“台湾鉄路管理局 彰化機関区の蒸気機関車”


台湾の西海岸沿いに、第一の都市台北と第二の都市高雄を南北にむすぶ、中華民国交通部台湾鐵路管理局(台湾国鉄)西部幹線 。特急に相当する自強号で台北から2時間半、高雄から2時間10分ほどのところに台湾中部の都市、彰化があります。

台北方面からの列車が彰化駅に到着する直前、右側の車窓をターンテーブルを備えた扇形庫に待機する蒸気機関車やディーゼル機関車が横切ります。

彰化機関区のターンテーブルに乗るディーゼル機関車

彰化機務段(機関区)は一般の見学が可能で、彰化駅のホームにも案内が掲出されています。駅を出て線路沿いに台北方面に歩き、地下歩道で線路の下をくぐると、彰化機務段の入り口です。見学は、備え付けのノートに住所と氏名を記入するだけ でOK。台湾以外にも日本人の名前やアルファベット、ハングルなど、国際色が豊かです。

扇形庫に休む機関車 見学者には台湾の鉄子さんも 2010/11/08

日本國東京都○○区……と記入していると、2人の若い女性が台湾名物のスクーターで乗り付けてきました。今は、台湾も鉄道ブーム。日本と同様に、女性の鐵路迷(鉄道ファン)も増えているようです。鉄子さんは、中国語ではさしずめティエルーシャオジェ(鐵路小姐)でしょうか。

扇形庫には電気機関車も入っています 2010/11/08

彰化機務段には、もう台湾ではここだけになった日本統治時代の扇形車庫(扇形庫)が健在で、ターンテーブルも日夜活躍しています。蒸気機関車、ディーゼル機関車とともに電気機関車も扇形庫に入っています。架線がないため電気機関車は自走できず、パンタグラフは折りたたみ、ディーゼル機関車が出し入れをします。

台湾のC12 CK120型 2010/11/08

彰化機関区の蒸気機関車をご紹介します。2010年12月27日付の交通部台湾鐵路管理局プレスリリース(もちろん中国語)等をもとにしています。漢字の拾い読みのため、誤りがあればご容赦ください。

彰化機務段のスターは、動態保存の蒸気機関車CK124。カウキャッチャーとデフを付けていますが、日本の国鉄C12と同型で、日本統治時代1936年の日本車両製。1979年に廃車となった後、2001年に復活。以後、台湾鐵路管理局の各線で、イベント列車の牽引に活躍する人気者です。

CK124が引き連れる煤水車 2010/11/08 

2010年6月〜8月には、西部幹線山線の台中近く、急勾配区間をトンネルに切り替えて廃線となった三義−泰安間の線路を復活させて、“CK124蒸汽火車+TPK車廂”が9日間、10月には“蒸汽火車CK124(郵輪列車)”が、台中−彰化−民雄間で、3回にわたって運転されました。CK120型はタンク機関車のため、積載できる石炭と水の量が限られるためか、いつも無蓋貨車を改造した煤水車(炭水車)を連結しています。

日本の国鉄にはない日本型の蒸気機関車 CK101 2007/12/24

CK100型のCK101は、1917年の汽車製造会社製。1974年の廃車後、1998年に動態保存機としてCK124より一足先に復活しています。汽車会社は川崎重工に吸収合併されているので、台湾新幹線700T型の大先輩にあたります。日本型の蒸気機関車ですが、日本の国鉄にはこれに該当する型式はありません。

CK101は、2010年9月から臺北機廠で大修理が行われているそうで、11月の訪問日には彰化機務段にいなかったため、2007年12月訪問時の写真を載せておきます。2010年5月末に修理が終われば、CK124との重連運転を計画中とか。

DT650型はD51  2010/11/08

DT650型DT668号は、1941年の川崎車両製で、1972年に廃車となっています。1939年から戦後の1951年まで、台湾向けに37両製造されたD51の標準型の生き残りです。2011年は、辛亥革命で清朝をを倒し、中華民国が建国されて100年。交通部台湾鐵路管理局から、民国100年を記念してDT668の動態復活が決まっており、計画では10月末完成と発表されています。

CT270型はC57  2010/11/08

前回の2007年末の訪問時にはいなかった、1943年の川崎車両製CT273が扇形庫で休んでいます。左右の両面に赤地に白抜きで“蒸氣機車CT-273回娘家”と書かれた横断幕が掲げられています。CT270型はテンダの台車が板枠型で、日本国鉄C57の二次型に相当します。戦後1953年に米国の援助により、日本から購入した8両を含め、14両のCT270型が日本のC55に相当するCT250型とともに、西部幹線の急行列車牽引に活躍しましたが、電化により1979年に休車となり、1984年に台湾最後の蒸気機関車として廃車となりました。

その後、彰化県の台湾民族村に有償で貸し出されていたものが、2010年2月に彰化機務段に里帰りしたのだとか。何か変だと思ったら、ヘッドライトがありませんね。DT668の工事が終わってから、1年かけてCT273の動態復活工事に入り、2012年10月の完成予定とのことです。