iPhoneによるWAKE ON LAN (WOL)環境の構築について

<iPhoneを使い、離れた場所にあるPCを起動させる方法>





【WAKE ON LAN (WOL)とはなんぞや?】  (2012年3月18日内容更新)
先日、僕は「Splashtop Remote Desktop」というiPhone用アプリによって、メインPCの遠隔操作を可能とするシステムを導入した。(詳細は→こちら
ところが上記のアプリだけでは外出先からのインターネット回線(3G回線)によるメインPCの起動には対応しておらず、メインPCの電源を常時入れたままに
しておく必要がある。(同じ家屋内でのローカルエリア接続時には、上記アプリだけでもOK)
しかし、それでは電気代も勿体無いし、PC各部の寿命も縮めてしまう事になってしまう。
このような時、遠隔操作によってPCを起動させることができれば、上記の問題を解決する事ができる。
この遠隔操作PC起動システムのことを「WAKE ON LAN (WOL)」という。

WAKE ON LANとは、「Magic Packet」と呼ばれる起動信号を外部からLAN経由でPC内に送ることで、マザーボードに電源が入り、OSが起動する仕組みだ。
WOLには大きく別けて2種類の流れ(システム?)が存在する。
一つ目は家庭内LAN(ローカルエリア接続)によるもので、こちらの場合は起動処理を実行する側(メインPCを呼び起こす側)のアプリにもよるが、比較的簡
単に導入は簡単だ。(無線LAN親機を導入し、その親機とメインPCが有線接続されている場合など)
実際、僕も「Splashtop Remote Desktop」というiPhone用アプリを使う上では何の設定も触る事無く成功した。
(但し、BIOS設定においてWAKE ON LAN機能が有効になっている必要があります。僕のギガバイト製のマザボでは、初期値から有効になっていました。)

ところがもう一つの流れである、インターネット回線(3G回線含む)によるWOLは、幾つかのハードルをクリアしなくてはいけない。
ここでその問題点を説明しようとすると相当な情報量になってしまうため省略させて頂くが、簡単に言うと、電源が落ちているPCは外部(インターネット回線)
からは見えなくなってしまうということだ。
それぞれの(起動している)PCにはiPアドレスという住所のような番号が割り振られている。
これが電源を落としてもしばらく(数分間程度)はARPキャッシュというところに保持されているのだが、時間が経過すると削除されてしまい、外部からは追え
なくなってしまうのだ。
実際、僕もRemoteBootというiPhone用アプリを使って試した際、最初は成功したと思っていても、しばらく時間が経過すると起動できなくなってしまった。

この問題を解決させるために大変多くの方々が悩み続けており、実に様々な方法を模索しているようだ。
中には、ある機器を家屋内に設置することにより、常にiPアドレスを保持したまま稼動待機し、外部からの遠隔操作によって狙ったPCをローカルエリア接続
時と同様に起動させる機器も販売されているほどだ。

で、結論から言うと、僕の場合はWOLアプリを使用しての外部からのインターネット回線による遠隔起動の方法は見つけられなかったのだが、意外な方法
によって上記の諸問題を解決することができた。

僕は家屋内において無線LAN親機を設置し、これによってメインPC以外のノートPCやゲーム機、またiPhoneへのWI-FI接続環境を構築している。
この無線LAN親機(BUFFALO製 WHR-HP-GN)にはWOL機能があることを知り、こちらを利用したところ、いとも簡単にiPhoneからの起動に成功した。

ちなみに、WOLシステムを克服するために必要な条件を下記にまとめてみた。

A)PCのマザーボードが「Wake On LAN」に対応していること。
 上記は、ここ3〜4年間の間に生産されたものであれば、高い確率で対応していると思われる。
 (詳細はPCあるいはマザーボードのマニュアルを確認して下さい。)

B)ルーター(無線LAN親機など)が「Wake On LAN」に対応していること。
 上記に関しては、ここ2〜3年くらい以降から販売されているBUFFALO製のものであれば高確率でOK。

C)上記の無線LAN親機に割り当てられるIPアドレスが、グローバルIPアドレスであること。
 マンションタイプのブロードバンド回線や、ファミリータイプであってもIP電話を併用している場合、無線LAN親機に割り当てられるIPアドレスがプライベートIPアド
 レスになっている可能性がある。
 このような場合では(不可能ではないらしいが)導入が困難となる可能性が高い。

