崖下の恐怖

知らない間の大雨。

深酒が外界からの刺激をすべてシャットアウトしており、

朝までその異常な雨に気付かなかった。

早朝から周囲に存在を主張しながら走る消防車。

「こんな雨でも火災は起こるんだよなあ。」と、

別に非凡ともいえない一日をスタートさせようとしていた。

昼所用があって子供の頃から慣れ親しんだ道を400m程北上してして驚いた。

「道がねえええ。」



鹿児島への大雨はたった一晩でも不幸をもたらす。

シラスでできあがっている台地。崖下で油断していると埋まってしまうのだ。

わが実家からも見える高台に目立つ墓地の一画が崩れていた。

聞けば車が一台埋まってしまったらしい。

幸いにして犠牲者はでなかったのだけど。

アメリカのとにかく平坦な土地オマハではその存在すら確認できなかった崖。

「崖をなめるんじゃないぞ、坊主。」

「古代から崖は恐れられていて、特に谷の崖は獅子の子供を落とすために利用されているらしいんだ。」

と、よくわからない説明だけど、子供心に恐れていた崖。

その恐ろしさを現実に認識させられた今、

経験あるもの知りおじさんとして

これからの子供達に親しまれる生き方をする決意をするのであった。

飲んで寝ていても経験は積めるということだ。



2002.04.25

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