写真:おまえ
 
 ゴム手袋に久しぶりに話しかけてみた。「やっぱり今でも中が濡れていると、手の甲がはりついて指をとおしにくくなるのか?」あれは10年も前の事になろうか。軍手よりも密着感を感じることができる、すこし湿り気味のゴム手袋を代替グッズとして使用した時のことであった。前述のようなはりつき現象が突然起き、私の手の甲の皮膚はひっぱられた。それでも手袋の渕をひっぱって無理に手を入れようとしたのであるが、血行を遮断された手の甲が外部からも白く変化してなまめかしく見えたのである。そのうち手のひらがつってしまい、痛みから思わずゴム手袋を抜き取ってしまったが、あのときのときめきは想い出として今でも鮮明に私の脳裏によみがえってくる。 「お前も歳をとったな。フッ」私は遠く過ぎ去った若かった日々をこいつの色あせた黄色い肌に感じながら自分の白髪を掻きあげた。







Home