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別子銅山 〜森になった町〜  2004.11.20

【別子銅山とは】
日本三大銅山のひとつ。愛媛県新居浜市の山の中にある。
別子銅山の歴史は長く、1691年(江戸時代後期)から1973年(昭和48年)まで283年にわたり採鉱された。
かの有名な住友グループの発展の主要産業であり、住友は開坑から閉坑まで永きに渡って鉱山を経営した。
このような一企業で300年近く採鉱を続けられた鉱山は世界的に見ても例がない。

最盛期には別子銅山には12000人もの人が居住していた。
しかし、資源の枯古、海面下1000m以上に及んだ坑道の危険性の増加、銅の価格下落などの影響を受け、昭和48年に閉山となった。

現在は別子銅山のために切り開かれた山の中には人は住んでいない。
銅山開発のため、この山域の木々は斬られ、荒涼していた。
そのため、別子銅山2代目支配人伊庭貞剛氏が植林活動を開始し、それはその後も受け継がれ、人が撤退した町は自然に還っていった。

新居浜から県道47号線を別子ダムまで走る。ここに別子銅山の入口である日浦登山口がある。
駐車場が2箇所あり、約30台は車を停められる。トイレもある。
本日は県道47号線通行止めがあったため、日浦登山口には14時に到着する。
銅山越まで約2時間かかる。17時にこの駐車場に戻らないと日は暮れてしまう。
登り2時間、下り1時間の制約を課し、山に入る。
登山口標高は約800m。約500mの標高を登るルートとなる。
日浦登山道からの道
100年前までは何千人という人が住んでいただけあって、道には石畳がのこっており、道幅も広い。
崖には石垣が組まれ、路肩が崩れないようにされていた。
とにかく歩きやすい。
道から下の谷を眺めていると、通洞跡や橋跡などの遺跡も所々に残っているのが見える。
小足谷醸造所跡 小足谷集落跡
ここで酒や醤油、味噌が製造されていた。
明治3年から大正3年まで営業していた。
このあたりは別子銅山でも最も新しく開かれた集落
雇人社宅や商店、クラブまであったらしい
多くのレンガ壁と石垣が森の中に多く残っている 小足谷接待館跡
銅山に招かれた要人が滞在したところで、日本庭園もあったという。
採鉱課長宅跡 在りし日の小足谷集落跡
壁の内側。ここに建物があった。 今は全て森の中の廃墟となっている
小足谷尋常小学校跡 壊れた堰堤
最盛期の明治32年には、生徒数298名、教員7名が在籍した。 透き通った綺麗な水が流れている
しかし昔は、採鉱で汚い川だったんだろうな
劇場跡 在りし日の土木課倉庫(劇場)跡
毎年5月の山神祭りでは、京都などから役者を呼んで大いに盛り上がったらしい。 明治22年の建築で、土木課、山林課の事務所も兼ねた
ダイヤモンド水 ダイヤモンド水上流の谷一帯には精錬所があった
ここは病院へと続いた暗渠の跡
地質調査の際、水脈にぶつかり、あふれ出したそうだ。
地中にはダイヤモンドをちりばめたロッドの先端がまだ残っている。
地下深くからの湧水。おいしかった。
なおここにはトイレと東屋があり、休憩できる広場になっている。
溶鉱炉があったと思われる河原 高橋付近の溶鉱炉跡
焼鉱釜群
この付近の山肌は昔、要塞のような工場群だった
目出度町(めったまち)の廃墟 在りし日の目出田町
大正5年、採鉱現場の変更でこの町より人々は撤退した。
撤退の際、すべての施設は撤去され、その後植林され自然に還った。
最盛期にはここに百貨店や料亭などあり、別子銅山の中心街として栄えていた。
最盛期は、愛媛県で松山に次ぐ規模をほこり、海辺の町から山を越えて買い物に来た人も多かったらしい。
坑道跡 歓喜坑
中から生暖かい湿った風が吹き出して不気味。
ちょうど風呂場の中の空気といった感じだ。
地下数千メートルの地熱が噴出しているのか?
1690年にはじめて別子に開かれた坑道で、別子銅山の中心となる。
以前は朽ち果てていたが、綺麗に復元されている。
歓喜坑上部の道 銅山峠近くの道
昔はこの周辺は大変栄え、物資が頻繁に運送されていた。 植生は回復しつつあるが、冬には雪に埋もれてしまう為、大きく木々は育っていない。
まるで森林限界のハイマツ帯にいるような感じだった。
銅山越 (標高1294m)
ここを越えて、新居浜市内の港まで銅は運ばれた。
冬は雪が積もることもあり、命を落とす労働者が後を絶たなかったらしい。
そのため、峠には無縁仏を供養する峰地蔵が建立されている。
奥にそびえるのが西赤石山(1626m)

銅山越えより1時間、17時過ぎにに駐車場に到着する。
さすがに何千人という人が住み、多くの家と工場があった道だ。
非常に歩き易い。
下りも登りと同様、かなり飛ばして歩く。

トイレを済まし、車に荷物を積み込んだ頃に、あたりは闇に包まれ始めた。
【注意】 ここに掲載している昔の写真は全て、現地の案内看板を撮影し、使用させていただいております。

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