マーシャル オールバルブアンプヘッド DSL100H

(Marshall 100W 2ch ALL VALVE AMP HEAD DSL100H)





       
<Photo :とんかつサンド>


【JCM2000/DSL100と再販版のDSL100Hとの比較試奏を行った結果、、、、】
僕は2015年2月2日に、マーシャルのスタックアンプであるJCM2000/DSL100と、再販版のDSL100Hとの比較レビューに関する記事を書いた。
(そちらの比較記事は→こちら

ところが、時間をかけて試奏を続けていくうちに、再販版となるDSL100Hはマーシャルがカタログ上で語っているように、確かにJCM2000版よ
りも改良が施されている事が身をもって実感できてしまった。
と言う事で、前回に衝動買いをしたBlackstarのHT-1Rの時から2か月弱という短い期間であるが、DSL100Hヘッドを購入してしまった。
というよりも、正しくはJCM2000版のDSL100から新たに買い直したというのが正しいだろうか?(苦笑)
(ちなみに、僕が所有していたJCM2000のDSL100のレビューページは→こちら


【DSL100がリニューアルされた理由】
DSL100Hとは、1997年に発売され、大ヒットモデルとなったJCM2000/DSL100のリニューアル版として2012年から発売されたモデルである
ことは周知の事実だ。
JCM2000版のDSL100をGoogle検索すると、2007年からJVMシリーズが発売開始された事により、JCM2000/DSL100が同年に生産が完了
したといった内容の情報を多く目にするが、事実は違うようだ。
「アンプ大名鑑:Marshall編」によればTSLシリーズは2009年まで、DSLシリーズは2011年まで製造されていたと記述されているが、これも間
違い。
過去のギターショップやマニアによるブログに記載された記事を時系列に追っていくと、2008年秋頃から生産完了の噂が流れはじめ、2009年
初頭(春頃?)にTSL、DSL共に生産終了となったようだ。
(ちなみに、僕の手元にある「マーシャル・プロダクトカタログ 2009」には、JVMシリーズと共にJCM2000/DSLシリーズもしっかりとラインナッ
プに含まれている。)

その後、マーシャル社は最新のテクノロジーを盛り込んだフラッグシップ・モデルとしての役割をJVMシリーズに担わせることになるが、一方で
は、JVMシリーズの多機能化による販売価格の高額化に伴い、オールバルブアンプでありながら、JVMシリーズよりもシンプルな機能でリーズ
ナブルなモデルの発売も求められることになる。
そこでマーシャル社は新たなオールバルブアンプのラインナップとして、「MAシリーズ」をリリースするが、シースルーになっているフロントパネ
ルが受け入れられなかったのだろうか?販売台数が芳しくなかったことにより、2012年には生産中止に追い込まれてしまう事になる。

MAシリーズの販売不調が危惧される一方では、DSLシリーズのリニューアル版を販売開始する計画が進められていた。
しかし、ただ単に全く同じものを再販するのではなく、JCM2000/DSL100に対していくつかの改良(?)が施された。

・JCM2000版では「DEEP」というプッシュプル・スイッチによって、「ONかOFFか」という低域調整しか選択できなかったのに対し、「RESONA
 NCE」コントロールを装備。
 これにより、無段階での低域調整が可能になった。

・JCM2000版に採用されていたスプリング・リバーブからデジタル・リバーブに変更。

・リアパネルに「ペントード/トライオード」スイッチを新たに装備。
 これにより、出力を100Wと50Wに切り替えて使用する事が可能となった。

・フットスイッチがJCM2000ではチャンネル切り替えのみであったのに対し、同様にチャンネル切り替えに加えてリバーブのON/OFFもできる
ようになった。

以上の4点がカタログにも記載されている変更点だが、これらの他では生産国が英国からベトナムに変更となっている。
しかし、英国にあるマーシャル社が設計開発を行い、マーシャル社によって調達された純正部品を英国内で組み付けるか、ベトナムで組み付
けるかの違いだけであり、僕はこの点について全く問題とは捉えていない。





