日記のようなものだねーん

2001年09月




2001/09/01
この日の日記はTadの周囲での出来事記録室Huskersキチガイ

2001/09/06
 コリアンジェントルマンの送別会は一応前回のプライムリブまるかじり会で終えたはずなのであるが、どうも彼は女性から人気があるようで、前回参加できなかった3人のネイティブ美人から、もう一度会を開くように要請があった。

 飲めるのであれば、喜んで参加する私である。ボスにやっと目を通してもらった論文、今頃になって追加実験をいいつけられ、誰かに愚痴を聞いてもらおうと思っていたところだったので丁度いいタイミングでの飲み会ともいえる。ただボスも参加しているから間違っても直接ボスに愚痴ってしまうことのないように、アルコール濃度はちゃんと自己管理しておく必要はあるが。

 7時に怪しげな社交ダンス(いや、もしかしたらフォークダンスだったのかな)ホールのある飲み屋でビールをグイグイやって、2次会はいつものThree dollars cofeをその会場にした。おそらく今回が最後の飲み会となるためかコリアンジェントルマンDの壊れかたはいつもと違っていた。いきなり初恋の話を我々にむりやり聞かせてきたりして。

 そんな話マジな顔でするのはやめてくれ。40過ぎのおじさんがそんな話をしてしまっては逮捕されてしまっても仕方あるまい。でも、それ以外の話はもう聞きあきていたから、まあいいか。それより俺のグチも誰か聞いて欲しかったよお。

2001/09/07
 コリアンジェントルマンDがオマハを去る日である。

オマハは久しぶりの雨。

12時55分発のミネアポリス行き。

お別れ嘆き部隊は昼前のラボから出発することになった。

美人テクニシャンHと論文作成サポーターのつもりのM、

そしてブルジョアAと私はDとの別れを再び惜しむために(お別れ会多すぎて疲れてるよなあ)、

ゲルマン人の大移動時代なら

大移動時には絶対に声がかかったと思われる位どでかい

三重人Kの運転するバンに乗り込み飛行場へと向かった。

子供の英語教育のためにと奥さんと子供を残して帰るDは

お涙頂戴のお別れのシーンの中にいた。

韓国で独身生活を楽しむ予定だと、

我々には強がっていたDではあったが、

子煩悩の彼だったから辛い決断だったのではないかと思われる。

オマハでは貧乏研究者が詰め込まれている

タコ部屋swampの一員となることを強いられていたが、

韓国に帰ればセクションチーフ。

輝ける未来が待っている。

今度はソウルで飲み明かそう。

ただし、貧乏を継続している俺をすべて丸抱えのVIP待遇で招待してくれなければ、

それは実現しないぞ。

わかってるだろうな。


2001/09/08
この日の日記はTadの周囲での出来事記録室Huskersキチガイ2

2001/09/11
 アメリカをテロが襲った。この情報は起床時につけたテレビで知った。ニューヨークの世界貿易センターに民間航空機が2機突っ込んだと言っているではないか。どうしてこんな事が・・・。

 朝のオマハのストリート、あまりに衝撃的ニュースで起こされたためか、いつものスムーズな流れではない。カーラジオに聞き入っているのであろうか。ラボではどの部屋からもかなりのボリュウムで叫び声のようなニュースが流れてくる。これはとんでもなく大惨事である。映画ではなく現実に起こっているのである。

 事件はこれで終わったわけではなかった。米国防総省に3機目が飛び込んだ。あと2機の消息がわからないらしくラジオは現在まだ進行中のテロの恐怖をそのまま我々へ伝えてくる。パニックだ。どうなってしまうのかアメリカ合衆国。

 テクニシャンのHが大統領がおそらくオマハへ避難してくるであろうと予想した。戦略的観点からすると、大陸内部で西海岸からも東海岸からも遠いこの地オマハから大統領が軍を指揮することは充分考えられる。そして大統領は本当に来た。ラボに緊張が走る。遠くニューヨークで起こっている別世界の事件ではない。アメリカ全土を脅かしているのであり、オマハもその危機の中にいる。

 死傷者行方不明者の数は増える一方であり、テロへの怒りは膨らんでいくばかりである。全く関係ない善良な人々が意味もなく犠牲になっていく。卑劣な方法でなんの目的が達成されるというのか。

2001/09/12
今月は出張で殆どオマハにいないはずであったボスがオマハにいる。飛行機が使用できないため今週の予定はすべてキャンセルしたらしい。

 さて、本日は週2回あるラボミーティング。そんなことすっかり忘れていた私は自分のデータを用意していなかった。と、いうことは私のプレゼンの分時間が余ることになる。その時間を利用してテクニシャンRがまたいい加減な情報を我々に報告した。我がラボに最近届いた消耗品の実験器具が紛失してしまったというのである。先週末は確かにあったはずのものが倉庫から消えたらしい。それは困った。私がRに注文を要請したものであり、今回のテロの一件もあり再注文してもいつ届くかわからない。

