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小笠原旅行記 4日目2007.12.31-2008.1.6

小笠原シーカヤック

今日はシーカヤックツアーの参加の日。
「南島」か「ジニービーチ」までカヤックで向かう予定だが、可能かどうかは海のご機嫌次第。
どうか海に出れますように。海の神様に微笑んでもらえることを祈りながら、ツアーの車を待つ。
宿の外でしばらく待っていると、お世話になる「ブルースカイビックホース」のジロウさんが迎えに来てくれた。
扇浦の売店で、とてもニンニクの匂いが香ばしい、疲れが吹き飛びそうな弁当を車に積み込み「小港海岸」に向かう。
「小港海岸」に到着すると、ビーチの入口付近の路肩に車を停め、ここで装備の準備をする。
ここでもう1台の車を運転していたツアー会社のスタッフ、アサちゃんが到着。
本日の一行は大人11人、子供2人の大所帯となった。

まずはここでドライバック(防水バック)が一人1個配られる。
万が一、カヤックが沈しても(ひっくりかえっても)水が内部に入らないすぐれものだ。
僕たちは自前のドライバックを利用する。
南国とはいえ、正月のこの時期はまだ肌寒い。特に川の水は海のそれより冷たい。
参加者の多くはウェットスーツをレンタルしていた。
僕たちは長袖のラッシュガードの上にTシャツを着込み、ゴアテックスのレインウェアの上着を着込んだ。さらにその上にライフジャケットを装着。
陽射しがない時は、この装備でちょうどカヌーの上での温度調整が良かった。
小港海岸に注ぐ八ツ瀬川
小港海岸に注ぐ川が「八ツ瀬川」色は濁っているが、水際まで木々が張り出し、まるでマングローブ林。
これぞ南国の川といった、美しい自然の風景。
とても水の流れが穏やかで、シーカヤックの絶好の練習場所だ。
小笠原のシーカヤック
各々使用するカヤックに荷物をセッティングする。妻と僕が乗る2人艇。後ろに僕、前に妻が乗る。
貴重品・タオル・着替えを乗せた防水バックを後ろにセット。
各々の足元には500mlのペットボトル。
前方座席の後ろの黒いバックは一眼レフを入れたカメラ用の完全防水バック。
「パシフィックアウトドア」の「防水バックパックF-トレイルズーム」だ。
水辺のアウトドアに一眼レフを持っていけるよう、今回の小笠原の旅の前に購入したもの。
ザックに装着するバックルで、ちょうど良くカヤックに固定することができた。
八ツ瀬川でシーカヤック
荷物をセットしたら、パドルの漕ぎ方、カヤックの乗り方のレクチャーを受け、早速八ツ瀬川にこぎ出す。
はじめはみんなで河口付近を往復して練習する。
川の上にそそり立つ溶岩石の断崖絶壁には小さな穴が開いていて、細い金属がこちらに向いている。
恐らくトーチカだ。小港海岸は美しい砂浜。米軍が上陸するのにはもってこいのポイント。
上陸した米軍に向けて機関銃で掃射する場所だったのだろう。
未だにどうやってあんな所につくったのか想像すらできないトーチカの穴から、錆びついた銃身がいなくなった敵を探しているかの様だ。
父島の山肌
しばらく上流に行くと、天気が劇的に回復してきた。
羽織っているレインウェアが暑く感じるらいだ。
原始的な姿を残した八ツ瀬川。本州ではこんな川の姿が見られるところは少なくなった。
一部護岸されているところはあるが、その対岸は原始の姿そのもの。
その気になればカヌーを接岸させ、そのまま深い森の中に歩いて入っていける。

その対岸にはマメ科の植物がたわわに実を結んでいる。光を透かしたその実がとても美しい。
そして、川の上には水道管がワイヤーで吊るされてその深い森に消えていく。
原始の中を横切るライフライン。不思議な感覚のする場所だ。

