セミの鳴く町

鹿児島は相変わらずの暑さで、

せみの鳴き声がそれをより強調している。

ビールがうまいのはいいのであるが、

体重増加に歯止めがかからない。

さて、予定外だった帰郷ということもあって、

仕事のほうは放ってある。

怪しげな原稿依頼と研究会の準備なのであるが、

どちらもやる気が起こらない。

別に東京にいても仕事はぎりぎりまで手を着けない私であるけど、

今回は鹿児島にその責任のすべてをふっかけて

言い逃れをすることができるのだ。

もちろんその特権を最大限に生かすつもりだ。

ただ、小心者の私は昔から無意味な準備だけはしていく。

目を通すことはないとわかっていながらも

参考資料だけはかばんに詰めて来た。

遠足に参考書を持って行ってしまった過去を持つ私であり、

その無意味さについてはまだ理解できていないのである。

しかし、やる気になれば

著明な作家が都会から離れた静けさの中で作品を仕上げていくように、

私もバリバリと仕事をこなしていけるはずだと、

早速資料に目を通したのではあったが、

きまって翌朝、不快な眠りから覚めた状態で我に返るのである。

ああ、鹿児島よ。

やはりあなたに、身をゆだね、平穏な日々を過ごしていこう。

せっかく都会から離れた静けさをそなえた、

でもセミが鳴きビールのうまい場所なのだから。

(何が言いたい?)

2002.08.15

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