 ボスは施錠をしっかりとかけることを提案してきたが、紛失したものが保管されていたのは我々関係者しかもっていない鍵のかかった倉庫だし。しかも問題の品は一般人が手にしても全くなんの得にもならないピペットのチップで、我がラボ内の人間であっても持ち帰ったところで使い道は全くない。どこかの施設に売り込むなんて危険を犯す程の価値のある品でもないのだ。

 その疑問を解くかのようにFが証言した。先週末に倉庫にあった残り少ないチップを箱から出して空になった箱は捨てたと。

「そうだろうよ、殆ど中身がなくなっていたから私が注文出したのだよ。まさかRよ、紛失したってのは、その空箱の事を言っているんではないだろうなあ。ところで本当にあんた注文したの? 」

そう、最近怠慢になっているRはすべき仕事を後回しにしているため、私の注文を忘れてしまった可能性は充分にある。そもそも注文の品が届いた報告を私がうけてないじゃん。

典型的なアメリカ人Rは今日も我が道を突き進む。

2001/09/16
 テロの影響で航空会社はもとより旅行業者がかなりの痛手をうけているようである。なんと今予定をキャンセルしても全額戻ってくるらしい。これは利用者にはありがたい処置であろうが、業者にとっては辛い決定だと思われる。

 この時期アメリカから、またはアメリカへと旅する人達はどういった心境であろうか。仕事上どうしても移動しなければならない人達である。テロの心配もあるしキャンセルされても仕方ないと周囲が納得してくれるのはここしばらくであろうから、その後は不安を感じながらも搭乗しなければならない。

 先日も記載したが我がボス、先週と今週の予定はキャンセルしたのであるが来週末のヨーロッパである学会のシンポジウムには出席しなければならない。気分的にのりきでないけど仕方ないと漏らしている。

 また、キリ番ゲットのSHU-LANさんは来週留学のため渡米するとのことだが、アメリカの航空会社ではテロの標的にされかねないので、カナダの会社を希望したのに、世界中の人が同じ事を考えているせいかうまくいかないようで、結局アメリカの会社を勧められているらしい。アメリカのどの航空会社も現在キャンセルが多くて空いているからねえ。

 今後アメリカが戦争を始めると、アフガニスタンにしろ Bin Ladenにしろ武力でアメリカに勝てるはずがないから、テロでの反撃が充分に考えられ、ますます、航空機使用の不安が高まってくる。飛行場内でのセキュリティを強化しても死ぬことも厭わないテロリスト達、逮捕されることは承知でセキュリティをかいくぐる手段を探してくるであろうから・・・。大丈夫なのかこの世の中。