上流に進むにつれ、青空が広がり、初夏を思わせるような様相になってきた。
南国の木々が、ここが遠い異国の地であることをひしひしと伝えてくる。
ふと見ると、岩肌や地肌が露出した山の斜面に何か動くものが・・・
ノヤギだ。よく見ると斜面のいたるところに確認できる。
この一帯には柵が張り巡らされ、ノヤギたちは降りてくることができず、山に追いやられている。
残念ながらこのノヤギたちは人の手で全て駆除される予定だ。
本来人間の手で持ち込んだ家畜が野生化し、小笠原の独特の生態系を激しく破壊しているのが現状。
のんびりと草を食むその姿を見ていると、人の手で狂わされた命の行きつく先を痛々しいほどに感じてしまう。
隔離され守られていた美しい小笠原の自然は、今さまざまなジレンマと戦っている。
小笠原の川
八ツ瀬川の水辺にはオオハマボウがマングローブのように群生している。
黄色く可憐で大きな花をいくつも咲かせていた。
大きく張り出し、着水した枝の下をカヤックでくぐりぬける。
沖縄の西表島の川をカヤックで探検するかの様な、南国の川の楽しみがここにもあった。
カヤックで木々の間に入っていくと、水面に反射する光とマングローブ林の木漏れ日に挟まれる。
パドルを水の中に突き刺すと、水のはじける音がして、その光がキラキラと揺らめく。
そしてかすかな水を押し分ける音がしてす〜っとカヤックが前に進んでいく。
それがとても気持ちよくて、楽しくて、僕たちはカヤックを漕ぎ続けた。
小笠原・小港海岸
午前中は八ツ瀬川でカヤックの練習をしながら、「小港海岸」で荒れている海の回復を待っていた。
が、残念ながら天気はとても良くなったが海の機嫌はまだ直らない。
どうやら今回は、この青い海にこぎ出すのは不可能なようだ。
とても残念だが、これが自然。
なぜだか、この雄大な美しい海を見ていると、そんな残念な気持ちもどこかに飛んでいく。
荒々しくも美しい南国の海。その青さが心の中に染み入ってくる。

小港海岸のビーチはごみ一つ落ちていない美しい白砂。
きめが細かくてやわらかく、素足で歩くととても気持ちいい。
海にはフロートが2つ浮いていて、海が穏やかで温かい時は絶好の海水浴が楽しめそう。
陽射しは南国そのもの。正月とはいえ、とても温かい。
青い海と白い砂の美しいコントラストは美しく、北風と荒波の音すら気持ちよく感じる。

このエメラルドグリーンの海に今日はこぎ出すことはできないが、遊ぶことはできる。
ウエットスーツをレンタルしていたカヤックツアー参加者は、待ってましたとばかりに次々に海に入り出した。
不思議に海の水はとても温かく、足をつけても気持ちよいくらい。
でも、快適に遊ぼうと思うと、どうしてもウェットスーツは欲しい。
ラッシュガードは着ていたが、午後のカヤックのことを考えると、さすがに海で泳ごうとは思わず足をつける程度で済ます。
これで本日も、2008年の初泳ぎは果たすことはできなかった。

そんな海に入らない僕たちを見ていた、ジロウさん。青い海の上の緑の丘を指さした。
絶好の展望台があり、ちょっとしたトレッキングルートがあるから行ってきたらどうですかと言ってくれる。
さすがにツアーから外れ、単独で遠くまで行くのは迷惑がかかると遠慮するが、待っているから大丈夫と勧めてくれる。
お言葉に甘えて、向かうことにする。今考えれば、もうカヤックで海に出ることができないので、ここで思い思いの時間を楽しませてくれたのだろうと思う。
海で泳ぐ装備をあまりしていなかった僕たちは、山に向かうことにした。
向かうのは中山峠展望台。ジニービーチ、ジョンビーチへ向かう山道の途中にある。

中山峠トレッキング

中山峠トレッキング入口の橋
ここが中山峠へ向かうルートの出発は八ツ瀬川に架かる橋だ。
この橋の右側の河原が、シーカヤックの出発地点にもなっている。
このトレッキングルートは「ジニービーチ」と「ジョンビーチ」という、小笠原でも1,2の美しさとロケーションを誇るビーチに向かう道。
そのビーチには車で向かう道がないため、この橋から山道を歩くか、カヌーで海を漕いで行くしかない。
まさにこの橋が、美しく人気のビーチへの出発点。
多くのトレッキングをする人が、この橋を渡って山の中に入っていく。

