<特集No.28 DR.GENさんの英国レポート>


今月の特集は、去る7月19日にリバプールで行われたユニセフのチャリティー・ショーの貴重なライブレポートです。DR.GENさんの執筆です。
7月中旬、仕事やヤボ用、色んな理由をくっつけてロンドン、リバプールへ出かけて参りました。旅の目的は、37年ぶりとなるジョン・メイオールとエリック・クラプトンの共演を見る事です。
海外でエリックを見るのは96年、98年、2001年に続いて4回目ですが、ビートルズ・ファンでもある私にとって初めてのリバプール行に胸が高鳴ります。


その前にロンドンでのお約束、エリックの御自宅訪問です。


エリックのロンドンの自宅の側にあるパブ「フロント・ページ」で、まずは76年型エリックT中夫妻と前夜祭で盛り上がりました。


自宅近くのエリック御用達「フィッシュ&チップス」の店内で記念撮影とまるで追っかけです(笑)。


ロンドンの北の玄関ユーストン駅(左)からヴァージントレイン(右)に乗り、
車内では「高知アホアホツアー」のように朝からビールを沢山摂取し、約3時間の旅でリバプール・ライム・ストリート駅に到着しました。


リバプールでは、60年代からのエリック・ファンでデラニー&ボニーやドミノスのライブも御覧になった事のあるポール氏(左)と、グレッチを抱えたジョン・レノン・モナリザ像(右)が出迎えてくれました。


ホテルにチェック・インすると、早速ビートルズゆかりの地を訪ねます。まず訪れたマシュー・ストリート(左)には、ビートルズがデビューしたキャバーン・クラブ(今はキャバーン・パブになっています:右の写真)があります。


そこの壁には訪れたミュージシャンの名前が刻まれ、もちろんエリックの名もありました。


現在のキャバン・クラブ(左)はこの反対側にあります。ほど近いパブ「グレイプス」(右)では、若かりしジョンとポールが作曲していたそうです。


この通りには、もちろんファンの財布を軽くするビートルズ関連ショップが色々あり、ビートルズやエリックのヴィンテージ写真や、ジョンのリトグラフなどを扱うギャラリー(上)では、クリーム時代のエリックのオリジナル・プリントを購入してしまいました。


会場のビッグトップアリーナ(左)は、マージー河沿いに作られた昔のドック(右)を埋め立てたキングス・ドック跡地にある特設会場で、まあサーカスのテントみたいなもんです。
今回の「サマー・ポップ2003」と銘打ったイベントはユニセフのチャリティーの一環で、連日色んなアーチストが出演しています。因に6月の初日はポール・マッカートニーだったそうです。今回は運良くVIPパスを取っていただき、開演前のバックステージに潜入してエリック師匠の楽屋近くまでは行けましたが、御対面は諦め、おとなしくドリンクのみ御馳走になり、パーティー会場へ移動。オードブルやらアルコールやら摂取しつつ、リバプール訛りのきついおじさん、おばさんたちの相手をした後、オープニングアクトを鑑賞。遅れて席についてみると前から2列目、しかもエリックのコーネル・アンプの真正面という絶好のポジション。思わず神に感謝しました。名前は聞きのがしましたが初期ビートルズを彷佛とさせる若手トリオの熱演。なかなか良かった。

インターバルでパーティー会場に戻り一服の後、いよいよメイン・アクトの登場です。

夏なのにチェックのウールのコートを着たおじさんがステージ上に上がり、開会の挨拶。誰だか周りの人に聞くとマイケル・マッカートニーさんでした。


まずは、現役ブルースブレイカーズの登場。ギターのバディー・ウィッティントン(左)を中心としたカルテットがアップテンポなブルースを決めた後、「ブリティッシュ・ブルースの父」ジョン・マイオールの紹介です(右)。スタンディング・オベーションで迎えられたジョンは、午前中に雑誌のインタビューで会った時よりもさらに御機嫌な表情で登場。それもそのはず、今回のギグは彼の70才の誕生日を祝うもので、それにOBが駆け付けるという形で行われたからです。ジョンがエレピを弾きツインキーボードのスタイルの曲や、昔から使っている変形ギターをジャズコーラスに突っ込んだペニョペニョ・ソロなど、初ブルース・ブレイカーズを楽しんだ後、


ひとり目のゲスト、ミック・テイラーの登場です。大きな体型は相変わらずでしたが、サラサラ系ロン毛の昔風ヘアスタイルのおかげか、少し若返って見えました(マイケル・マクドナルドって感じ)。ギターは90年代前半のものと思しきチェリー・サンバーストのレスポールとカスタムメイドらしきストラト(シェクターか)、アンプはザ・ツインを使用していました。決してスピードに頼らない安定したフレージングは正統派ブリティッシュ・ブルースの歴史そのもので、スライドプレーも派手さこそないものの、さすがの存在感を見せてくれました。