2001/09/18
日本から帰国命令が出た。

3年の予定であったから、まあ仕方ない。

ダラダラした生活も長くなると社会復帰不可能になる可能性もあるしなあ。

しかし帰国後の職場の手続きが煩雑でさすが日本といわざるをえない。

飛行機に乗るのなんとなくいやだよなあ、この時期。

まあ、11月末だから、それまでにすべての問題が解決してくれていればいいのだが・・。

まあ、無理か。無理だろうなあ。

「頼む俺の飛行機襲わんどって。」


2001/09/19
この日の日記は日本人からみたオマハ生活
手を挙げろ

2001/09/20
この日の日記はTadの周囲での出来事記録室Huskersキチガイ3

2001/09/24

 研究している人達って、なんだかんだ言ってもこの世界が好きだから身をおいているのである。

一生この世界にいたいとは思っていない私なども短期間だと思うからなおさら、

真面目に研究させてもらっているわけだ。

アフリカ出身でアメリカで研修医をしているドクターWが

現在我がラボに来ている。

来ているといってもたまにしか顔をださないのであるが。

その彼に指導をしてくれとボスから頼まれた。

それも突然2週間前に

来月10月中旬の学会抄録の締め切り日に間に合わせて

データを出せるようにしてくれというのである。

昨年も短期間我がラボに顔を出していただけで

結果を出せた彼をボスは高く評価しているようである。

だからといって、たった1ヶ月で何ができるというのだあああああ。

まあ、ボスの命令に逆らうわけにはいかないし、

とりあえずWの実験につき合うことになった。

今回の実験手技は彼にとっては初めてだし、手とり足とり朝からじっくり教えてあげた。

翌日の今日、データを得る段階になって全く使えるデータがないことが判明した。

つまり、実験は失敗していたのである。

細胞のコンディションによって同様のことが

この系に慣れた私にもよく起こることなので、

まあ、気を取り直して明日、同じ実験をしようということになった。

「すると、明日の何時頃来て欲しいか?と聞いてきた。」

「いや、自分の好きな時間に自分で実験をするんだよ。」と言うと

「難しいから1人ではできない。」とあきれた返事がかえってきた。

ガキに教え込んだわけじゃないんだから、いやガキでも一回で理解できる簡単な実験だ。

「自分でやってみてわからないところは聞きに来なさい。」というと、

「時間を無駄にしたくない。」とふざけた返答をしてきた。

おいおい時間を無駄にしていたのは俺の方だと思ったがぐっとこらえて

「抄録にかけるデータを揃えるまで条件は違うが同じような実験を少なくとも15回以上しなければならない。」

「だから、自分でやれるようにしとく必要がある。私に毎回つきあう暇はないよ。」というと、

「そんな大変な研究ならやりたくない。」と言い返して来るではないか。

ムカッとして、「簡単な実験と思ったからボスも君に任せようと思ったんだよ。」

「これが難しんだったら、何もできないぞ。」というと、

「臨床研究の方が楽だ。データを出したらあとは統計学者にデータを渡すだけ。」と本当にふざけた返答である。

臨床研究やったことあるんかコラッといいたいところを押さえて

「臨床研究の方がこの倍以上難しいぞ。」

「条件を合わせるのにどれだけ苦労がいると思っているんだ。」と言い返した頃、

ふと彼が涙ぐんでいるのに気付いた。おっと、やりすぎたようだ。

お前俺よりずっと年上だろうが。

「研究したくない奴に無理して研究してもらう気は全くないし、第一俺は暇じゃない。」

の台詞を用意していた私はぐっとそれを引っ込めて、

「まあ、簡単な研究だから、また明日側で見ていてやるよ。」と言ってあげた。

少しは彼も落ちついたようだったが、しばらくしてまたやってきて、

「明日は忙しいから木曜日以降にしてくれ。」と言ってきた。

「おい。お前抄録の締め切り日わかってるんか。」と言おうと思ったが、やめた。

こんな奴は見捨てるにかぎる。

聞けば昨年のデータもあまりにもいい加減な彼を見かねた昨年の指導者である中国人Wが

ボスにおこられるのではと心配して殆どの実験をしてあげたらしい。

学会の準備も中国人Wの仕事となったらしいし。

こんな奴に研究してもらわなくとも、世の中の科学は進歩していく。

おっときまったかな。今日の私すこし・・・・すてき。ゲロ


2001/09/25
 昨日の一件で完全に見捨てたはずのアフリカ人Wが本日昼頃私に近寄ってきた。

昨日考えてやはり学会に出席したいといった結論に達したらしく、

泣きを入れて来たわけである。

研究はしたくないけど学会で発表だけはしたいなんて、世の中をなめたやつである。

仕方ないからとりあえず今からしなければならない実験計画を立ててあげて、

明日から毎日実験に取り組む必要があることを伝えた。

学会の抄録締め切りに間に合うかと聞いてくるから、

無理だとは思いながらも、「W次第だよ」と答えてあげたが

「Tad次第だろう。」とWが返してきやがった。

どこまでも甘えたやつである。

昨年中国人Wがすべてセッティングしてあげたから、

今年もそのようにしてもらえると思っているらしい。甘いな。

こいつが一週間以内に音を上げるだろう、に一票。


2001/09/28
この日の日記は日本人からみたオマハ生活辛すぎるぞ三重人K

2001/09/30
マホニステートパークへ行ってみた。

以前からそこにあることはわかっていたのだが、

ネブラスカの一部を囲ってみせたら何処だって天然だから、

何も特別その土地の自然を見に行く必要はないと思っていた。

ところが、予想していたほどは近代社会から離れた公園ではなかった。

プールはあったしゴルフコースもあったりで。(鹿児島育ちの私が考える近代社会の象徴)

ジャングルジム、滑り台、砂場など子供が楽しめる広場もあったから子供達は大満足。

その他宿泊施設、キャンプ場、レストラン等もあり観光客相手の商売もしているようである。

まあ日本によくあるような公園といえよう。

なかなかやるじゃないかと認めてはあげたのだが、

イエローストンやグランドキャニオンといった米国で人気の国立公園を経験してきた私としては

やはりこの公園をなめていた。

そんな私の目に留まった構造物は簡易鉄骨で組まれた展望台。

公園の東に流れる川沿いに建っていた。

田舎づくりのちゃっちい高さで展望台と言えるんかいと言いながらも記念に登ってみた。

ところが、下がすけすけで登るごとに地面が遠のいていく。眩暈がしてきた。

高所恐怖表情で周囲の人々に恐怖を伝えながらも登頂をこころみたのであるが、

ほんの2階部分に達したところで、下枝を保持すべき筋肉が異常な収縮運動を始めたため、

名誉の撤退となった。(なんの名誉があるんじゃい。)

田舎の公園のくせに手強い奴だ。


Tad国王日々の記録室

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