橋を渡ると、厳重に門が閉められている。これは通行止めではない。
人間は通れるが、ノヤギは通れないようにしている。
ノヤギとは、小笠原の開拓時代に移植民が持ち込んだヤギが野生化したもの。
太平洋戦争時、激戦地区になったこの島は、長いアメリカの支配を経て、日本に返還されている。
返還後は東京都の政策で人が住むのは父島と母島のみとし、島内の住める地域も限定したそうだ。
そのため、無人島や人の入らない山の中でヤギが爆発的に野生化して繁殖し、貴重な小笠原の植物を食べつくしている。
ノヤギはいずれすべて駆除される予定だ。
しかし、父島に生息するノヤギはまだ駆除が開始されていない。
今は山からノヤギが降りてこれないようにして、生息範囲を縮めていく方法がとられている。
見下ろす八ツ瀬川
門を開たらしっかり閉めて、山道を登っていく。
道はきちんと整備されていて歩きやすく、迷うことはない。
どんどん下に流れる八瀬川が足もとに小さくなっていく。
先ほど渡った橋が、もうだいぶん遠くになってきた。
この八瀬川でもカヤックでリバーツーリングが楽しめ、絶好の練習場所だ。
この山道からは原始の姿を色濃く残す、南国の川の様相を見下ろせる。
父島の山々
熱帯雨林のジャングルを思わせるような山肌が見え隠れする。
とても遠くの島に来たと思う光景。今、日本の中でお正月を過ごしているとは思えない。
小笠原の青い海
眼下に小笠原の青い海が広がり始めた。
ビーチから見ているよりもさらに青く、瑠璃色というよりもスカイブルーに近い海の色が広がる。
手前の木はタコの木。小笠原にいっぱい生えている木で、根本がタコの足のように広がっている。
タコの木は皮細工など、小笠原の伝統工芸にも利用されている。
コペペ海岸
青い海の向こう、対岸には「コペペ海岸」
小笠原の海岸には、きれいな東屋とトイレが必ずと言っていいほど整備されている。
まるで南の島のプライベートビーチのようでとても美しい。
しかし、その背後の山には今も、朽ち果てた大砲がこの美しい海に狙いをつけながらトーチカの中で眠っている。
この海で、戦争が行われていた確かな証拠と記憶が、探せばこの付近にはいっぱい見つけられる。
小笠原の山々
山の斜面を登り切ると稜線に出た。
海のすぐ上、暖かい南国なのに、その風景はまるで森林限界を超えたアルプスの山々のようだ。
小笠原は火山でできた島。岩肌がむき出しの場所が多く、そこには木々は生えないのだろうか。
とても荒々しく手つかずの自然が広がる島の風景はとても雄大。
本格的な山登りの装備で小笠原を訪れたトレッカーを多く見たが、その目指すものがよくわかった。
小笠原・中山峠
稜線に出たらすぐ中山峠に到着。ベンチと傘があり、ちょっとした展望台になっている。
歩行時間は約20分弱。本当にちょっと歩いただけでこの絶景。
空と海と大地の交わりが手に取るようにわかる、素晴らしい景色。
こんなに美しい場所だとは思いもしなかった。
強く勧めてくれ、時間も用意してくれたジロウさんに感謝。
展望台付近には木々は生えておらず、360度、さえぎる物のない素晴らしい父島の展望を楽しめる。
中山峠と南島
中山展望台から南西方面を望むと山を下った所にブタ海岸があり、そこから約1時間でジニービーチやジョンビーチにたどり着ける。
海の向こうに見えるのは南島。小笠原を代表する風景の「扇池」がある島だ。
厳しい入島規制のある島だが、明日、あの島に向かう予定をしている。
本当は今日、シーカヤックであの南島に行けたらと思っていたのだが、念のため明日のクルージングツアーで南島上陸の保険をかけておいて正解だった。
小港海岸とコペペ海岸
上・左側写真の中、右のビーチが小港海岸。写真中央の奥のビーチがコペペ海岸。
すぐ近くの2つのビーチだが、車で向かうとぐるっと迂回するのでとても時間がかかる。
小港海岸からコペペ浜に行くのなら、泳いで行ったほうが早いと地元の人は言うが、まさにその通りだ。
父島の青い海
海の青さと、島の緑が混じりあい、交錯する。
差し込む光が、それらが持つ色をさらに鮮やかに染め上げる。
遠くから聞こえる大きな波の音がリズムを刻み、時の流れを止めたかのような風景。
ただ、美しい。心はこの風景に惹きつけられ、虜にされる。

美しい眺めを楽しんだら、小港海岸まで戻り、ツアーと合流する。
結局残念ながら、この日は海にカヤックで出ることができず、午後からも八ツ瀬川でのツーリングとなった。
それでもそれでもツアーを主催しているジロウさんはいろいろと楽しませてくれた。
様々な植物を教えてくれたり、川沿いの道路から記念写真をいっぱい撮ってくれたり、最後には、素敵な砂絵のお土産もくれた。
また小笠原を訪れるときも、「ブルースカイビックホース」のカヤックツアーに参加したいと思う。

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管理人 KUMA.
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