D)モデム(あるいは無線LAN親機やルーターなど)と有線によって接続されていること。
 上記に関して、モデムから離れた場所に設置されているノートPCなど、無線LANによってネットワーク接続されているPCの場合は基本的にWOLが出来ない。

以上がWOLを導入するうえで押さえたいポイントとなる。

それでは、実際にWOLを導入する手順の詳細に関して、自分用のメモ代わりにこの場でまとめてみたい。


【PC側の準備編】
WOLを実行するにあたり、PC側がLAN端子から入力された起動信号を受け入れてPCを起動可能にするための設定をする。

先ずは上にも書いたように、マザーボードのBIOSメニューからWOL機能を有効に設定するのだが、これはマザーボードによって設定が異なるので、マザー
ボードの説明書に沿って設定してほしい。
ここ数年間のマザーボードのBIOSはWOLに対応しているものが殆どで、僕のギガバイト製のマザボでは初期値から有効になっていた。
ちなみに僕のGIGABYTE GA-P55-UD3の場合、「Power Management Setup」→「PME Event Wake Up→Enabled」、「Power On by Ring→Enabled」となって
いた。

続いてWindows 7の設定に入る。

とりあえず、PCのネットワークに関する諸情報(LAN内IPアドレス、コンピューター(ホスト)名、MACアドレス)を下記の方法で調べる。



Windowsのスタートメニューから「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「コマンドプロンプト」を選択。
コマンドプロンプト上から「ipconfig/all」と入力してエンター。
色々な文字が表示された全体の上から1/4くらいのところに「物理アドレス」という「00-00-00-00-00-00」←のような数字とアルファベットからなるランダムな
英数字がいわゆるMACアドレス。
で、その少し下にある「IPv4アドレス」(192.168.11.2(優先))←が現在のPCのLAN内IPアドレスとなる。
この2種類の数値とホスト名をメモっておこう。(メモしたらコマンドプロンプトは終了する。)

次に、OS上のネットワークアダプターの設定をする。

・Windowsの「スタートメニュー」→「コントロールパネル」→「ハードウエアとサウンド」→(デバイスとプリンター内の)「デバイスマネージャー」を選択。


↑「ネットワークアダプター」の左側にある三角マークをクリックしてデバイスを表示させる(僕のはRealtek〜となっている)
 そのデバイス名を右クリック→「プロパティ」→「詳細設定」タブを選択。

・「プロパティ(P)」の選択項目の中から「Wake on magic Packet」を選択し、右側の「値(V)」を「Enabled」にする。



↑そのまま「電源の管理」タブを選択してして「Magic Packetでのみ、コンピューターの〜」と、「このデバイスで、コンピューターの〜」にチェックを入れて「OK」。

OS側の設定はこれでOK。
次に無線LAN親機の設定に入る。





【無線LAN親機の設定編】
・無線LAN親機の設定ツール(エアステーション)を立ち上げる。
(ユーザー名とパスの入力を要求されたらユーザー名に「root」と入力し、パスは空欄のままログインする。)


↑トップメニューから「ステータス」タブ→「システム」を選択すると、無線LAN親機の諸情報が表示される。

その中の「Internet」の欄の中の「操作」の下にある「IPアドレス」(202か210から始まる数値)がインターネット用のグローバルIPアドレスになる。
この数値をメモる。
ちなみに、このグローバルIPアドレスは、無線LAN親機をリセットしたり、停電などによってシャットダウンする度に変わってしまう。
また、プロバイダによって不定期に変更される場合があるので注意してほしい。
(僕の場合、とりあえず前回のリセットから今日までの1週間は変わっていないようだ。)



↑@「Internet/LAN」タブ→A「PPTPサーバー」へ進む。

・C「PPTPサーバー機能」→「使用する」にチェックし、B「割り当てIPアドレス」に、最初にメモったLAN内IPアドレスを入力→D「設定」をクリックする。
 ちなみに「LAN側IPアドレス」として「192.168.11.1」とあるが、これはルーター自体のIPアドレスとなる。
(上に赤字でIPアドレスの変更を勧められるが、無視すること!)

