
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす」
平家物語の有名な冒頭文です。その祇園精舎は『阿弥陀経』に「祇樹給孤独園」(ぎじゅきっこどくおん) と出ています。その祇樹給孤独園についての有名なおはなしがございます。
舎衛国の人でスダッタという大資産家がいました。親のない子や、年老いて身よりのない人を助けたので、 孤独の人に給仕する長者という意味で「給孤独」長者と親しみと尊敬で呼ばれていました。
長者は商売の買い付けでマガダ国の首都・王舎城に立ち寄ったときにお釈迦さまのうわさを聞き、 竹林精舎にたずねて、お釈迦さまの教えを聞き、そのすばらしさに感銘をうけ、たちまち信者になりました。
そして、長者の故郷・舎衛国に来て説法をしてほしいとお釈迦さまにお願いして承諾を得ました。
故郷に帰った長者は静かで修行に適した土地を探し当てました。それは祇陀王子(ぎだおうじ)の所有する園林でした。
長者は王子に土地をゆずっていただくように交渉しましたが、話がまとまりません。
王子は無理難題のつもりで「あの土地一面に金貨をしきつめることができたらゆずってやろう」と言いました。 すると、長者は本当に言われたとおりにしようとすると、王子は長者が招き入れる人物がただならぬ聖者であることがわかり、その園林を寄進したということです。
そこで祇陀王子の「祇」樹林の「樹」長者のあだ名「給孤独」園林の「園」で「祇樹給孤独園」と『阿弥陀経』に書かれ、いわゆる「祇園精舎」となりました。
やがてお釈迦さまはそこに移り住み、多くの説法をなさったということです。
このお話を聞き、私は自分自身に引き当てて、お釈迦さまのすばらしさを見出したスダッタ長者も立派でありますが、 土地を寄進した祇陀王子にも感心させられます。
私たちはお布施にも義理や世間体にとらわれてはいないでしょうか。 お布施とは、本来「喜捨」喜び捨てること、つまり見返りを求めないことなのです。
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