蜘蛛へ思い入れ

のんびりとした職場の白い壁を蜘蛛が這っている。

背景の白さが蜘蛛の黒さをよりクリアにしているのであるが、

蜘蛛自身は気付いていなさそうである。

だからと言って、見ている私も特に危害を加える気もないので、

ただぼっと眺めているのであるが、

「ああ、田舎町に住んでいるんだなあ。」と感慨にふけってしまう。

「晴耕雨読の毎日を過ごしている私を老後若いもんは支えてくれるのであろうか。」



ところでこの蜘蛛がタランチュラだったりすると、少し話が複雑になってしまう。

白壁のつるつるさなんてどうでもよくなるだろうし、

ましてや、のんびり物思いにふけっているついでに視野に入れているなんて

悠長な状況は継続できないであろう。

「キンチョールで対処すればいいのであろうか。」

「でも飛びかかって来られたらやばいだろうし。」

「やはり新聞紙でたたいて潰す策を選択するべきなのであろうなあ。」

初夏の昼下がり、悩みの多い年頃の私である。

2002.06.05

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