老人にとっての快適空間

盆が過ぎて鹿児島の街の人口が減っていく。

帰省していた薩摩の隠密達も日本の中心都市へと、

策略の中心都市へと帰っていった。

鹿児島の将来は君達の肩にかかっているのだ。

たのむぞ、次に首都移転の話が出たら、指宿あたりになるように画策してくれよな。

ワールドカップのジダン招聘くらいでは、砂蒸し温泉は繁盛しなかったんだよ。

ハトバスを指宿にもってくるくらいの大掛かりな作戦が必要なんだよ。そのために・・。


さて、実家で以前のように怠惰な日々をすごしている。

連日の熱帯夜は、ふくよかなる私の魅力のボディーを

干からびさせてしまうようで、

デブ専アイドルの称号剥奪の危機に陥っている。

それはまずい。文明の利器を利用するべきだという結論に到達した。

もちろん、これまでのように

シャワーから出たままの生はだを拭かずに放置し、

気化熱でもって体温を下げる方法も継続するのではあるが、

実際問題として考えてみれば、エアコンに頼るのがベストであろう。

留学前に上野で使用していた、私のエアコンを

実家では親父がチャッカリ自分の部屋に取り付けている。

夜間もフル回転させておりエアコン暦は相当長い。

素人が口出しすると結構うるさいらしい。

本日も天気予報で最低気温、と最高気温はチェックしてあり、

エアコン利用やむなしの夜と指定されていた。

ということは、親父の部屋にもぐりこむことで問題は解決されるであろう。

老人の夜は早いため、親父はさっさと就寝していた。

私は充分に焼酎を楽しんだ後の丑ミツ時、

毛布片手に忍び込んだ。

と、「さむうううういいいいいい。親父のやつ設定温度を20度にしてやがる。」

「これでは風邪をひいてしまうわい。」

「ボケて設定を間違いやがったな、あぶねえなあ。」

と、27度に設定しなおして、寝入った。

ところが朝方、「シベリア抑留の旧日本兵の辛さを思い知らせてやるう。」

と、責められているかのような寒さで目がさめた。

親父曰く「暑くて暑くて夜中に目がさめてしまったではないか。」

「見たらエアコン27度になっている。」

「もとの温度にもどしておいたからな。」

私「おおおお、何者なんだあ。」

「毛皮にでも覆われているんではないかあ。」

「薩摩人は薩摩人らしく高温多湿を楽しむのだあ。」

2002.08.16

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