そしていよいよエリック師匠の登場です(左)。にこやかに颯爽と登場したエリックは、最近お気に入りのフチなしメガネ、ちょっと散髪した髪に無精髭が精悍な表情(右)。お〜!アゴがあるやんけ。思わず「カッコえ〜ど!」と日本語で声をかけてしまった。グレーっぽいTシャツに、かなり色落ちした501。足下はVISVIMの茶色のTWONBLY。右手のイカリングは1個のまま。最近のグラフィック1号をお気に入りのコーネル・カスタム80へ繋いでいました。スペアは最新ブラッキー。


まず1曲目はジョンと二人でミッド・テンポのシャッフル「ノー・ビッグ・ハリー」。顔を見合わせながら楽しそうにデュオを決めてくれました(上)。トロンボーンのクリス・バーバーが入り3人で1曲やったあと、バンドが戻り、いきなりの生「ハイダウェイ」にチビりそうでした。それにしても例のブレイクのフレーズのうまい事!!今までプロアマ幾多の「ハイダウェイ」を聞いて来ましたが、あんなに簡単そうに弾くのを見たのは初めてでした。続く「オール・ユア・ラブ」のグリス・アップの正確な事といったら、鳥肌ものでした。
更に極め付けは、エリックが「ハブ・ユー・ハード」のイントロを鳴らした瞬間でした。
観客:『ゴワ〜〜〜!!ゾワ〜〜〜〜!!』、ジョン:『くえ〜、まいったぜぇ』、バディー:『うへ〜、本物だぁ!』ってリアクションが可笑しくて思わず笑っちゃいました。
その後もエリックの一挙手一投足に観客の目は釘付けになり、おそらくブルース・ブレーカーズ史上最高盛り上がりのギグにもかかわらず、目線が通り過ぎるのをまざまざと感じたジョンが「そういや66、7年頃ってこんな感じだったなあ」と思ったかどうかは知りませんが、気を取り直して「大将はワシじゃあ!」とソロの配分をゼスチャーたっぷりに指差して指示する姿にプロ根性を見ました。「フーチー・クーチー」、「トア・ダウン」のボーカルもエリックファンにはお馴染みですが、ジョンは横に首を振りながら共演の喜びを隠しません。


今回のエリックの演奏は客演という事もあり、ブルースナンバーを弾くにしても、渾身トランス状態にはほど遠く、笑顔で余裕たっぷりに、いつものフレーズをいつものように弾いてくれました(上)。
でも、やはりさすが、最高速度300キロのフェラーリが60キロで流しているかの存在感が、周りとはぶっとい一線を画してるのは隠しようもなく、それはアンコールでミック・テイラーが同じステージに立とうとも、いかんともしがたいものでした。とにかくスーパー・スムーズ、うまいです。バディーのテクニカルなアプローチも嫌いではありませんでしたが、同じ空間で聞いてしまうと、出音の太さが段違いでした。
聞けば、リバープールでエリックが演奏するのは85年以来の事だそうで、観客の真剣な態度、マナーにも胸を打たれました。散漫な観客も多いアルバート・ホールと違って、会場が一体となり、ゲストの登場、御贔屓のプレーヤーのソロの後にはスタンディング・オベーションし、すぐまた座る。終始なごやかなムードに包まれた、素晴らしいギグでした。
ブルース・ツアーのような鬼気迫るエリックも良いですが、今回のような素晴らしくリラックスしたエリックも凄く素敵でした。こりゃあ、秋の日本公演が楽しみです。
コンサート以外にも、リバプールではビートルズゆかりの地を訪ねたり、ロンドンに帰ってからはコーネルさんの工房を訪ねたり(『ギター伝説DR.GENのすけべ』を御参照下さい)有意義に過ごしましたが、スペースの関係で割愛させていただきました。

【John mayall and the Bluesbreakers】
*John Mayall - vocals, keyboards, organ, electric piano,harmonica
*Joe Yuele - drums
*Hank Van Sickle - bass
*Tom Canning - keyboards
*Buddy Whittington - guitar,vocals
【Special guests】
*Eric Clapton - guitar, vocals
*Mick Taylor - guitar
*Chris Barber - trombone

[With Eric]
No big hurry
Please Mr. Lopton
Hideway
All your love
Have you heard
Hoochie Coochie
I'm tore down
Talk to your daughter