれる。これにより、今まで人間に好意的であった23も、倉田製薬の人間に殺意を覚える。この瞬間、擬似体が現れる。なんとゼロと23はセットであり、この二匹の犬の思考が一致した場合のみ、人間に対してアクションが行われるということだったのだ。このあたりは生命体の中の免疫システムと重ね合わされる。倉田製薬を滅ぼせ、という指令がなされ、それに応じた対応が行われる。そして、神(?)が倉田製薬を滅ぼすため擬似体と呼ばれるものを送り込み、倉田製薬は壊滅する。
人類滅亡を画策する桐生は、23の犬に人類全体への殺意をいだくよう仕向ける。(ゼロは一貫してひたすら人類滅亡キボンヌ。)その前兆としてエイトと呼ばれる新たなる敵が人間界にひそみ、23とゼロの思念が一致するのをいまかと待っている。桐生は自分の息子、娘たちが史樹と同じ学校なのを利用して、史樹が23を嫌うようにもっていこうとする。そのたくらみにはめられ、史樹は23を拒絶する。その結果、23は人類に殺意を覚え、ゼロと一致し、エイトが発動。
人類はほぼ全滅する。そこらじゅう、死体だらけになるのだが、その人間の死体から花が咲くのである。
(これがなかなかやばい光景である。人間の死体から花が咲くというそれ自体はまあよくあることなんだが、その花の形、色、そんなのがすごい。一応花と分かるのだけれど、こんな花ないだろうという花でまさに終末というか、けっこう鮮やかで終末をギラギラと彩ると言う感じで、しかもなんか昆虫のような形をした花もあって、花と昆虫が融合しているのではないかというなかなかグロテスクなデザインでそれが人間の体から生えており、気分が悪くなること間違いなしである。食事前、食後一時間は見ない方がよい。食事中に見るものはつわものと言うかバカモノである。私はもう見たくない)
しかし、23細胞というものに感染しても死亡しないものが2%おり、これが新人類とされる。史樹は新人類である。しかし史樹のことが好きな美伽は旧人類なのである。美伽は史樹が守ってくれるおかげでなんとか死なないでいる。史樹は23と仲直りする。そして協力してなんとか桐生を止めようとする。
一方、計画通りに進んでいる桐生は、娘の由梨子を探す。人類滅亡は前提であり、桐生の真の狙いは、この地上に常世国をつくり出し、地上を自らの遺伝子のみで埋め尽くそうというものだ。(わーーお!!)
エデンには知恵の木の実と生命の木の実の二本があり、アダムとイブは知恵の方しか食べていない。このため、知恵はあるが、死ぬ生命となった。生命の木の実も食べれば不老不死を手に入れられる。その生命の木の実にいたる道のカギが23であるっぽい。(このへんまだ不明)
人類滅亡後の世界において、イブは由梨子である。由梨子は抗争から殺されるのだが、新人類にそんなことは関係なく、変身して巨大化する。(おお!)桐生はアダムになろうとする。(おい! あんたの娘だよ、おっさん)しかし由梨子が心を寄せているのは史樹である。(微妙に美伽と三角関係)このままいくと由梨子がイブとなり、史樹がアダムとなり、新しい世界が始まる。(や、こっちも三角関係か、っていうか親父だよ)桐生は史樹の抹殺をはかる。「アダムは二人もいらない」と。桐生の手先となったゼロが史樹と23に襲い掛かる!
史樹は桐生の野望を阻止できるのか。
史樹のことが好きな旧人類の美伽はどうなるのか。
巨大化した由梨子は?
世界はどこへ向かうのか。
そして神は?
いよいよ最終巻、乞うご期待。という感じですね。
思うに、最大の謎は主人公の島崎史樹である。怪我してもすぐ治ることから、23細胞との融合体であると思われる。でもそれらしき話はまったくなく、どうしてそうなのかがよくわからない。まあ23に偶然会ったから、主人公になった、というのではなく、何らかの必然があったと思う。もしかしたら史樹は桐生の子供かもしれない。それならまあそういう能力も納得いく。
で、桐生の野望阻止なるかが焦点だが、それはなると思う。だって桐生が勝っちゃだめでしょーお父さん。パパがアダムで娘がイブですか、だめだよそりゃ。史樹が勝つでしょう。もし史樹が息子なら姉と弟か、う〜む。
で、たぶん二人がくっついて、永遠の生命を手にして、たぶん世界と二人が融合して、それで、ハピエンド、かな?
う〜む、神が問題だ。神がよく分からない。あの白い犬が神なのか、あれは神の手下なのか。そうそう、で、その白い犬が花咲かじいさんの白い犬に結び付けられてるんです。うっひゃー、そりゃやべえ。いい人に幸せを、悪い人に不幸を送る犬。でもねー、そのいい悪いの判断がよくわからないね。何をもっていいというのだ。自然破壊する人間許さない、というのはならないと思う。宇宙的な善悪になるのかな。ごめんそのへん私知識ない。ええと、神智学で宇宙における善と悪とは何かという議論があった気がするけど。まあ、ようわからんわ。史樹くんはいい人なのかなぁ。いい人だろうなぁ、理論的にではなくて、ストーリー的にこの人がいい人じゃなきゃ困ってしまう。生命の「樹」、人類の歴「史」という名前かな。
ごめん、ちょっと展開が想像しにくい。この作者がどれほどオカルトに踏み込んでいるのかがようわからんもんで。でもこれまでの話を読む限り、そうそうたいしたものはでてこないと思う。まあ、オカルトでは比較的よくあるネタを使っているようだから。オカルトというかバイオテクノロジーにけっこうふみこんでいてそっちがどれほど広がりを見せるのかつかみにくい。
でもまー人類は絶滅したのだから、やはり、桐生の野望砕ける、史樹と由梨子がくっついて一つの完全体になる。(なんだそれ? と自分でも思うけれど残留思念体というもっとなんだそれ?というものが何の前触れもなく唐突にもう出てるし)で、他の生き残った新人類の人たちと新しい世界をつくるのかな。旧人類の美伽は例外的に生き残ると思うよ。でも史樹君はすっかり姿が変わると思うので、まあ美伽が旧人類の立場からすべてを見て語るという形になるのではないでしょうか。
神についての根本的な踏み込みはないと考える。キリストの神にやや言及があったぐらいでそれぐらいだし、仏教など他の宗教にはまったく触れられていないしね。
さあ第七巻はどうなるのでしょうか。
第七巻
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