わが輩は猫が嫌いだ。

困ったことに実家に猫がいた。

可愛いのは認めるけれど私はペットは嫌いだ。

実家では私が大学生になり家を出たことを幸いと犬を飼ったことがあった。

そこいらにいる野良犬の方がまだましじゃないかと思うくらいの雑種であったが、

9年の長きにわたり横柄な態度で実家の聖域を蹂躙していた。

しかしむべなるかな傲慢者といえど生き物だ。

3年前にわがままなまま年老いて死んでしまった。

帰省の度に吠えられ、お尋ね者登場との御紹介にあずかったものではあるが、

いなくなると不思議なもので寂しく感じたものだった。

どうやら私は動物そのものが嫌いなのではないようだ。

責任を持って育てていくのがいやなのだ。

どうしても不潔になることも問題だ。アレルギーの原因にもなる。

ええと、ここで断っておく必要があるのかないのかはよくわからないが、

ここで言う動物の範疇に、嫁は入らないといっておこう。とりあえず・・

さて今回はそんな私の理想とする環境に猫が割り込んでしまったのだ。

いや、実家にもどった私が猫がつくるぐうたらな世界に

入り込んでしまったといった方が表現としては正しいのかもしれない。

ただしこの猫、今度結婚する妹からの預かり物だ。

新居のマンションで飼えるかどうかでこいつの運命が決まるのである。

新婚生活に割り込めるのか、それともペット好きな新しい飼い主に引き取られていくのか。

人間の都合に翻弄されるこいつもかわいそうだからと、

どうせ暇だししばらく遊んでやることにした。

母は今年始めに他界してしまったから、我が家には親父と末の妹がいるだけだ。

親父も妹も何かと忙しく相手してやれない。

つまり現在暇しながら家にいるのは私だけということになる。

ということでこいつ図に乗りやがって

四六時中私の後ろをついてまわるからうっとおしいったらありゃしない。

食事をしていると食卓の下で私の臭い足にへばりついているし、

トイレに行けばドアの外でせかすかのように坐っている。

風呂に入れば湯気の向こうには猫影がうろついており落ち着けない。

これだと飼い主としての妹の立場ってないよなあ。

だって、誰にでもなついているじゃん。

私はペットが嫌いだといっているだろうが。よるな!

しかしこの猫、以前いた犬よりもはるかに横柄で生意気だから、

面白くて目が離せない。

2003.05.29

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