【なぜ、JCM2000版からリニューアル版のDSL100Hなのか?】
僕が所有していたJCM2000/DSL100は、発売開始当時に予約してまで手に入れたものであるため、10年以上に渡り生産され続けた中でも最
初期のモデルにあたる。
ギター・アンプ修理の専門家の間では有名な話であるが、JCM2000/DSL100は基板の取り回しやパーツ類に難があり、特に2002年あたりより
も古いものはパワー管周りのパーツレイアウトがかなりタイトな設計になっている。
接触してはいけない端子同士がいつ接触してもおかしくない状態で、最も狭い部分では0.2mm程度の間隔しかないのだと言う。
そこで、基板材質の劣化による絶縁不良や漏電などが原因でショートを起こし、基板が焼けてしまったり発煙を起こすトラブルが多発している。
ちなみに、現在ではマーシャル社はJCM2000の基板部品の供給を終了しているため、完全に治すためには基板の在庫を保有している修理屋
さんに修理を依頼するか、ジャンク品から基板を調達して交換するしか方法は無い。
ギター・アンプの修理屋さんに言わせると、JCM2000/DSL100(TSL100も同様)が修理に持ち込まれる度に「またこいつか!」となるそうだ(苦笑)
再販版のDSL100Hの基板レイアウトに関して海外の専門家によると、JCM2000よりもレイアウトに余裕を持たせてあり、上記のような問題につ
いては解決されているだろうとの見解であった。


【より日本の住宅事情に最適化した、リニューアル版DSL100H?】
さて、リニューアル版 DSL100Hの使い勝手に関するレビューについては、基本的には冒頭に貼ったリンク(JCM2000版のDSL100のレビューと、
比較検証レビュー)に書き綴ったとおり。

クラシック・ゲイン・チャンネルでは70年代ハードロックを支えてきたプレキシのようなトーンを、ウルトラ・ゲイン・チャンネルでは、80年代以降の
ハードロックやヘビィ・メタルに代表されるようなJCM800にブーストをかけたようなトーンを、、、。
という点については僕自身も強く感じているところだが、今となっては手っ取り早く、「まさしく、97年の発売以降、2000年代を一斉風靡したJCM20
00のトーンそのもの!」と表現した方が解りやすいのではないだろうか?(笑)

更に、これらに加えてDSL100Hには「RESONANCE」コントロールが装備されたことにより、JCM2000版ではプッシュプル・スイッチによる「ONかO
FFか」という設定しか選択できなかったのに対し、この「RESONANCE」コントロールを微妙に調整する事で、ごく自然に音の厚みをコントロールす
る事ができるようになったのは大きな改良点だ。
これにより、JCM2000版よりも更に広いトーンバリエーションを備えている事に成功している。
特に深夜の自宅練習の際など、音量を極限まで小さく絞った場合の低域の補正などにも効果大だ。

また、背面に設置されている出力切り替えスイッチにより、元々自宅練習用としても音量を絞る事ができるJCM2000版のDSL100よりも、更に音
を絞る事ができる点も日本の住宅事情により最適化されたと思う。


【真空管アンプはバーンインが必須】
ブログなどで、DSL100Hのレビューについて書かれた記事を目にすることがあるが、その中にJCM2000に比べて音がキンキンしていると言う方
がいる。
でもそれって、同じコンディションでの比較ではないのではないかと思う。
おそらく、JCM2000の方はレンタル・スタジオなどで酷使され、かなりエージングが進行した(言い方を変えればヘタった)状態であるのに対し
DSL100Hは新品、もしくはエージングがあまりされていない状態での試奏での感想だと思われる。
実際、1998年(97年に予約を入れ、実際に手に入れたのは98年1月)に新品のJCM2000/DSL100を初めて弾いた時の僕の第一印象が「あれ?
音が硬くて真空管っぽい温かみが無い?」というものであった。
そこから時間を掛けて弾き込む事で、オールバルブ・アンプは本来のトーンに仕上がっていく。
JCM2000版も、リニューアル版も、どちらも新品から使い始めた僕の感想としては、「どちらも同じ、DSL100のトーン」だと感じた。
真空管アンプはバーンイン(エージング)が必須なので、焦らずじっくりと時間を掛けて育て上げていくことが大切なのです。(笑)
(記:2015年3月1日 )






↑JCM2000版では、バックパネルが鉄板にクロメートメッキが施されたものであったのに対し
 DSL100Hでは画像の様に変更されている。
 こちらの方が内部の様子が見えやすく、個人的には好きだ。



↑こちらはパネルを外した状態。
 リアパネル中央右寄りに、出力切り替え(100W/50W)スイッチが新たに追加されている。



↑「RESONANCE」コントロールが新たに装備されたことにより
 JCM2000版よりも幅の広いトーン調整が可能となった。



↑リアパネルに設置された「TRIODE/PENTODE切り替えスイッチ
 これにより、出力を50Wと100Wに切り替えが可能となった。



↑やはり、オールバルブアンプはオレンジ色に輝く真空管がとても美しい(笑)



↑付属品一式。  フットスイッチ、スピーカー・ケーブル、電源ケーブル、ユーザー・マニュアル


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