 同じ画面の下にE「PPTP接続ユーザーの編集(新規追加)」メニューをクリックして先へ進む。



↑@「ユーザー名」にはiPhoneからログインする際のユーザー名を入力し、Aにはパスワードを入力する。
  Bの「DHCPサーバー」にチェックを入れ、C「新規追加」をクリック



↑「セキュリティ」→「VPNパススルー」と進み、「PPTPパススルー」にチェックを入れて「設定」をクリック。

以上でBUFFALO無線LAN(PC側)の設定が完了。
続いてiPhone側の設定に入る。


【iPhone設定編】

・WI-FIをオフにし、3G回線にしておく。

・「設定」→「一般」→「ネットワーク」→「VPN」と進み、「VPN構成を追加・・・」をタップする。


↑「構成を追加」メニューの各項目を埋めていく。
・「PPTP」を選択する
・「説明」には適当なネーミングを記入する。
・「サーバ」には、上記でメモった202や210からなる「グローバルIPアドレス」を入力する。
・「アカウント」には、エアステーション設定ツールの「PPTP接続ユーザーの編集(新規追加)」で設定したユーザー名を入力する。
・「RSA SecuerID」はオフ
・「パスワード」には、エアステーション設定ツールの「PPTP接続ユーザーの編集(新規追加)」で設定したパスワードを入力する。
・「暗号化レベル」は「自動」
・「すべての信号を送信」は「オフ」
・「プロキシ」は「自動」
上記を入力・設定して「保存」をタップする。

以上で、WOLに必要な全ての初期設定が完了した。
以下からは実際にメインPCを起動させるための手順となる。


【WOL実行編】

試しにメインPCをシャットダウンしておこう。

・先ず、接続回線が3Gになっていることを確認する。

・「設定」→「一般」→「ネットワーク」→「VPN」と進み、「VPN」を「オン」にする。
 あるいは、「設定」から直接「VPN」を「オン」にする。


↑「VPN」を「オン」に切り替え、しばらくするとVPN接続されてiPhone画面上部のステータスバーに「VPN」が表示される。

・Safariを立ち上げ、URL欄に「http://192.168.11.1/」←のURLを入力してエアステーションを表示させる。
ログイン画面ではユーザー名に「root」と入力し、パスは空欄のままログインする。(←この操作は何かと要求されることがある)


↑トップメニュー上にある「ネットワークサービス一覧を表示」からネットワークサービスに入る。


起動したいPCをホストネーム、MACアドレス、IPアドレスのいずれかによって特定し、該当する「WOL」ボタンを押す。
(僕の場合は「192.168.11.2」のIPアドレスがそれにあたる。)


するとマジックパケットが送信された旨が表示され、狙ったPCが起動する。

この後、VPN接続をオフにして通常の3G接続に戻し(別にVPN接続のままでも構わないが、、、)、「Splashtop Remote Desktop」などのリモートデスクトップソフ
トを使用することで、電源オフ状態であったメインPCを起動させてアクセスし、遠隔操作ができるようになるはずだ。
(記:2012年1月20日)


<↓2012年3月18日追加情報↓>(ネット回線をBフレッツからフレッツ光ネクストに切り替えた)
これまで、我が家のネット回線には、光回線の中では旧世代ともいえるBフレッツを使用していた。
しかし今回、いよいよネット回線をフレッツ光ネクスト(ハイ・スピードタイプ)に切り替えることになったのだが、実はここに一つのある不安があった。

今回、ネット回線を切り替えるにあたり、固定電話をこれまでのアナログ電話回線から、ひかり電話に切り替えることになっていた。
この場合、電話線は光回線終端装置(ONU:PR-400KI)に接続される事になるのだが、これが外部回線からのVPN接続時に悪影響を及ぼさないだろうか?
というものだ。
具体的に言うと、WOLを実行するためには無線LAN親機にグローバルIPアドレスが引き渡されなくてはいけないのだが、ひかり電話を併用することで、プライベート
IPアドレスに変換されてしまういのではないか?という不安を感じていた。

しかし結論から言うと、ONU側のPPPoEブリッジ機能(工場出荷状態)を使用することで、これまでと同じように何の問題も無く外部回線からのVPN接続&WOLに成
功した。


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