表紙
試運転はほぼ順調でしたが、一度電路のコネクター部でトラブルが発生、瞬間浮上する事態が発生しましたが、これも何とかクリアーして予定どうりに引き渡しています。
                        
 
カタログより

'しんかい2000’のあとは、しばらくの間3000m級と2500m深度の無人潜水機の話があり、これに関っておりましたが、6500mの話が現実的になり、以降フル活動しました。

6500m潜水調査船の主要目などそう大きく変りはありませんが、さらなる軽量化のため耐圧球はチタニューム合金で出来ています。(純チタンはもろくて使えません)トータル125億の代物でした。

試運転は、'しんかい2000’では紀伊半島沖で実施しましたが、6500mでは仙台沖で実施されるなど大掛かりなものになっています。

その後、10000m無人潜水機の設計にも携わりましたが、現在は自立型の無人機(コンピュータ制御による)が登場しいます。
建造船 プチ回顧  -'しんかい2000’-
  

  INDEX

 |ハイライト

 |60年代後半

 |70年代前半

 |70年代後半

 |80年代以降

 |しんかい2000

 |船の種類
'しんかい2000’は日本での潜水調査船の草分けで、これを機に海洋調査が進んでいます。引き続き'しんかい6500’、さらに10000mの無人潜水機と広がっています
  <'しんかい2000の設計>   

最終章です。'しんかい2000’についてお話しておきます。 私が'プロジェクトに参加したのは1980年ですが、設計、 建造は1978年よりスタートをしていました。途中より設計に参画しました。 そして完成は1981 10でした。

'しんかい2000’
 主要目 9.3x2.9x3.0 m
 重量   23.2 t
 深度x潜航時間 2000 m x 8 時間
 乗員   3 人
 耐圧球  高張力鋼  2200 mm dia
 外殻   純チタン
 油圧   油漬型
                    カタログより
                                                                            
設計に際しても最も苦労する点は、200気圧の水圧を受ける各機器の設計で、水中重量はほぼ0にする必要があり、出来る限り軽く造ることが要求されます。このため人間の乗る耐圧球と電子機器の一部のための耐圧容器以外は、基本的に油漬けです。マッコウクジラが1500m深度に潜れるのも同じ原理です。油(油は圧力を受けてもちじみにくい)を入れ均圧にします。

耐圧穀は高張力鋼で引張応力130kg/mm**2(普通の鋼では41kg/mm**2)で3倍以上の強さを有しています。また真球度(いかに正確に球に近ずけるか)は強度を保つ上で重要で、工作技術も含め研究開発を行っています。

また水中重量を0にするため、機器の重量に見合う浮力材が必要になります。もちろんこの浮力材も水圧を受けるわけですから、水圧に耐える必要があります。この浮力材は大きさの異なるμ単位のガラス球を樹脂で固めたもの(マイクロ・バルーン)です。これもかなりの開発要素を含み試作をふまえ製品化されています。                      試運転より帰還

外国ではすでに4000m級もありましたが、日本も深海に挑むという御旗の元に、すべて国産、開発の方針で進みましたが、各メーカーには多大の知恵と努力を払って頂きました。そしてこれは引き続き開発しました6500m級に大いに貢献しました。トータル37億(大型コンテナ船一隻の値段と同じ)の代物でした。
   
水中での運行は音響機器を使い、潜水船自身の機器とその都度海底に設置したトランスポンダおよび母船とのやりとりで行ない、耐圧級内より潜水船を操縦します。