3奈良時代の文化〜天平文化〜

1:天平文化の特徴

聖武天皇のころ に栄えた文化で、 唐の影響を受けた、貴族中心の仏教文化
また、律令制度による天皇家の力が安定して きた時代であるので、多くの文書が編さんされた。

2:天平文化の作品

@ 仏教寺院・仏教に関係する寺



東大寺
聖武天皇が仏教を厚く保護したので、 多くの寺院が平城京で造られた。


<例>

●国分寺・国分尼寺(各地)
・・聖武天皇が国ごとに建てた寺。国分寺は男性の僧の寺・ 国分寺は女性の僧の寺である。

●東大寺(奈良県)
・・国分寺の総本山(1つの宗派の本部の寺のこと)。 聖武天皇が、 東大寺の本尊(ほんぞん。信仰の対象として寺の中央に置く仏像の こと。)と して大仏をつくることを決めた。大仏は、9年もかけてつくられた。 僧の行基は、聖武天皇の命令を受けて、大仏づくりに協力 した。 諸侯や寺院に大仏づくりに協力してもらうように、私 有地を認め る墾田永年私財法を定めたという説もある。

●正倉院(しょうそういん)(奈良市東大寺境内)
・・東大寺の倉庫として置かれたもの。 大仏開眼儀式のときに 使われた品物や、聖武天皇の 愛用品(海外の品物や海外の影響を受けた品物)が納められている。 正倉院に納められているイラン(ペルシャ)のガラスのコップや、 日本にいない砂漠の動物ラクダが描かれている琵琶(びわ。管楽器のひとつ,※下の左写真参考)から、 当時の日本が外国と交流があったことがわかる。 正倉院の建物のつくりは、クギを使わず、木材を組み合わせた校倉造(あぜくらづくり,※下の右写真参考) になっている。

 ●唐招提寺(とうしょうだいじ)(奈良市)
・・唐から日本に招かれた僧の鑑真によって建てられた寺。

A 編さんされた書物

奈良時代になると、律令制度が安定してきた。 日本が律令国家になるべく努力した背景には中国(唐)の脅威があったのだ。 中国になめられないためにもいち早く中国のような律令国家に日本がなる必要があった。 その律令国家になるひとつの証に、その国の歴史書を編さんすることがあげられるのである。

また飛鳥末期から天皇家との結びつきを強くしていった一族に藤原氏がいる。(例えば、 聖武天皇は藤原氏の息子で、藤原氏が奈良から天皇家の裏をひいていた。) 天皇家と藤原氏の力をこれ以後永続されるために、天皇家が日本を統治するのが正しい、 と伝える文書を編さんする必要もあった。 文書を製作するにあたって、大和朝廷が制圧した地域の神話(出雲神話など)や伝統も大和朝廷に 結合させた。


<例>

●古事記(こじき)
・・神話や伝承をまとめた天皇家のための歴史書。 現在の天皇の先祖が神であり、天皇の子孫がどのように大和朝廷をつくっていったかが示さ れている。 712年に、元明天皇(げんめいてんのう。天智天皇の娘 で、持統天皇の姉妹で、大宝律令を制定した文武天皇 の 母親。文武天皇の死後に即位した女性の天皇。平城京に遷都した。)の命令で、 太安万侶(おおのやすまろ) が記述した。

●日本書紀(にほんしょき)
・・古事記と同様、神話・伝承・当時の記録をまとめ た書物。大化の改新・壬申の乱の経過も示されている。720年に舎人親王( とねりしんのう。天武天皇 の息子。)たちによって編集された。

※『古事記』と『日本書紀』のちがいは? →どちらも日本の歴史(神話)を扱っている。内容も似ているが、日本書紀の方が飛鳥末期まで詳しく 記述されている。 しかし、最も大きな違いは『古事記』が国内向けの歴史書、『日本書紀』が外国向けの歴史書である点。 『古事記』は日本国内の国民に日本が天皇家が統治するにふさわしいのであるということを根本に しているので、天皇家以外の一族の話(神様)も描かれえがかれていて、それらを最終的に 天皇家が統治する結果となったという内容になっている。 『日本書紀』は、天皇家の歴史をつらつら描いているだけである。

●風土記(ふどき)
・・ 諸国の地理や伝説をまとめた書物。諸国の地名やその地名の由来、特 産物・伝承 ・伝説などが記述されてる。完全に現存しているものは、 『出 雲国風土記(じずものくにふどき。島根県)』。その他、一部が欠けてい るが現存しているものに、 常陸(ひたち。茨城県。)や播磨(はりま。 兵庫県。)の風土記がある。 古事記の編さんを命じた天皇である元明天 皇が諸国に命じてつくらせた。


●万葉集(まんようしゅう)
・・8世紀に完成された4500首もの和歌がおさめられた歌集。 日本最古の和歌集で、大伴家持(おおとものやかもち)が編さんした。天皇や貴族・農民・防人による、 さまざまな歌がのこっている。代表的な歌人に、額田王(ぬかたのおおきみ。天武天皇の妻であったが途中 で天智天皇の妻になった、恋ゆたかな女性。)、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ。 天武・持統・文武の3人の天皇につかえた。格調高い歌を歌った。一説には、『万葉集』の 基礎を考えた人物とされている。)、山上憶良(やまのうえのおくら。農民の苦しい生活を詠んだ。 『貧窮問答歌』で有名。)などがいる。

B貨幣

奈良時代に、貨幣というもので物を買う習慣がはじまった。


<例>

和銅開珎(わどうかいちん)・・奈良時代につくった貨幣。都やその周辺で使われた

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